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訪日外国人集客の落とし穴!海外向け動画マーケティングのリアル | Stocksun公認コンサルタント鳥屋氏
- 2025.11.05

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訪日外国人集客の落とし穴!海外向け動画マーケティングのリアル | Stocksun公認コンサルタント鳥屋氏
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この記事では、YouTubeに関する相談、海外向けのYouTube運営をテーマにお話します。
【株式会社 BIRDY 代表取締役 鳥屋直弘氏】
企業YouTube専門の動画制作やマーケティングを得意とする。動画を活用するプロフェッショナル。
経営者密着サービス「キリトル」を展開する。【世界へボカン株式会社 代表取締役 徳田 祐希】
日本の魅力を世界へ伝えるというミッションの元、
17年にわたり、多国籍メンバーと共に越境EC、海外BtoBマーケティングに取り組む。
越境EC企業の年商を35億→500億、約29倍の成長を導くなど数多くの実績を残す。
Shopifyマーケティングエキスパート。
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前回part1の記事はこちら:
YouTubeに向いていない企業、向いている企業5選!! | Stocksun公認コンサルタント鳥屋氏
株式会社 BIRDY 代表取締役 鳥屋直弘様の紹介
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世界へボカン株式会社 徳田祐希(以下:徳田)
こんにちは、世界へボカンの徳田です!
本日はYouTubeマーケターの鳥屋さんに、逆にYouTubeに関する相談をいただけるということで、海外向けのYouTube運営した話を伺えればと思います。お願いします!
まず、簡単に自己紹介を伺います。
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株式会社 BIRDY 代表取締役 鳥屋直弘氏(以下:鳥屋氏)
株式会社BIRDY代表の鳥屋と申します。
StockSunの認定パートナーとして、YouTubeの事業部を担当させていただいているんですけれども、今回は私が過去80社以上の法人のYouTubeチャンネルの運用を支援させていただいた中で、インバウンド向けの動画マーケでかなり正直手こずりましたと。難しかったです。
なので、その部分をどうすれば良かったのか。
ここは海外マーケのプロの徳田さんに、一応私も動画マーケのプロではあるんですけど、海外というところはまた若干違ったお話が伺えるかなと思ったので、今回は相談しに来ましたという内容になっております。
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徳田
この動画は本当にインバンドで集客をしたい方、店舗を持っている方は、とても参考になるんじゃないかと思います!
海外向けYouTube運営の難しさと失敗体験
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徳田
実際にどんな感じでそのチャンネルを運営されていたんですか?
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鳥屋氏
海外向けだと2つあります。
1つ目は海外から来るお客様。
インバウンドの方の、観光に来るお客様を店舗に集客するためのチャンネル。toCですね。
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徳田
なるほど、めちゃめちゃ得意です!
そもそも今インバウンドに対して、何かやっていきたいとお考えの方って結構海外にYouTubeで情報発信したりとか、インスタとかもそうなんですけど、情報発信して集客したいと相談に来る方は多いんですよ。
でもその方たちってなんでそう思ったかというと、外国人の方が平日の閑散期に来店されたりとかして、とても来ていると。
たまに爆買いが発生したりとかして、待ちぼうけみたいな感じで、1回獲得できたからこれはいけるぞみたいな。
待つみたいな。
伸ばすぞみたいな感じで思っているんですけど、実はそこじゃないんですよ。
インバウンド集客で本当に重要なこととは?
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徳田
普通に普段からインバウンドの方が訪れるところに店舗がある場合、そこに集客数を増やすんじゃなくて、来店した方に対する購買率を上げるんです!
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鳥屋氏
なるほど。
インプではなくてCTRとかCVRの方を高めろと?
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徳田
はい。結構僕、いろんなお店に足を運んで、観察するんです。1時間ぐらい。
例えば、外国人が来客するじゃないですか、京都のお店とか。
それで結構見てるんですよ。パッケージとかを見て「ふーん」って見ていて。
お土産物屋さんとかも見ていたりとかしているんですけど。伝統工芸品とかを見て、何かこうオーラを感じなければ、HUNTER×HUNTERみたいな。
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鳥屋氏
ギョウを使って、オーラを(笑)
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徳田
そこで何も感じなければ、サッと置いて帰っちゃうんですよ。
食品のお土産物屋さんもマーケティングしているんですけど、そこも店舗に来店して、パッケージが日本語で書いてあるからよくわからないんです。
そういうわけで店舗に来店している人たちをコンバージョンに導きたいのに、来店数を増やしても意味なくない?と。
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鳥屋氏
確かに確かに。
穴の開いたバケツで!
購買率を上げる施策:デジタルサイネージと動画活用
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徳田
そうなんですよ。
なので僕が今やっているのは、デジタルサイネージを使って、この店に来たらこれは買っておけ、ラッキー!みたいなのだったりとか。ちょっと広いお店だと、このセクションだったら北海道のお土産だったら、これってランキングとかでお伝えして、何を買うかという選択肢を絞らせてあげる。
そこがとても重要です!
