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マレーシア市場での海外リスティング広告成功ガイド:戦略と実践ポイント
- 2026.01.27
- 海外リスティング広告
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マレーシアは「ASEANの縮図」とも呼ばれ、多民族・多文化が共存する独特な市場です。シンガポールと比較すると一人当たりのGDPは劣りますが、人口は約3,400万人とシンガポールの約6倍の規模があり、厚みのある中間所得層が成長しています。 ASEAN全域への展開を見据えた「テストマーケティング」の場として選ばれることも多く、親日度も極めて高い国です。
この記事では、マレーシアに海外リスティング広告を配信するべき理由と、複雑な民族構成を攻略するためのポイントについて解説していきたいと思います。
- 目次
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- マレーシアのデジタル広告市場の特徴
- マレーシアで活用すべき主要広告チャネル
- 3海外リスティング広告の戦略設計ポイント
- マレーシア広告配信の注意点
- 日本企業の成功・失敗事例
こんな人におすすめ
- マレーシアの経済成長の恩恵を最も受けている『購買力のある一般層』
- シンガポールだけでなく、周辺国へ販路を広げたい方
- 「ハラル対応」を含めたイスラム圏へのマーケティングを試したい方
マレーシアのデジタル広告市場の特徴
世界有数のSNS利用時間: スマートフォン普及率が高く、国民の多くがFacebook、Instagram、TikTokを長時間利用しています。検索エンジンよりもSNSで商品を知り、購入を決めるケースが非常に多いです。
【参照記事】Digital 2024: Malaysia
「3つの国」があるような市場構造: マレー系(約70%)、中華系(約23%)、インド系(約7%)で構成されており、それぞれ使用言語やメディア、宗教観が異なります。英語はビジネスの共通語ですが、マス層を狙うならマレー語が必須となります。
インフルエンサーとライブコマースの影響力: シンガポール以上に「KOL(Key Opinion Leader)」の影響力が絶大です。特にTikTok Shopでのライブ販売が定着しており、動画広告とECの連動が購買のカギを握ります。
マレーシアで活用すべき主要広告チャネル
Google広告 検索連動型広告は、購買意欲の高い顕在層を捕まえるために必須です。ただし、ターゲットによっては英語だけでなく、マレー語や中国語のキーワード設定も必要になる場合があります。
Meta広告(Facebook/Instagram) マレーシアにおいて最強のプラットフォームです。Facebookは全世代の情報インフラとして機能しており、Instagramは若年層や都市部で強いです。詳細な興味関心ターゲティングが有効です。
TikTok Ads 若年層だけでなく、30代〜40代の購買層にも浸透しています。「TikTok売れ」が起きやすく、美容・健康食品・ガジェットなどは、Meta広告以上の成果を出すことも珍しくありません。
Shopee / Lazada(マーケットプレイス内広告) マレーシアでは自社サイト(Shopifyなど)よりも、ShopeeやLazadaといったモールでの購入が一般的です。EC展開の場合、Googleから自社サイトへ誘導するよりも、モール内の検索広告を活用した方がROAS(広告費用対効果)が高くなる傾向があります。
海外リスティング広告の戦略設計ポイント
海外リスティング広告を成功させるためには、マレーシア特有の「民族とエリア」を意識した戦略が重要です。
- 言語とターゲティングのセグメンテーション マレーシアでは「誰に売りたいか」で言語設定を変える必要があります。
- 都市部・富裕層・B2B向け: ターゲットは年収400万円超の「T20」層。その数は約680万人と、実はシンガポールの総人口に匹敵します。「英語」設定にするだけで、シンガポールと同様の購買力を持つ巨大な市場へ、翻訳コストをかけずにアプローチが可能です。
- マス層・地方部向け: 「マレー語」設定が必須。英語広告では反応しない巨大な市場(人口の7割)にリーチできます。
- クリエイティブのローカライズ 単に翻訳するだけでは不十分です。モデルの服装(肌の露出を避ける)、背景の色使い、生活様式など、ターゲットとする民族の文化に合わせる必要があります。例えば、マレー系向けであればヒジャブを着用した女性の画像を使用するなどの配慮がCVRを大きく左右します。
