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越境ECを失敗に導く8つの危険な考え方

越境ECを失敗に導く8つの危険な考え方

これまで多くの越境EC支援を行ってきましたが、うまくいかないときはおおよそ共通の理由が存在します。

本記事ではこれまでの弊社の実績をもとにどのような理由で越境ECが失敗に終わってしまうかについて解説させていただきます。

これから越境ECに取り組まれようとしている方は本記事を見ていただければ、越境ECに取り組む際の注意点を学ぶことができます。

 

 

1. 国内の成功体験に引きずられる

越境ECの場合、国内で売れている商品でも、海外でなかなか売れないケースがあります。

それは国内で売れた経験のまま「自社の商品は良いものだから売れている」と考え、そのまま海外でも売れるだろうと、海外の顧客調査や競合分析などをおざなりにしてしまうことが要因です。

海外向けの場合顧客のニーズやインサイトが異なったり、競合他社もグローバルに拡がることでさらに多種多様な競合が増えたりと、国内よりもハードルが高くなります。

「日本国内でかなり売れているから海外でも売れるのではないか」という安易な考えだけではうまくいきません。

しっかりとしたリサーチ、売れる土台作りなくして購入につなげることは非常に難しいです。

 

2. リアルマーケティングとWebマーケティングを区別できていない

国内で実店舗がある企業が、海外向けにECオンリーで商品販売するというのが越境ECではよくあります。

日本国内だと実店舗によって新規顧客の獲得や、顧客のロイヤルカスタマー化などのコミュニケーションを取ることができ、そこから認知が拡がってオンライン購入も増えるという形が作られます。

しかしながら海外向けの場合、海外店舗がないため、いきなりWebのみで海外の新規顧客を獲得しなければなりません。

そのような場合、越境ECサイトが実店舗スタッフのコミュニケーションと同じくらいの情報量を持っている必要があります。

豊富な写真や商品の価値、他社との違い、場合によっては動画などで見せたりといった工夫も必要です。

ユーザーは購入の前に必ず比較・検討を行いますが、Webにより多くの情報を瞬時に取得することができるため、世界中に存在する競合他社と商品の違いが明確でなければ、購入に結びつけることはできません。

また、ECサイトは手軽に欲しい商品を購入できる反面、ユーザーは商品が本当に届くのか、詐欺サイトや怪しいサイトではないかという疑念も持っています。

そういったユーザーの疑念も払しょくするコンテンツとして、会社概要やブランドストーリー、会社ミッション、チームの紹介などできるだけ会社の情報を開示することも重要になります。

 

3. 「メイドインジャパン」を過信する

メイドインジャパンは確かに品質の良いものという認知はありますが、メイドインジャパンを過信して、それ以外のバリューを伝えられていないことがあります。

メイドインジャパンは最後に添える程度の訴求だと考えており、より本質的な価値を伝えなければ、購入に結びつけることはできません。

また、単にメイドインジャパンを伝えるだけではなく、日本国内でどのような環境でどのように管理されていて製造されているのかというような具体的な情報を伝えることで、本当の商品価値が伝わります。

 

4. 大手プラットフォームと自社サイトを切り離す

海外のAmazonやebayで商品を販売し売上が立ってきたため、自社サイトを作って自社サイトで売上を上げていきたいというお話をいただくことがあります。

この場合の落とし穴として、大手プラットフォームと自社サイトではユーザーの信頼度が大きく違うということを覚えておく必要があります。

もちろん商品が売れているのはその商品がユーザーのニーズとマッチしていたから売れたと思いますが、あくまでAmazonやebayで買えるから安心して購入に進むことができるということです。

そのため、大手プラットフォームで売れているから自社サイトを作れば売れるということには必ずしもなりません。

この際重要なのは大手プラットフォームと自社サイトどちらでも買える状態を継続し、ユーザーに購入場所の選択肢を持たせることと、プラットフォームと自社サイトで明確なすみ分けをすることで自社サイトで買う理由づくりをすることです。

例えば、プラットフォーム側では取り扱う商品数を制限し、自社サイトの方で全種類の商品を取り扱ったり、あるいは自社サイトの方が割引率を大きくしたり、購入による特典を付けてあげたりするなどです。

また、大手プラットフォームでの販売数実績なども積極的にアピールすることで、自社サイトに対する不安や怪しさを払しょくすることもできます。

あくまで共存させることが重要です。(ただし自社サイトの売上が順調に伸びてリピート客などもついてくれば、自社サイト一本に絞るという選択肢も後々はあります。)

 

5. マーケティングリサーチや市場調査などの費用をケチる

世界へボカンでは調査戦略立案というサービスをご提案させていただいており、3C分析、SWOT分析、STP分析などマーケティングフレームワークを使った分析と、それを元にした越境ECの販売戦略をまとめた報告書の作成となります。

この調査戦略立案が越境ECを行う上での土台となり、売上が上がるWebサイトを構築するのに重要な軸となります。

しかしながら費用を抑えたいためにこのプロセスを省き、土台のないままサイトを構築してしまうケースや、安く作ったサイトでプロモーションに着手してしまう場合があります。

そういった場合、たいてい中身がスカスカのサイトや、企業目線で顧客に響いていない一方的な情報発信になっているサイトだったり、自社の提供価値がよくわからないサイトで訴求も曖昧なままプロモーションを行って全く売上が伸びないといったことが起こります。