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鳥屋氏
デジタルサイネージというのは本当に看板みたいな?
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徳田
そうです。
看板で動画が流れている。
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鳥屋氏
なるほど。
そこに乗せるようなの動画を作ってそれをただ流すと。
それによって来た海外のお客さんが、「なるほど。私はこれを買えば良いんだ」と思ってもらう。
こっちの方が動画マーケとしては正しいみたいな?
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徳田
はい。
もう1つは店舗に来店しても買わない理由というのが2つありまして。1つは、選び方がわからない。
比較の仕方がわからない。さっきのデジタルサイネージがそれをするんですよ。2つ目が、フロントエンドの商品が高い。
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鳥屋氏
金額の問題ですね。
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徳田
たとえば着物とか、甲冑とか。
何十万、何百万すると、それをフロントエンドに持ってくると、さすがに厳しいんですよ。
甲冑をモチーフにした何々とか、着物をモチーフにしたら何々という形で、一発目の購買のハードルを下げていく。1万、2万だったら買うけど、10万、20万は高いよねという話だし、その情報がないから買う理由もないじゃないですか。
そこでなんで買わないのかなというところをちゃんとしっかり理解して、店舗に来店した方を還元する。
コンバージョンに還元していくということを、まずやるというのが重要かなと思ってます。
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鳥屋氏
そうなんですね。
じゃあ動画マーケというか、普通アナログというかオフライン上で動画を見せるか、みたいなところを考えた方が実は効果が出ると?
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徳田
そうです。
コンバージョンに近いところからきちんと見ていくというところをやっていかないと、空中戦で海外のお客様に情報発信しても、一向に売上は上がらないんですよ。それでなかなか伸びなくて頓挫しちゃう方だったりとか、KPI達成しなくて中止になっちゃう方が多いので、まずはインバンドでお店に来てくれてる方だったり、日本に住んでいる外国人の方にまず見てもらうだったりとかっていう形でコンバージョンに近い人から打ち手を取っていくというのは、とても視点としては重要かなと思います。
その動画をInstagramとかTik TokとかYouTubeショートとかに出していって、そこで集客起点を残して使っていくという形で、まずは接客が最初だよねというのをお伝えしていますね。
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鳥屋氏
こういう逆三角形の逆ピラミッドがあるとしたら、この逆の頂点から攻めていくみたいな。
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徳田
そうですね。
下の購買に近い人から狙っていくというのはありかなと思うので、なんでインバウンドのお客さんが来ているのに、日本人のスタッフの方が英語で声をかけないの?だったり、ずっと眺めて終わっているのかという話なので。ショップカードをお渡しするとか、ECサイトがあってそこで英語の説明があるんだったら、そこのQRをお渡しするとか。
できることはたくさんあったりするので、まずそこからやりましょうという、と。
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鳥屋氏
実際にそれをすることによって、どのくらい変わるものなんですか?
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徳田
とても変わりますよ。転換率は。
どれを選んだら良いかわかんないから、お箸とかをもらっても「福井県産のお箸です」と書いてあっても「ふーん」で終わっちゃうじゃないですか。僕らがそれを見ても「ロサンゼルス産のスプーンです」と書いてあっても「ふ-ん」で終わっちゃうじゃないですか。
もっと買わなきゃいけない背景を伝えることによって、要はお土産って結局ギフトなので、語れるストーリーを渡してあげるというのが重要かなと思います。
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鳥屋氏
話だけ聞くと動画マーケの空中戦だけ、海外マーケをやるのはかなり不可能に近いかもしれないですね。
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徳田
不可能ですよ。
そこの空中戦だけじゃなくて、地上戦と両方やっていかないといけないので、ファネルの一番下はまず地上戦ですよねというところで。
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鳥屋氏
なるほど。
ちなみにデジタルサイネージとかそういうのって、おいくらぐらいかかるんですか?
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徳田
1個2、3万ぐらいですね。
動画ファイルを置いておけば流れるので、そういうので全然問題ないかな。
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鳥屋氏
大きいものを想像したんですけど、もっとちっちゃい感じですか?
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徳田
そうですね!
