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海外オークションサイトeBayとは?越境EC初心者が知るべきメリット・デメリット、出店方法を徹底解説
- 2025.09.05
- 越境EC

越境ECで中国の次に大きい市場であるアメリカ。進出を検討するにあたって、AmazonやeBayなどの通販プラットフォームは販売手数料と引き換えに低いリスクでスタートできるのは魅力的です。
また自社サイト構築時にかかるような初期投資も必要がないため、自社商品のテスト販売として市場のニーズを見極める事にも活用できます。
さてそんなプラットフォームの中でもアメリカでは二大巨塔でありながら、Amazonと違って日本人にはあまり馴染みがないeBay。
今回は越境ECサイトの運営経験を持ち、Amazon・eBay両方のプラットフォームに出店した筆者の実体験も交えてeBayの特徴とメリット・デメリットをご紹介します!
* AmazonマーケットプレイスとFBAについての記事はコチラをご覧ください。
* 販売手数料などのは2025年9月執筆時のデータです。最新のデータはeBay公式サイトをご参照ください。
eBayとは?
eBayは世界最大のオークションサイト
eBayは1995年にアメリカで誕生したオークションサイトで、日本の「ヤフオク」や「メルカリ」に近いサービスです。
2025年現在では世界中に1.34億人のアクティブバイヤー(1年間に1回でも購入したことがある購入者数)と2億品の商品が集まる、世界最大のオークションサイトです。
ただ、オークションサイトといっても、「ヤフオク」や「メルカリ」と同様、企業が出店することも可能です。
オークションだけではなく、固定価格での販売も可能になっています。
eBayとAmazonの大きな違い
一番比較されやすいAmazonとの大きな違いは、eBayはオークションサイトであるという点です。
そのため、お客様から値切りの交渉が来たり、オークション形式での出品が可能なところが、大きな違いといえるでしょう。
また、Amazonでは商品カタログに対して出品を行いますが、eBayでは自らの出品ページを作ることができます。
eBayで出品するメリット
世界中のバイヤーが集まる
eBayには、世界中からバイヤーが集まってきます。
出品するだけで、世界中のバイヤーにリーチすることができるため、日本から商品を発送することが可能な国であれば、どこにでも販売することができます。
また、eBaymagという公式ツールを使うことで、ドイツ語やフランス語等に翻訳してくれるため、英語圏以外にも販売することが可能です。
eBayは越境ECの進出サポートがしっかりしている
国内では販売プラットフォームが存在しないため認知度が低いeBayですが、日本からの海外販売を支援する取組みに力を入れています。
eBayでは、日本法人であるイーベイ・ジャパン株式会社(*)が、出店について積極的に支援を行っており、日本語でのサポートや「eBayアカデミー for Japan」にて日本語のマニュアルや動画、セミナー情報が公開されています。
eBayの管理画面は基本的に英語です。また、eBayでは専門用語が多いため、慣れるまでは時間がかかるかもしれません。もし、分からない場合は、日本語で問い合わせることができるため、安心して運用できる環境が用意されています。
(参考:ECのミカタ「トランプ関税の影響は? 30周年を迎えるeBayが語る「越境ECの今」」)
(*) Qoo10を運営するeBay Japan合同会社は関連会社であり、eBayとQoo10はそれぞれ別の通販プラットフォームです。
セラー(販売者)を保護するプログラムがあり、リスクを軽減できる
越境ECにおいて、海外の購入者とのやり取りでの予期せぬトラブルや理不尽な要求に直面するリスクも考えられます。
eBayでは、こうしたリスクから販売者を守る独自のプログラムを用意しています。このプログラムがあることで、購入者からの不当なクレームや、配送中のトラブルなどが発生した場合でも、eBayが介入して販売者の損害や不利益を防ぐサポートを行います。
例えば、以下のようなケースで保護が適用されます。
- 購入者が商品を使用または破損させた後に返品してきた
- 不当にネガティブな評価をつけられた
- 購入者が支払いを行わない(未払い)
- 追跡情報により商品が到着しているが、商品未着を申し立てられた
- クレジットカードの不正利用により購入された
これらの保護があることで、販売者はトラブル対応に時間を奪われることなく、商品リサーチや販売戦略といった本来の業務に集中することが可能になります。
また、eBayでは他にも、真贋保証サービスや公式配送方法であるeBay SpeedPAKなどの提供も行っており、セラーとバイヤーが安心して取引できる環境を作っています。