広告の工夫 マレーシア人は「プロモーション(割引・特典)」に非常に敏感です。「日本製(Made in Japan)」の品質を訴求しつつも、「今なら送料無料」「セット割引」といったオファーを明確に打ち出すことで、クリック率と購入率が劇的に向上します。
競合分析 安価な中国製品や、強力なローカルブランドが多く存在します。価格競争に巻き込まれないよう、「日本ブランドならではの付加価値(安心・安全・高品質)」を、現地の言葉で感情に訴えるコピーライティングが必要です。
マレーシア広告配信の注意点
- 宗教上のタブー(ハラル): 食品や化粧品の場合、「ハラル認証」の有無は重要です。認証がない場合でも、豚由来成分やアルコールを含まないことを明記する(Pork Free / Alcohol Free)等の配慮が必要です。犬の画像などもマレー系向けにはNGとなるため注意が必要です。
- 通貨と税金: 通貨はMYR(マレーシアリンギット)。SST(売上・サービス税)の導入状況や、デジタルサービス税への対応を確認する必要があります。
- 季節性(ラマダンと旧正月): マレーシア最大の商戦期は、イスラム教の断食明け(ハリラヤ)と、中華系の旧正月(チャイニーズニューイヤー)です。この時期に合わせて予算を集中投下する戦略が求められます。
- チャット文化: Webサイトのフォーム入力よりも、WhatsAppでの直接問い合わせを好みます。広告のリンク先としてWhatsAppを設定する、あるいはサイト内にチャットボタンを設置することが推奨されます。
広告を配信する際は、LP(ランディングページ)がターゲット言語に対応しているか、決済方法に「FPX(ネットバンキング)」や「Touch ‘n Go(電子マネー)」が含まれているかも確認しましょう。クレジットカード普及率はシンガポールほど高くありません。
日本企業の成功・失敗事例
成功事例 ある日本のB2Bメーカー(高機能オフィス用品)の事例です。社内体制の都合上、英語のみでの展開となりましたが、ターゲットをクアラルンプールを中心とした都市部のビジネス層と高所得者層(T20)に絞り込むことで成功しました。
マレーシアではビジネスや高額商品の取引は主に英語で行われます。そこで、「日本製」の技術力や耐久性を論理的に伝える詳細な英語LPを用意し、Google検索広告で専門的な英語キーワードを狙い撃ちしました。マス層(マレー語圏)をあえて捨て、決裁権を持つ層にリソースを集中させた結果、質の高いリードを効率的に獲得し、高い費用対効果を実現しました。
さらに、広告のリンク先をWebサイトではなくWhatsAppのチャット窓口やShopeeに設定しました。現地の文化的な悩み(ペイン)に寄り添い、彼らが使い慣れたチャットアプリで購入前の不安を解消する体制を整えたことで、CVR(成約率)が大幅に向上し、売上が前年比3倍に拡大しました。
【参照記事】越境EC東南アジア攻略の鍵 マレーシア視察レポート
失敗事例 日本のスキンケア企業が、国内で成功した「美白」訴求の広告をそのまま翻訳して配信し、失敗した事例です。「暗い肌」をネガティブに描いた比較画像が、現地では人種差別的だと批判を浴びました。マレーシアでは過去に現地大手企業Watsonsが同様の演出で大炎上しており、肌の色に関する表現は非常に敏感です。
加えて、決済手段をクレジットカードのみに限定していたため、現地で主流の銀行決済(FPX)を利用したいユーザーが購入できず、カゴ落ち率が70%を超える結果となりました。文化的な配慮と現地の決済インフラへの対応不足が招いた典型的な失敗です。
参照記事】Watsons Malaysia slammed after using ‘blackface’ in ad telling the story of Dayang Senandong
弊社がマレーシア向け支援を行う際は、まずターゲット層(民族)の選定から行います。中華系を狙うのか、マレー系を狙うのかで、媒体もクリエイティブも全く異なるからです。シンガポールで成功したモデルをそのまま持ち込むのではなく、マレーシア流に「崩す」勇気も時には必要になります。
海外市場でのリスティング広告運用
世界へボカン株式会社は、貴社の海外Webマーケティングを成功に導くための実践的なノウハウと実行力を持っています。 マレーシア市場特有の複雑な多民族マーケティングでお困りの際は、ぜひ一度ご相談ください。 貴社の海外ビジネスの成長を強力にサポートいたします。
まとめ
マレーシアはASEANの中心に位置し、成長する中間層と高い親日性を持つ魅力的な市場です。この記事では、マレーシア市場での広告戦略や主要チャネル、ハラル対応などの注意点を紹介しました。多民族国家であるマレーシアを攻略するには、ターゲットごとのきめ細やかなローカライズが不可欠です。
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