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「やり続ける」ということが大事なんだと思っています 「Farewell My」シリーズを手掛けるCiaolink高見さん越境ECインタビュー

香港在住時にFarewell partyのギフトとして香港の風景画作品を贈ったのをきっかけに、これまで香港、東京の2都市の風景をテーマにアートプロダクトとして展開しているCiaolinkの「Farewell My」シリーズ。

今回はオーナーの高見めぐみさんに、プロダクトに込めた思いや、越境ECのおもしろさについてインタビューしました。

「Farewell My」シリーズができるまで

香港ではFarewell ギフトの需要が高く、もともとミュージアムショップでグッズ製作をしていた経験を活かして、今までにないオリジナル商品を作ってみようと考えました。

当時は香港在住で起業しやすい環境にあったこともあり、挑戦してみたのが始まりになります。

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“From The Peak”, a one of most iconic view of Hong Kong. And it will always remind you the precious memory of the days in Hong Kong:-) #hongkong

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始めた当時、今製作でコラボレーションしているアーティストの山口潔子さんの個展を見に行き、彼女の建築の絵の緻密さと、Pachikaの紙を組み合わせたら面白いのではないかとひらめいたんです。

そして、彼女の原画をもとに、どのおうちにも飾りやすくてシンプルな、「建築」を魅せられる商品を作ろうと思ってスタートしました。
[embedyt] https://www.youtube.com/watch?v=k-XAnPXjN_c[/embedyt]
Pachika は加熱型押しをすることで、透明に透けるのが特徴の紙です。
熟練の職人さんが加工することにより、均一の透明度で詳細まで表現することができます。

越境ECを始めたきっかけ

香港でホームページを作ろうと思うと、シンプルでかっこいいホームページを作るというのがブランディング的に必要でした。それと同時に、オンラインで買いたいという方もやっぱりいたんです。

例えば、香港から自国に帰ってしまった後に「この作品が欲しい!」という方もいらっしゃったんですよね。
Shopifyさんのサービスを知ったことも大きく、気軽にオンラインでやっていきたい、という自分の希望も叶えられそうだったので始めました。

旅行者の増加もそうですが、日本のことを好きな外国人の方はたくさんいるのに、滞在中に出会えなくて、自国に帰られた時に「ああ、こんなものがあったんだ!」と思われる方もいると思うんです。そういう方に越境ECでお届けできたらと思います。

インタビュアー: 確かに、写真で残すだけではなく、実際に部屋に飾ることができるアートのプロダクトにすることで、より思い入れが深まる気がします。思い出をより素敵に残すことができますね。

越境ECサイトを運営される上での課題

ターゲットにきちんとアピールできていないという今の現状ですね。
欲しいと思っていただけるお客様はもっといらっしゃるはずなのに、その方々に知っていただけていない状況に、もどかしさがあります。

インタビュアー:そうですね。

東京の情景を見て、心を動かされたユーザーにどのようにリーチするかは大きな課題ですよね。インバウンド観光客だけでなく、日本在住のエクスパットにもリーチできる方法が考えられそうです。今回の例では、Facebookのターゲティングが有効に活用できそうです。

Facebookはこのように詳細なターゲティングが可能です。

越境ECのやりがい

購入されたお客さまがおうちに飾ってくれている写真をお送りくださって、本当にハッピーだというメッセージをくれたんです。
そういう方に出会えるだけで、やって良かったんだなというモチベーションになります。

お客さまの、今まで見たことのないリアクションを感じられると「やってよかったな」という気持ちになりますね。そういうリアクションのためにやっているようなものなのかな。

 

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My customer who lives in USA sent me the display photos!Thanks!!

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お客様獲得、継続の為の工夫

やっぱり、いいものを作るということですね。妥協なく、良いクオリティのものをきちんと作る。それが大前提。そうじゃないと自信を持って販売できないので。

「Farewell My」シリーズは、この値段でこのクオリティのものは絶対にないし、日本にしかこういうものはないんだよっていう。
今ここで買わなかったら、他にないからね!ということを堂々と言える商品でなければ勝負できないので、それは絶対に保たなければいけないポイントです。

香港では、私自身が外国人として住んでいたので、外国人目線で香港の魅力を自然と知ることができたのですが、今は日本に日本人として住んでいるわけなので、外国の方から見た日本の魅力をピュアに感じることができないんですね。でも、彼らの意見を100%聞きすぎても、売れるとは限らない。

彼らが実際に行った風景が商品になっている、ということにバリューがあるんだと思います。そして見過ごしてしまった場所や別のアングルで見ることで、さらに東京の魅力を知ってもらえるところがこの商品の面白さなので、それをどれだけ多くの人に共感してもらえるか?ということがもう一つのポイントです。

 

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“Shinjuku Golden Gai” with original photo. #shinjukugoldengai

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例えば、新宿ゴールデン街は2月の大雪の日に写真撮影しに行って、シーンを決めたんです。素敵な看板があるところとか、そういった魅力を見極めてやっているので、シーン選びはすごく時間がかかるし、こだわっているところですね。

ちょっとした角度でもすごく違ってきてしまいますし、時間をとってじっくり選んでいます。

越境EC成功の秘訣

まだまだこれからという感じです。ただ、草間彌生さんもおっしゃっていましたが、やり続けることが大事なんです。
私の中でも、やり続けることが大事だと思っているんです。

リアクションがないからやめるとか、そういうことはありえないんですよね。

1年経って結果が出るものもあれば、何年間も芽が出ずに10年後に爆発的に広がる、ということも世の中のビジネスではあることなので、1年とか半年でリアクションがないから可能性がないかな、と思ってしまったりするんですけど、「やり続ける」ということが大事なんだと思っています。

