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どのように海外人材を育成するのか?光通信伝説の営業マン! | GP山本康二社長
- 2025.10.02

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どのように海外人材を育成するのか?光通信伝説の営業マン! | GP山本康二社長
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この記事では、海外にもっと挑戦しよう!をテーマにお話します。
【Global Partners株式会社 代表取締役 山本康二氏】
20代にして光通信常事業で1万人の組織を構築し、獲得売り上げ累計1兆円を樹立。日本でアリババの独占販売権を獲得した伝説の営業マン。【世界へボカン株式会社 代表取締役 徳田 祐希】
日本の魅力を世界へ伝えるというミッションの元、
17年にわたり、多国籍メンバーと共に越境EC、海外BtoBマーケティングに取り組む。
越境EC企業の年商を35億→500億、約29倍の成長を導くなど数多くの実績を残す。
Shopifyマーケティングエキスパート。
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前回part1の記事はこちら:
海外販路開拓は時間がかかる!光通信伝説の営業マン! | GP山本康二社長前回part2の記事はこちら:
何故、日本企業は海外で失敗するのか?光通信伝説の営業マン! | GP山本康二社長
海外人材を育成するための基本方針

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世界へボカン株式会社 徳田祐希(以下:徳田)
御社とか弊社みたいなパートナーを活用したら海外の販路開拓は少しうまくいきやすくなるかもしれないですけど、自社の中で海外人材って育成していかなきゃいけないじゃないですか。
100億人にリーチするためには、ずっとパートナーに依頼し続けるんじゃなくて、自社内でそこのメンバーというのをどんどん育成していかなきゃいけないと思うんですけど……
そこってどうされてるんですか?
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Global Partners株式会社 山本康二氏(以下:山本氏)
うちもそうしてるし、お客さんにも言ってるんだけど、毎年社員をたとえば20名採りますと。
11名以上。半分以上はグローバルなフィールドで
ビジネスがしたいという若者。
国籍問わず入れなさい。

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山本氏
外国人でも日本語の漢字までわかる人ってたくさんいて。
何十万人の若者が大学を出て日本語も勉強してみたい人がいるわけでしょ?
そういう人をあえて採ると、当然ネイティブな日本人よりは日本語は下手かもしれないけども、普通にその子たちを日本の新卒みたいに5年10年かけて育て上げて。
会社のDNAとかカルチャーもわからせて、全部署顔が利くようにして、信頼関係もあるという子たちを10年後に各国の担当にしていくみたいなのが一番良いと思う。
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徳田
御社のマネージャーとかリーダーの方も結構海外の方いらっしゃいますね。
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山本氏
うちは管理職いっぱい外国人もいるし、というか意識してないから、あんまり誰が何人かわかんないけど。
今パッとそのへん出て行けば、インドネシア、ベトナム……
もういっぱい。中国とかいろんな国の人がいて、うちの社員は誰が何人かもう気にしなくなってる。そのぐらいになるのが理想なんだけど、多くの企業は海外事業部を作り、日本の部長がいて。
その下にバイリンガル トリリンガルを置いて、その子たちは経営能力もマネジメントスキルも何もない、ただの通訳みたいに置いてて。
全社的なグローバル化の必要性

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山本氏
そうじゃなくて製造部にも経理部にも法務部にも営業部にも企画部にも広報部にも。
全部グローバルな人材が各レイヤー、ポジション、役員クラス。
一般社員から全部に半分ぐらいの会社の人たちが、グローバルな言語能力とか海外に住むこと。
移すことも喜びを感じる。
そんな人で構成されれば、社長が何もしなくても勝手に海外でやりだすから。
企業は人なりというね。僕はアリババとドバイで、15年ぐらいやって気づいた言葉が「企業は人なり」っていう経営の教科書の1ページに書いてあるところなんだけど。
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徳田
そういうことなんだ、と。
グローバル思考の人が会社の中にいれば、勝手にグローバルに展開していくと。
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山本氏
そう、
ITを使うとか展示会を使うとか、価格だとか4Pだ4Cだっていろいろやってたけど、結局人なんだなと。だから逆に言うとこの30年ぐらいで、海外の売上高比率が5%から50%になって70%なって~みたいな企業を分析すると、3、40年前に採用を変えてるわけ。社風を変えてる。
数十年前にたぶん前の代の社長さんとかが、「よし、これからグローバルな人材をメインで獲得しよう!」と。
帰国子女と外国人しか入れないみたいな会社、そういうところは彼らが30代40代って、会社のメインの戦力にワーっと今いてさ。
50代も60代ももしかしたら、そういう人材ばっかだから、みんな海外に行きたくてしょうがなくて。
勝手に海外の競合他社に勝つ企画をし、物を作り売っていくという。
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徳田
確かにダイキンさんとかスズキさんとか、結構インドとかで上手くいってるかなと思います。
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山本氏
M&Aでそういう海外人材を獲得する方法もあるし、たとえば商社とか大手メーカーとかの駐在経験者みたいな人を「ちょっと事業部長で来てくんない?」とか「マネージャーで来てくんない?」って雇って。
会社は1000人いるんだけど、この5人だけ特殊人材みたいな。ちやほやしてやってるところもあるし、でも一番成功しているのは、自分たちのエコシステムとして採用、教育、全部グローバルな人材をベースに経営をしていく。
日本のたとえばさっきの言った芸能界とか、アニメ業界でもなんでも良いけど。
そういう人材ばっかり雇っていれば、20年後30年後すごくなると思うよ。
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徳田
確かに!
結構700億円とか1000億円ぐらいの会社でも、海外営業担当って花形で。
1つの会社になんか数人から数十人。
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山本氏
花形というか経営者たちとかがみんな国内で成功して偉くなってるじゃん。
ちやほやせざるを得ない。

