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オーストラリア市場での海外リスティング広告成功ガイド:戦略と実践ポイント
- 2026.01.26
- 海外リスティング広告
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海外展開を進める際、アメリカに次いで多くの日本企業がターゲットとするのがオーストラリアです。アメリカからの売上ほど多くはありませんが、売上では5位以内に入る市場です。
オーストラリアは高い購買力を持ち、言語も英語であるため、アメリカ市場で成功した施策の「次の配信先」として選ばれる事例が非常に多い国です。しかし、人口分布や消費者の価値観はアメリカとは異なるため、現地の特性に合わせた微調整が欠かせません。
本記事では、2026年までの最新市場予測と統計データを踏まえ、オーストラリア市場でリスティング広告を成功させるための具体的な戦略を解説します。
- 目次
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- オーストラリアのデジタル広告市場の特徴
- オーストラリアで活用すべき主要広告チャネル
- 海外リスティング広告の戦略設計ポイント
- オーストラリア広告配信の注意点
この記事は次のような人におすすめ
- アメリカ市場での成果を土台に、次なる有望な英語圏としてオーストラリアへの横展開を検討している方
- 南半球特有の「季節性の逆転」や、セールなど現地独自の商戦期を活かした戦略を知りたい方
オーストラリアのデジタル広告市場の特徴
安定した市場成長とデジタルシフト
オーストラリアの広告市場は、世界的な景気後退の懸念がある中でも堅調に推移しており、2026年までに約307億ドル規模に達すると予測されています。広告費全体の約8割以上がデジタルへとシフトしており、中でも検索広告(Google)は年間約10%のペースで安定成長を続けています。この背景には、消費者の購買行動が完全にデジタル化し、企業のデジタルシフトが加速している実態があります。
人口の極端な集中と効率的なターゲティング
オーストラリアの総人口は約2,600万人ですが、その大部分はシドニー、メルボルン、ブリスベン、パースといった主要な沿岸都市に集中しています。広大な国土を持つ一方で、消費活動の拠点が極めて限定的であるため、ターゲットとすべきエリアが明確です。広告運用においては、これらの主要都市に配信を絞ることで、無駄なコストを抑えつつ人口の過半数以上に効率的にリーチすることが可能です。
高いSNS滞在時間
オーストラリアのSNS利用率は世界的に見ても高く、2025年の最新統計では、全人口の77.7%がFacebook、65.2%がInstagramをアクティブに利用しています。特にTikTokの成長は著しく、1人あたりの月間平均滞在時間が約38時間51分に達するなど、娯楽だけでなく「商品検索・購買の場」としてSNSが極めて強い影響力を持っています。
参照: Australia’s ad market to reach $30.7 billion in 2026 (Mediaweek)
参照: Social Media Statistics Australia 2025 (Yellow Digital)
オーストラリアで活用すべき主要広告チャネル
B2C(越境EC・消費者向けサービス)
- Google 広告・Meta 広告: 利用率の高さから、認知から獲得までをカバーする主軸となります。
- TikTok / Pinterest: 視覚的要素の強い商材や若年層向けでは、月間滞在時間の長いTikTokなどの活用が有効です。
B2B(法人向けサービス・製造業)
- LinkedIn 広告: オーストラリアのB2Bリードの約80%はLinkedInから発生している(Arrow Comms 2025)というデータがあり、意思決定者へのリーチには最も欠かせない媒体です。
- Google 広告: 解決策を能動的に探している層を獲得します。
参考記事:https://www.s-bokan.com/blog/post-40883/
オーストラリアの広告の戦略設計ポイント
オーストラリアとニュージーランドはセット?
