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海外販路開拓は時間がかかる!光通信伝説の営業マン! | GP山本康二社長
- 2025.09.11

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海外販路開拓は時間がかかる!光通信伝説の営業マン! | GP山本康二社長
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この記事では、海外にもっと挑戦しよう!をテーマにお話します。
【Global Partners株式会社 代表取締役 山本康二氏】
20代にして光通信常事業で1万人の組織を構築し、獲得売り上げ累計1兆円を樹立。日本でアリババの独占販売権を獲得した伝説の営業マン。【世界へボカン株式会社 代表取締役 徳田 祐希】
日本の魅力を世界へ伝えるというミッションの元、
17年にわたり、多国籍メンバーと共に越境EC、海外BtoBマーケティングに取り組む。
越境EC企業の年商を35億→500億、約29倍の成長を導くなど数多くの実績を残す。
Shopifyマーケティングエキスパート。
Global Partners株式会社 代表取締役 山本康二様の紹介

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世界へボカン株式会社 徳田祐希(以下:徳田)
こんにちは、世界へボカンの徳田です!
本日はグローバルパートナーズの山本社長に、「海外にもっと挑戦しよう!」「怒ってもらおう!」かな、と(笑)
まずは簡単に自己紹介をお願いします。
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Global Partners株式会社 山本康二氏(以下:山本氏)
Global Partners株式会社、代表取締役の山本康二です!
まだ日本にベンチャーや、ITがなかった90年代から光通信という会社で新卒で入って、数年で取締役本部長をやってさまざまな数々のITのビジネスを立ち上げ、数千億の売上とか数兆円の時価総額とか。
上場も100社ぐらい絡んだり、いろいろ業績があったんですけど、30中盤ぐらいのときに「これからはグローバルだろう!」と、日本がどんどん人口が減ってマーケットが小さくなっていく中で、やっぱり次の世代に日本を良い形で残すためには、グローバルビジネスをやらなきゃなと思いまして。人生ピボットして、そのときに描いていたプランが競合他社があったので、その競合他社と提携をしよう!と言ったのがアリババという会社で。
当時はまだ無名だったんですけども、当社はアリババのジャック・マーさん、ソフトバンクの孫正義さん、光通信の重田康光さんを口説いて、出資を三者からいただいて。
あとSBIやフォーバルさんとか出資をいただいて設立しました。最初は日本にいながらして、アリババドットコムという英語のポータルサイトで日本の企業が海外に宣伝ができると問い合わせを受けたりして、見込み顧客を掴んで、そこからリアルなビジネスにつなげていくというプラットフォームを営業したりサポートしたりしていまして。
数十万社の日本企業にセミナーとか個別訪問とかを100人強の社員でやっていました!その後オンラインだけですと、実際のリアルな商流を作ったり、現地の競合他社とかユーザーニーズとか商習慣とかに合わせたモデルを作りづらいなと。
出会い頭でWEB上で出会った人に「How much?」とかサンプル送れとか言っても、果たしてそれが適切なルートなのかとかわかんないので、現地で販売とかフィージビリティスタディみたいなをやらなきゃいけないというステージに変わったときに、僕はアリババをずっと新規のIDを取るのではなく、今までお世話になった数千社のお客さんに寄り添う形で会社名を「グローバルパートナーズ」に変えて、僕がオーナー権を取って、ドバイにジャパントレードセンターというのをドカーンと!
ドバイの空港都市に何百坪も借りて、千社弱の企業を誘致して、そこで常設の展示会兼販路開拓とかテストマーケティングとかフィージビリティスタディをずっと10年ぐらい今やっているという感じです。
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徳田
ありがとうございます!
まず情報量がめちゃめちゃ多いんですけど、前半の方で山本社長は光通信伝説の営業マン……光通信で1兆円作った人です!!!
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山本氏
光通信って歴代でこの何十年間、3、40年間で殿堂入り営業マンというのが5人だけいて、その1人だからたぶん殿堂が勝手に伝説になっちゃったんだけど……
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徳田
レジェンドなんですね!池袋の伝説の人です!
その池袋の伝説の大先輩が、今グローバルに日本の企業をグローバルに進出する支援というのをされていて、そういったところで池袋で海外販路拡大といったら、挨拶しないとまずいでしょう!……ということで、カネトウさんにご紹介いただいて「早く挨拶行かなきゃ!」と伺わせていただいた次第です。
日本企業の海外進出の課題とアリババ活用のポイント