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徳田
ちやほやされてて、十数人ぐらいしかいなくて。
「私海外営業ですけど」みたいな感じの人が多いんですよ。これマジで意味ないなって思ってて、みんなで海外営業やっていかなきゃダメだよねというのはありますよね。確かに。
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山本氏
そうそう。
営業が仮に海外でいろいろ道を作ってきても、結局製品やパッケージをチューニングしなきゃいけない。成分とかいろんな変えなきゃいけないってなると、製造とか研究開発にもそういう人が必要だし、海外と契約しますといったら、リーガルチームも海外の法律とか言語とかわかんなきゃいけないし。
海外で資金管理したり送金したりも、苦手意識なく海外の納税のやつとかも管理しなきゃいけない。
本社はね、そういうのもスキルが必要だし、広報なんかも海外のそれぞれの国での広報をやんなきゃいけない。
HRは海外で雇ってる子会社の社員とかの管理をしなきゃいけない。

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山本氏
時差があって、労働法とかも違う。
それをクリアしていかなゃいけないから、海外事業部にだけ数名だけいると。
他の部署がお願いしますねって、海外のことだけは海外営業部の人に、法務も送金も全部やってみたいになってるわけ。
そうすると暴走機関車になっちゃうから、結局いつも喧嘩してるわけ。うまくいかないよ、それ、と。企業は人なり。
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徳田
それはうまくないですよね。
最初はまずそもそも時間がかかるよというところで、どう時間がかかるのかというと、人材の育成に時間がかかると。
そこをグローバルで企業は人なりなので、そもそも会社の中身を半分ぐらい外国人にしちゃうと。
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山本氏
今日本人しか好きじゃないプロダクトしかないから、たとえば羊羹とか、日本人しか食べないものを作ってますと。
なんでうちは海外進出しないとか言ってるのも全然違って、そういうグローバル人材を今から雇用していきます。そうするとその人たちは日本語がしゃべれて、読み書きもできるから、今までの日本人の新卒とあんまり働きのアウトプットも変わんないと。
未来を見据えた教育と長期計画

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山本氏
でもその人たちが10年20年すると、海外市場に出ていく。自分の日本人にしか受けられないプロダクトを売ろうとすると。
おいしくないとか、大きさがどうとか値段がどうとかって、売れない理由が見つかる。
そうするとまた持ち帰ってきて、違うプロダクトを開発してまた持っていく。
ちょっと売れるけどまだ課題がある。
このぐるぐるPDCAを回していく。そうするといつかこれおいしいね、安いね、いっぱい食べたいってなる。
そうしたらグローバル企業になるから、今あるプロダクトが海外に適しているか否かということ関係なく、少しずつグローバルなフィールドで働ける若者を仲間に入れていく必要があると思う。そうすると社内のカルチャーとか、人間関係とかそういうのもの作るのが大変なのよ。
うちも最初外国人を入れるとさ、やっぱり目に見えない壁があったりして、一枚岩になれなかった。
うちぐらい十何年やってると、普通に外国人が仮にどんな皮膚の色、どんな宗教のどんな服装の人が入ってきても、誰も何も気にしない。
俺がたとえばちょっとドバイ行ってくると言ったら、渋谷行ってくるねと同じぐらいの反応。
行ってらっしゃいも言わない。はーいみたいな(笑)そういうグローバルな風土にするというのも、カルチャーを変えていく、なんていうのも時間がかかるかもしれない。
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徳田
通訳担当じゃなくて各事業部に配属するということが大事だってことですね。

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山本氏
そう。今の小学生中学生は英語教育がガラッと変わって、すごくしゃべれる。
英語に苦手意識がない。台湾や韓国の英語の教育みたいな水準に上がってるから、あと7、8年すると彼女彼たちは新卒で入ってくるでしょ?
そのときにあと8年後は、多くの大卒の人が英語?普通にしゃべれますよ。日常会話行けますよってなってるわけ。

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山本氏
そのときに我が社は日本人だけで、日本語だけで海外市場やってませんといったら、絶対履歴書送ってこないでしょ。
そういう意味も含めて、その頃は日本の景気も悪いかもしれないね。
10年後に向けた人材・人事・採用のグローバル化改革

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山本氏
人口が減ってきて、だから今から頑張ってグローバルなビジネスを10年後に花開かせるためにも、まず人材、人事、採用。
そういうところの改革を着手しておけば良いと。海外で売上を立てるのは今やらなくて良いから、まずやれることとして、どんな会社でも何業でも良い、金融屋でもITでも不動産でも。
とにかくグローバルな人材をたくさん入れていく。これが大事だと思う。
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徳田
なるほど……!
次回は、インバウンドの話とアウトバウンドの話は違う、という話をしていただけたらと思います。
本日は貴重なお話いただきありがとうございました!
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山本氏
ありがとうございました!
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<次回、part4へ続きます>

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