お土産屋さんってそんなにコーナーが大きくないので、コーナーに置ける、小さいサイズ感ですね。動画が流れている感じで、横にインスタのQRとかを載せてあげて、ここでインスタも見れるよとすると、インスタを見てくれたりするんですよ。
そうするとフォローしてくれたりするので、クライアントによっては1日10人とかフォロワーが増えたところもあります。
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鳥屋氏
そうなんですね。
完全にオフラインから来ているということですね。面白い! これはかなり新しい発見です。
BtoBマーケティングのYouTubeの活用と課題
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鳥屋氏
2つ目はtoBと。
海外のクライアントさんが日本に進出する際に、いろいろ日本のビジネスの情報とかはよくわかんないじゃないですか。そこの支援企業を探している企業向けのチャンネルです。
海外企業が日本に進出する際の橋がけとなるような、徳田さんが今やられているのと逆。
海外企業が日本に進出する際のいわゆるその代理店じゃないですけど、そこの代行業をなんとかYouTubeで獲得しようと思ったんですけど、結構難しかったです。
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徳田
それは難しいですね。
実際に僕らのところにも相談が来ますけど、来る相談の経路ってパートナーからの相談が多いんですよね。アメリカの企業が日本に進出するんだけど、うちに問い合わせが来たんだけどそれできない?みたいな感じで。
やるべきはパートナーの中でそれができるよということを認知させて、そこからの獲得。
もしYouTubeで説明するんだったら、実績とかを英語で発信するみたいな感じで。集客チャネルとして使うというよりは、接客として使ったりとか。
どこからが起点でそのリードが集まるのかというのを考えたときに、さっきのお土産物屋さんに近いんですけど、そこにクエリーが存在するのかなという感じですね。
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鳥屋氏
なるほど。
結構私は海外マーケと言うと人数が多いので、とにかく規模がでかいところのやり方、インプをひたすら取れるだけ取れるんじゃないかと思ってしまったので。さっきのtoCもtoBも結構広く取って、それから狭めるというやり方を考えていたんですけど、むしろ海外マーケだからこそ逆みたいな。
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徳田
そうですね。
ニッチなところからやっていった方が良いと思いますし、YouTubeのスペシャリストの鳥屋さんですら結構難しいので。
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鳥屋氏
かなり難しいです!海外マーケ。
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徳田
そこのYouTuberハックをしていて、集客につながるのかどうかというのは見た方が良いかなという気がしました。
ちなみに難しいといってもいろいろあると思うんですけど、どのあたりが難しかったですか?
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鳥屋氏
何点かあって、ちょっと制作寄りの話になるんですけど。
海外の人たちを喜ばせるとか、海外の人たちにとって、平均水準のクオリティの動画を作るのが意外とむずい。
要は海外ってみんな映像美とか音質とかのところで、結構動画のクオリティが決まってくるじゃないですか。vlogとか。日本の動画ってどっちかというと文字とか情報、情報のコンテンツなので、そこの部分でまず海外水準の動画を作るというのは結構大変でした。
普段使っている機材を1ランク2ランク、グレードが高いものを使わないと、たぶん海外の人たちが見るような動画のクオリティにはならないし。
特に日本だったら字幕でバーっとやって届かせるということはできるんですけど。
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鳥屋氏
文字情報をいかに減らしたクオリティの動画にするかというのも、これは普段の編集のやり方と違ったので結構戸惑いました。
あとは海外って字幕をつけないんですけど、英語だと普通にGoogle字幕というか、AIの字幕でわりと反応するんです。
これも日本人のジャパニーズイングリッシュとかは反応しないので、出てくる演者もちゃんと字幕に反応するような英語が話せる方じゃないとワークしないというのがありました。
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徳田
なるほどな。
なかなか結構そのへんが難しいですね。本当に自分のチャンネルでやるべきなのか、さっきのインバウンドの話もそうですし、BtoBの話もそうですし。
そういう専門のチャンネルに依頼して、そこを露出起点として使うのかみたいなところで、良いコンテンツだったりとか良いそのお店を持っているのであれば、やり方というのは複数あるなと思っていますね。
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鳥屋氏
まさにインフルエンサーマーケの方が向いている、メディアを大きくするよりというのは、ちょっとあったかなと思いますね。
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徳田
そうですね。
英語だと作る工数もかかるので、もしかしたらコスパ的な部分で言うと、僕が逆にうちのチャンネルで運営して、リードとか求人を集める。今回キリトルにお願いして、求人が集まった、すごい良かったなと思っていて。
そういう感じで外の媒体を使うというのも、検討の余地はあるのかなという気はしました。
ターゲットとチャネルの選び方
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鳥屋氏
そうですね。
すでに登録者が一定ある、再生が取れているそのターゲットの国の視聴者が見ている、そのターゲットの国の視聴者が大半のチャンネルに出すという。
こっちの方がむしろ手っ取り早かったかもしれないです。
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徳田
そうですね!
自社のチャンネルのハックだけにとどまらず、複数のチャンネルも含めて視野に入れたときに、どういう施策が予算を投下するのに値するのかというところを考えられると良いのかなと思います。鳥屋さんのチャンネルでも僕もお話させていただいているので、そちらも見ていただけたらと思います。
本日は貴重なお話いただきありがとうございました!
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鳥屋氏
ありがとうございました!
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前回part1の記事はこちら:
YouTubeに向いていない企業、向いている企業5選!! | Stocksun公認コンサルタント鳥屋氏鳥屋さんとのコラボ動画はこちら:
企業がYouTubeチャンネルを6年運用し続けた結果...【世界へボカン・徳田祐希氏】
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