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徳田
本題なんですけど、海外販路開拓というところで、それこそアリババのジャック・マーさんとかソフトバンクの孫さんから出資を受けて、そういった事業もやられていた……というところだったということなんですけど。
日本企業はなかなか海外に、販路開拓というところに二の足を踏んでいたりとか、そういったプラットフォームがあったとしてもなかなか挑戦する企業が少ないというところで、実際にドバイに拠点を作って展開を支援していたにも関わらず、なかなかやっている会社は少ない。
山本社長がやりたいんでしょ?みたいな感じで言われてしまったりとか、ちょっと引き気味で。
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山本氏
利益も出ていたし、売上が伸びないとしても食っていけてるメーカーが多いから、焦ってやらなきゃというよりもいつかはやりたいなという人がほとんどで。
「そういう人にいきなり現地法人を作りましょう!」とか「人を雇いましょう!」となると、何億って投資になっちゃうから……
まずは数百万単位の投資で、市場調査とかユーザーニーズとか、入り口の段階をやるという意味では、アリババはすごく良いのかなという感じで。アリババをやったイコール海外進出が着手とか、軌道に乗ったというわけではなく、まだスタート段階のツールかもしれないので、そういう意味ではアリババは良かったですね。入り口で。
ただやっぱりお客さんもそのあと実際に海外でコンテナ何台分とかって、売上を輸送するとなると、緻密ないろんな戦略を立てたりいろんなことをやらなきゃいけないから。
それを話し出すと1時間かかっちゃうんだけど、貿易実務を覚えたり、契約作業も海外送金も現地のいろんなローカライズなんかも必要になるので、そこはやっぱり投資がかかると。
リスクもあるという中で、二の足を踏んでいる企業は多いかなと思ってますね。
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徳田
そうですよね……
私も今17年ほど海外、WEBマーケティングという形で支援させていただいていますが、短期で収益化するであったりとか投資分を回収するみたいな視点の方が多いなという印象で。
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山本氏
そういうの全然ダメですね!
僕も最初そういうふうに思ってたんだけど、多くの企業はなんとなく1年目に、中国とか韓国とか台湾とか近隣でポコっと売れると「ラッキー!このまま世界中行く!」って思うんだけど、東アジアを超えると全然簡単じゃないんです。
中国なんかは特に、1年目売れました。仮に2年目はライバルが現れて、3年目はパクられてみたいな。
だんだんだんだん厳しくなってくる……みたいなのも見てますね。
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徳田
売れ続けるのがまず難しい、と。
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山本氏
難しいですね。
あとはたとえば日本列島も戦後貧しくて、だんだん70年代80年代と1人あたりのGDPが上がっていったときに、P&G社とかコカ・コーラ社とか日本列島に入ってきた外資のプロダクトって、案外1900年初頭とか。多くは1960年代後半とかにも入ってるんですよ。
10年ぐらいは儲からない期間を経て、それからだんだんスケールしていく。
平均値をだいたい取ると20年ぐらいは、海外でいわゆる市民権を得るところまでは20年ぐらいかかると。
生まれた子供が赤ちゃんの頃からお店とかで、ロゴを見たり商品を見て、大人になって消費者として自分のお財布からお金を出す。20歳を超えた頃に、昔からあるブランドだねみたいになってから、売上が安定していくみたいな感じで。
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徳田
アフリカのコカ・コーラの例の話がすごいおもしろいなと思ったんです。
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山本氏
ああ。アフリカとか見に行くとね、今本当に貧しいスラム街みたいなところ。
そういうところってスーパーがあっても、強盗に遭わないように、レジに網がかかってて危険だから。そういうところにもコカ・コーラはポスターを貼って、いろいろ配るようなマーケティングをやって、ファンを作ってるのね。
たぶんあそこのビジネスはほとんど儲かんないと思う。
富裕層も少ないし高単価で売れないし、でも貧しいときからドリームプロダクトみたいな位置付けで「いつか金持ちになったらコカ・コーラいっぱい飲みたいな」みたいなブランディングをしていって、経済成長が5%とか10%とかしてるじゃないですか。
いつかはそういうのが手に届く所得帯になったときには、もう牙城を作っているみたいな感じなので、それは芸能人でもお笑い芸人でも10年20年やってる人というのはブランドがあるけど、一芸だけ当たったみたいのはドンって行ってドンってなくなっちゃったりするので……じわじわじわじわ浸透していくには、本当に10年20年という期間は必要なんじゃないかなと。
現に日本の企業は、日本国内で売上を何百億何千億まで持っていくまでに10年20年かけてる。すごい大変な道のりです。
でも海外だけは楽して売れなきゃ嫌だという。
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徳田
確かに!
コストもそうですし時間的な部分もすごい楽観視していて、何百億っておそらくかけてきたのにもかかわらず、海外だと1000万ぐらいからまず試そうみたいな。しかも現地にめちゃめちゃ強い競合がいるので、1000万じゃ勝てるはずがない、と。
グローバル競争と日本企業の立ち位置