確かにマーケティングリサーチや市場調査というのは、報告書というアウトプットはあるものの、サイトを構築したり、広告で集客するなど目に見える成果とは違うため、そこに大きくコストを割くことに躊躇するのは理解できなくもありません。

ただ結局この調査プロセスを省いたことで売れないサイトが出来上がってしまい、さらに大きな損失を生み出してしまったという状況を、残念ながら数多く見てきました。

そのため、しっかりとした調査を行い、越境ECの軸を作ることをおすすめいたします。

 

6. なぜ売れているのかを曖昧なままにする

国内で売れていても海外で売れない理由の一つとして、自社の製品がなぜ売れているのかをしっかりと深堀り出来ている企業が少ないということが挙げられます。

特に我々が知りたいのはバリュープロポジション(独自の価値)です。

バリュープロポジションとは「自社が提供できる価値」と「顧客が求める価値」が重なった部分から「競合が提供している価値」を引いたもので、自社独自の価値のことを指します。

海外に商品を販売していく場合、まだ自社商品の認知のない地域に対して新規顧客を開拓するため、改めてこのバリュープロポジションを明確にしなければ、自社の商品を購入してもらうための理由づくりができません。

またこれまで国内で意識してきた競合と異なるタイプの競合が出てきたり、特にWebの場合は比較検討する幅が拡がるため、多数の企業と競り合わなければならなくなります。

その際に自社独自の価値が明確でなければ、他社商品に流れていっても仕方がありません。

 

7. 広告費を広告だけにしか使わない

広告集客を開始したもののなかなか購入に結びつかない場合、まずは初回の購入ハードルを下げるため、初回購入割引や期間限定セールなどの実施をご提案することがあります。

しかしながら割引やセールによって利益が削られたり、赤字になってしまうことを懸念し、それらが却下されてしまうことがあります。

結局、何とか広告運用だけで改善できないかという話に結論付けられ、その後も広告費だけ費やしなかなか販売数がのびないということが続いてしまいます。

こういった広告費を広告だけのお金として捉えるのではなく、割引によりかかる企業負担を広告費分から捻出するという考えが必要です。

一度購入してもらえればリピート購入で売上を上げることができたり、購入してくれた方からレビューを集めることで新規の購入検討ユーザーの購入確度を上げるなど、売上を上げやすい状況を作ることができます。

しかしながら、広告予算を広告以外に使ったり、割引分を広告費から充てるという考えに変換できないことが多いと感じています。

恐らく広告費を他に充てることで、その分集客数が減ってしまうため売上が落ちてしまうという考え方だと思いますが、そもそも購入率が低い状態に対して、購入率を上げる施策や購入しやすい仕掛けを作ることに予算を使わなければ、効率の悪い集客を行うだけになります。

 

8. 新規顧客を追い既存顧客は後回し

新規顧客を増やす、自社商品を知らない新規顧客に認知してもらう、といった新規顧客の獲得は重要ではありますが、新規顧客を追うばかりで既存顧客への対応がほぼ商品を紹介するメルマガを送るだけで終わってしまっているケースが多く見受けられます。

そのため、新規顧客と既存顧客の分析を行っていることはほぼなく、どれくらいリピート購入してくれている人がいるか、そのユーザーの売上の割合はどの程度か、購入頻度、LTV(顧客生涯価値)などのデータを把握できていないことがほとんどです。

しかしながら、既存顧客の施策をしっかりと行えば、既存顧客がECサイトの売上のベースを作ってくれ、安定した収益を生み出すサイトにすることができます。

では既存顧客施策で何ができるかですが、まずはメルマガを新規(購入したことが無い人)と既存(購入したことがある人)で分けることができます。

また、購入した後にステップメールを送って、商品の正しい使い方を教えたり、レビュー投稿を促すなどできます。

また、数か月アクションのない休眠顧客にはリマインドのメールを送ったり、誕生月には特別割引のクーポンを贈るなども効果的です。

その他、リピート購入時の割引きやロイヤルティプログラムの導入、既存顧客から新規顧客を呼び込んでもらうリファラルマーケティングなども良いと思います。

 

まとめ

越境ECは新たな市場に向けた新しい取り組みとして考える必要があり、国内販売の延長線として捉えてしまうと失敗してしまう可能性があります。

そのため、しっかりと新たな市場に向けた調査や分析を行って準備を整えていただき、改めて自社の製品が選ばれる理由を明確にした上で、サイトの構築やプロモーションを実施して頂ければと思います。

世界へボカンは「日本の魅力を世界へ届ける。」というミッションと、「世界で成功する日本企業を1社でも多く増やす。」というビジョンを掲げ、越境ECに取り組む企業の皆さまの成功をサポートしています。

越境ECでお悩みの企業様はぜひ世界へボカンにご相談ください。

 

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加瀬雅彦
投稿者: 加瀬雅彦/Kase Masahiko
COO/運用型広告チーム チーフマネージャーコンサルタント
海外Webマーケティング事業に10年以上身を置き、2014年8月に代表徳田と共に世界へボカン株式会社を設立、取締役に就任。
英語Google広告運用、ソーシャルメディア広告、アクセスログ解析、英語サイト改善など、数多くのプロジェクトに携わる。
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