インタビュアー:
確かにそうですね。
私たちが携わらせて頂いているお茶のプロジェクトでは、初年度はあまり売り上げが伸びず、2年、3年とコツコツ積み上げていったことで徐々に店主の世界感や彼の取り扱う茶葉や茶器のファンが増え、最終的に売り上げが始めた頃の20倍になったというものがあります。

その為、これから携わらせて頂くクライアント様には「越境ECは新しい市場を開拓するものであるため、時間を要するものだ」という事をお伝えして「覚悟」をして頂いております。

高見さんとアートの関係

私は、プロデューサーのような感じで関わっているんです。
私の経歴がそうなのですが、アートをアートとして売るのではなくて、もう少し気軽なもの、アートのフィルターのかかったもの。全然アートに興味のない人が、これだったら買えるし、これだったらすぐ簡単に壁に掛けられて、ちょっとアートに関われる。そういった、アートの入り口を作ってきたわけです。

「アートプロダクト」ってやっぱり面白い分野なんですよ。
私が大学一年生からとあるミュージアムショップでインターンとして働いていた時も、ミュージアムグッズを作るということをずっと信念にして、大学生活を送ってきたんです。でも誰もピンポイントでそこをやっている人はいなかったんですよ。

インターンをしながら、アートグッズの面白さに気づいてしまい、大学1年生の時にニューヨークのMoMAのデザインストアに行った時に、商品の面白さにカルチャーショックを受けて、美術館の隣にある「ミュージアムショップ」の可能性をひたすら追求していたわけです。
アートの入り口になるような、アートを好きになるきっかけになるようなグッズを作りたい、ということをずっとやってきたので、その時の経験がやはり「Farewell My」シリーズにも生きているんです。

この紙を知ってもらえるきっかけになる商品だったらいいなとか、描いてくださるアーティストの山口潔子さんを知ってもらうきっかけになればいいなとか。職人さんが作っていて、アーティストのお友達が入っていて、色々な人が手を加えながら作っている面白い商品なので、気軽に絵を飾ることをしてもらいたいなという。

良いものを作る、プロデューサーとして関わっている感じです。
やはり信頼関係が大事で、どこかが抜けても作れないですし、それぞれの立場の人と信頼関係を築いていくことが大事です。

プロダクトの魅力

買ってくださる人が実際に行ったところがシーンになっているというところだと思います。彼らが実際に体験して、行ったことのあるシーンが落とし込まれている。

この作品を家に持ち帰って飾った時に、自分の思い出もそこからよみがえってくる。侍や相撲などのサインやシンボルとしての東京、日本ではなくて、彼らが実際に体験した「東京」のお土産ものって意外と少ないんです。

思いを巡らせられることができる商品というところが「Farewell My」の価値だと思うんですよね。そしてこれは、今までにないものだと思うんですよ。だから新しい分野のお土産ものを作っているという自信はあります。

 

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“Tokyo Tower” with original photo. #tokyotower

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プロダクト制作について、東京や香港の主題になる風景を選ぶ基準は?

とにかく歩き回る。俯瞰からもそうだし、歩き回って面白いなって思う場所を探します。7年間日本を離れていたので、離れてみると客観視できる部分もあるんですよね。

まるっきり外国人の目線ではないんですが、その中間のポジションを取れるので、これは日本人も面白いと思うし、外国人も面白いと思えるし、というシーンを選んでいます。その中で外国人のお友達に意見を聞いたりしながら時間をかけて選んでいます。

今後の展望とこれから想定しているオーディエンス

東京に行ったことがあって、東京が好きな人とか、東京の建築が好きな方とか結構たくさんいらっしゃるじゃないですか。そういう方にお届けしたいなというのもありますし、東京に住んでいた人、そこで子育てされた方とかいるんですよね。

自分が住んでいた街を記憶に留めておきたいという方、そういう方に届けたいですね。越境ECがちゃんとできるようになれば、いろんな国の人に商品を届けられるようになるので、それは面白い挑戦ですよね。日本のマーケットだけではなくて、各国に広げられたらいいなと思います。

また、各国に住む日本人のエクスパットの方にも喜んでいただける商品を提供したいという思いがあります。将来的には、いろんな国の商品を作っていきたいですね。Ciaolinkのロンドンバージョンや、ニューヨークバージョン、シンガポールバージョンだったりと、Ciaolinkラインというのを広げて行きたいなと思っています。

まとめ: 東京の魅力を外国に発信する新しいピクチャープロダクトが越境ECで成功するには?

高見さんが「Farewell My」 シリーズで作っている商品は、東京の魅力を海外に発信する新しいピクチャーギフト。
東京の魅力を日本人の職人やアーティストと共に再現したこの商品は、日本を訪れた外国人だけではなく、日本人も欲しくなる、今までにない新しいギフトです。

作品のディテールの面白さはもちろん、壁にかけるインテリア商品としても海外の人に興味を持っていただけるユニークな商品です。この商品が今後越境ECを続けていくことでどういった反応を得られるのか、これからどんなおもしろいことが起きるのか楽しみです!

越境ECで成功している企業には下記の共通点があります。
(1)自社のプロダクトを愛している
(2)プロダクトの独自性が高い
(3)短期間で成果を見るのではなく中長期スパンで考えている

新しいプロダクトを世の中に発信していく場合、必ずしもすぐに受け入れられるわけではありません。今回の高見さんのようにShopifyを活用してスモールスタートをし、一度に多くの予算を投下できなくてもコツコツマーケティング施策を実施していけば、少しずつ海外のお客様の手に渡っていくと思います。

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投稿者: ボカン編集部
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