eBayで出品するデメリット
eBayは売れ筋商品のトレンドがオークションサイト特有
eBayは、ヤフオクやメルカリといった、オークションサイトであるため、新品よりも中古や変わったアイテムの人気が高く、事前に自社の取り扱い商品・ジャンルがどの程度人気があるのか事前に確認する必要があります。
例えば、自動車やバイクのパーツや、フィギア・玩具(アニメ系)・トレーディングカードなど海外では手に入りにくい物、海外よりも総じて保管品質が良い中古のブランド品や高級時計・カメラなどが人気です。(*1)
共通したポイントは、日本でしか手に入らない物、コレクター好みのものという点です。
英語での対応が求められる
前述の通り、管理画面は日本語に変更することも可能ですが、一部機能が制限されるため、英語が全くできないユーザーにとっては難しく感じるかもしれません。
また、購入者とのやりとりは基本的に英語で行う必要があります。
イーベイ・ジャパンの公式サイトを見ると、必要な英語レベルは中学生程度(*2)とありますが、高単価の商品の場合はしっかりとした信頼が置ける対応を求められますので、対策を事前に考えておく必要があります。
例えば、事前に、バイヤーからの問い合わせに返答するための英語例文を用意するといった準備をするとよいでしょう。
(出典:*1 経済産業省 商務情報政策局 情報経済課「令和 6 年度 電子商取引に関する市場調査 報告書」、*2 eBay「ネットオークション(海外販売)に必要な英語レベルとは?」)
eBayのシステム利用料、出店に関しての注意点
eBayの利用料金体系
eBayでは、アカウント登録時に初期費用はかかりませんが、出品から取引に関連する手数料として大きく3種類と各種費用の割引を受けられるeBayストア手数料があります。
利用料は大きく分けると、以下の4つになります。
①出品手数料(Insertion fees)
eBayでは、出品形式に応じて出品手数料がかかりますが、毎月最大250出品までは無料出品枠が設定されています。
②落札手数料(Final Value Fee)
eBayで商品が販売された時にかかる手数料です。商品が売れた時点で1回のみ発生します。
また、ストアプランや商品カテゴリーに応じて落札手数料が異なります。
③海外決済手数料(International fee)
日本のセラーには、居住国以外への販売時に1.35%の海外決済手数料が課されます。
④ストア手数料
任意での登録プランです。このストアを契約するとeBay上に専用のストアページを持つことができます。
ストアプランによって各種手数料の割引、無料出品枠の増加が受けられるので、出品商品数が多い場合はストアの登録を検討するのがおすすめです。
また、eBayでの売上を日本の銀行で受け取るにあたって、中継サービス(Payoneer)の手数料が2%かかります。
(参考:料金について)
販売金額と掲載出品数に上限がある
登録して数ヶ月の間は販売金額と掲載出品数には上限が定められています。
特に気をつけたいのが、登録してすぐに高単価の商品を取り扱うと、eBayの不正検知システムが働き、販売制限がかかってしまう可能性があることです。
これらは、イーベイ・ジャパンの「販売サポート」に申し込み、審査を受けると、最初から販売金額と掲載出品数について上限を引き上げることが可能で、また、販売制限も起こりづらくなります。
高単価の商品を扱う場合は販売サポートへの登録がおすすめです。
もうひとつ気をつけたい点としては、eBayはアメリカだけではなく、世界中に販売することができるため、さまざまな販売禁止品が設定されている点です。
利用の検討にあたっては、自社の製品が抵触していないか、しっかりと事前に確認しましょう。
(参考:eBayの販売禁止商品リスト)
海外オークションサイトeBayのまとめ
オークションサイトとしてスタートしたeBayは30年以上の長い歴史を持ちます。
eBayを活用する為には以下の特徴をしっかり意識するとよいでしょう。
- レアな商材など、コレクター好みの商品が用意できるか?
- 高単価(越境のコストを含んでも利益がでる)な商品か?
- 英語対応は必須
eBayの良いところは「圧倒的な購入者数と熱狂的なファンが集まる場所」です。
自社の商品に合っていれば、大きな伸び代も期待できるeBay。
越境ECに挑戦するにあたって、Amazonショップや自社サイトなどと並んでぜひ検討してみることをお勧めします。
私たち「世界へボカン」は、eBayをはじめとする越境ECのプロフェッショナルです。
「自社の商品がeBayに向いているか、専門家の意見が聞きたい」 「英語での出品や顧客対応に、不安がある」 「最適な輸送・関税対策がわからない」
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