オーストラリアとニュージーランドは非常に似ているため、両国をセットとして考えることが多いです。
弊社でも、オーストラリアとニュージーランドは一緒のキャンペーンで広告配信している事例もあります。
アメリカとは「逆」の季節性を活用
南半球にあるオーストラリアは季節が真逆です。アメリカ向けの「冬物」広告の時期に、オーストラリアでは「夏物」を訴求する必要があります。
マーケティングは煩雑になる一方で、北半球(日本・アメリカ)でシーズンアウトした夏物在庫を、オーストラリアでは値下げせずに定価販売できる可能性があります。つまり、季節の逆転は利益率改善の機会でもあるのです。弊社クライアントのアパレル企業でも、冬の時期に夏物のセールで売上を拡大しました。
オーストラリア独自の商戦期とセール文化の活用
オーストラリアには、アメリカや日本とは異なる独自の強力な商戦期が存在します。これらを年間計画に組み込み準備することで、広告の費用対効果を最大化できます。
- EOFY(End of Financial Year)セール:6月 オーストラリアの会計年度末(6月)に合わせて行われる、年間で最も重要なセールの一つです。個人消費だけでなく、法人が節税対策として備品やソフトウェアを新調する時期でもあるため、B2C・B2B問わず最大の商機となります。広告では「Tax Deduction(節税)」や「End of Year Offer」といった訴求が非常に効果的です。
- Boxing Day(ボクシング・デー):12月26日 クリスマス翌日の12月26日は、伝統的にオーストラリア最大のショッピングデーとされています。近年定着したブラックフライデー(11月)からこのボクシング・デーにかけては、年間で最もオンラインのトラフィックが集中するため、積極的な予算投下が推奨されます。
- 独自のオンラインイベントと決済商戦: オーストラリア版サイバーマンデーとも言える「Click Frenzy」(主に5月と11月)や、現地で主流の決済サービスが主導する「Afterpay Day」(主に3月と8月)など、デジタルネイティブ層をターゲットにした独自のイベントも無視できません。
都市別ターゲティングによる予算最適化
予算が限られている場合、全土ではなく「シドニー、メルボルン、ブリスベン」の3大都市に絞るだけで、人口の半分以上にリーチ可能です。主要都市で勝ちパターンを確立した後に他州へ展開するのが最も低リスクな手法です。
ライフスタイルを捉えた訴求:ナチュラル・サスティナブル嗜好
オーストラリアは、世界でも有数の「環境意識」と「ウェルビーイング(心身の健康)」が浸透している国です。2025-26年の統計では、消費者の約76%が購入決定時にサスティナビリティを考慮する(South Pole調査)と回答しています。
- ナチュラル嗜好: 食品、コスメ、日用品において「No Nasties(有害物質なし)」や「Organic」はもはや標準です。広告クリエイティブでは、製品の成分だけでなく、オーガニックなライフスタイルにどう馴染むかを視覚的に伝えることが重要です。
- サスティナブルの具体性: 単に「エコ」と謳うだけでは不十分です。リサイクル可能なパッケージの採用や、カーボンオフセットへの取り組みなど、「エビデンス(証拠)」を伴う誠実な情報開示が信頼獲得の鍵となります。
オーストラリア広告配信の注意点
「オーストラリア向けに用意した感」
オーストラリアの顧客は、アメリカからの「お下がり」を嫌う傾向があります。米国英語のサイトをそのまま使うと、「また米国企業か・・」という印象を持つ方もいます。弊社では以下などの施策を実施し、「オーストラリア向けに用意した感」を演出することで、顧客からの信頼を獲得しています。
- ”Free Shipping to Australia”を目立たせる
- 価格表示をAUDで明記する
- オーストラリア英語(例:Color → Colour)を反映させる
関税(GST)とDDU運用の推奨
現在、オーストラリアへの輸入(越境EC)では、すべての低額輸入品(Low Value Imported Goods)に対してGST(物品サービス税)が適用されます。 初期段階では受取人が諸税を負担するDDU(関税未払い)での運用がリスクを抑えられ推奨されますが、配送トラブルを避けるために「関税は購入者負担であること」をサイトや広告上で明確に伝える必要があります。
まとめ
オーストラリア市場は、アメリカ市場での成功事例をベースにしつつ、逆転する季節性やLinkedInを中心としたB2Bチャネルの活用、そして主要都市への集中ターゲティングを組み合わせることで、高い費用対効果を狙える市場です。2026年に向けてデジタル広告市場が拡大し続ける中、現地の文化や最新の関税ルールを尊重し、透明性の高い情報発信を行うことが成功への近道となります。
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