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徳田
というところがある中で、そこを海外の投資への意欲というのが結構少なかったりとか、逆に本当に振り切っているところ。
マンダムさんだったりとかユニクロさんだったり、そういうところに関してはしっかり予算投下してやって。
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山本氏
味の素とかね、めちゃくちゃ先行投資してローカライズして、権限移譲も現地にしてやってるからあそこまで行くんであって、楽してたとえば東京にある展示会に行って、バイヤーとマッチングして「サンキューメール」してサンプル送って、MOUって基本合意書だけまいて。
……そのあとはほとんどスケールしない、なんていうのはいっぱいあるし、「うち輸出してるよ」って会社も日系の販路があるじゃないですか。イオンとかドンキホーテとか伊勢丹とか。
そういうところに、ただなんとなく流されてて知らないうちに全社の中で売上1%未満だけど、一応海外に16か国に進出済みみたいな。
言ってるIRとかしてる人いるけど、ほとんどついでに輸出されてるだけで。
現地の日系人が買ってるばっかりで、全然ローカルの人たちは認知もしていない、そんなのが多いかもしれない。
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徳田
さっきのコカ・コーラみたいなブランディングができてないってことですよね。
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山本氏
そうそう、市民権を得ていない。
人口減少と内需縮小の影響

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徳田
これから内需が減少していって、御社のビジョンだったミッションというところで言うと、日本のGDPを上げていかなきゃいけないと。
そのために海外に反論開拓というのはもうマストじゃないですか。
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山本氏
もう絶対にそれだけなんだよね。
1995年を起点としていろんなものが下がってるんだけど、たとえば生産年齢人口も95年がピーク。
それから要するに労働者というかの数が減ってるから、納税者も消費者もどんどん減ってるわけですよ。内需で見るとだいたい3割ぐらいダウンしてる。
それは投資額とか消費額とか、平均というか給与所得とか、可処分所得なんかを見ても95年がピークで、今ずっと30年間ぐらい下がっている。これを失われた30年と言われてるけども、これからはじゃあ人口はどうかといったら、8000万人とか7000万人までずっと減ることはほぼ確定している。
そういう意味では人口がほぼ横ばいだった過去30年間、ちょっと上がって下がった。
この30年間で成長しなかった日本内需が、これから人口が半減していくと確実に減るわけだよね。
そうしたらGDP、伸びる要素よりも下がる要素が。
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徳田
そうですね。
2050年には1億人を切ると言われていて、次の本当に20年、海外に投資するか否かというところと、今儲かっている企業たちが今社長だったりとかの人たちが会長になったとしても、投資し続けないとやっぱり未来はないのかなって。
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山本氏
やっぱり海外のアジアとかアフリカって、だんだんだんだん購買力がついていて消費意欲も上がっている。
GDPが彼らは成長してるから、どんどんどんどん高額なものを買うようになってきてると。
そこをめがけてドイツも中国も韓国も台湾もインドもアメリカもフランスも、みんな外貨獲得だと思って国を挙げて挑戦している。中国なんかは1年間で2、30兆ぐらいずつ輸出額を増やしてるのね。でも日本はずっと伸びてない。
輸出は多少伸びて今100兆ぐらい突破したんだけど、日本に買いにくるインバウンド顧客は10兆円ぐらいの市場を形成したけど、日本のGDPって今600兆あって、1000兆ぐらいやりたいんだと思うんだよ。
400兆足んない中で、10兆のインバウンド市場が2倍3倍になっても全然足りない。輸出は今100兆あるわけだから、これを2倍3倍にしていけば良いなと思ってんだけどね。
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徳田
なのでまずは海外販路開拓には時間がかかるから、しっかり時間だったりとか、人的リソースであったり、お金というのを投資しろというところを社長がいつもおっしゃっていて。
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山本氏
俺だってもうどうだろう。
3000社ぐらい見てすべての会社が出した結論が、やっぱり時間をかけないと無理だねって。結局時間をかけるということはものすごい大事で、最初からそう思ってればイライラしないしね。
どんな失敗も学習だと思ってやってくれるんだけど……
海外人材育成と長期的視点の必要性

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山本氏
なんだってそうだと思いますね。
すごいドクターになるとか、すごい政治家になるとか、すごい野球選手になるといったら、5歳から始めた野球が20代で花開くんで、人間の人生だってそんな1年の努力とかで1か月の努力でスターなんかなれない。
やっぱり20年短いと確かに思ってやんないとダメかと思いますね。
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徳田
本当におっしゃる通りで、ここの部分でまず時間がかかるよというところをお伝えさせていただけたらなと思ってまして。
次の回では海外人材の育成というところで、時間がかかるというところで人材の育成はさらに時間がかかるのかなと思っていて。
先ほどあった合意書だけ書いて、基本的に契約書は日本人は読めないだったりとか、貿易ができないみたいな話があったかなと思うので。
そのあたりも伺えればなと思います!本日は貴重なお話いただきありがとうございました!
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山本氏
ありがとうございました!

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