海外マーケティングブログ
【海外展示会事例】マレーシアフェアに出展し、現地のお客さまのフィードバックを得よ!
- 2025.05.01
- 海外市場調査・分析

福井県のカサ川さまは、婦人服のテキスタイルを製造する創業120年の会社です。海外展開を視野に入れ、自社の繊維技術を活かしたイスラムの方向けのヒジャブの開発をしています。
弊社は、2023年から福井県さまからのご依頼で現地企業を支援させて頂く中でカサ川さまとお仕事をさせて頂きました。今回は、開発した商品のテストマーケティングの一環で、マレーシアフェアに出展しました。マレーシアフェアで得た、気付きや学びをご紹介していきます。
この記事で分かること
1. 老舗テキスタイル企業・カサ川の海外展開事例
・福井県の創業120年の企業が、イスラム向けヒジャブを開発。
・自社の繊維技術を活かして、暑さ・蒸れの悩みを解決する商品を展開。
2. マレーシアフェアでのテストマーケティング
・マレーシア文化体験イベントに出展し、現地ユーザーから生の声を収集。
・英語・マレー語ネイティブも参加し、多言語での反応をキャッチできた。
3. 顧客解像度を高めるための現地フィードバックの重要性
・オンライン販売だけでなく、オフラインでの顧客接点が有効。
・商品開発は「技術ありき」ではなく「顧客ニーズ起点」で行うべき。
4. 海外BtoB展開のきっかけにも
・イベントでは一般消費者だけでなく、バイヤーも来場。
・越境ECサイトにBtoBページを設ける・資料を用意することで商談機会に繋がる。
5. マレーシアフェア出展の工夫ポイント
・雨天対策、目立つポスターやキャッチコピーの準備、事前SNS告知などが重要。
・来場者を「待つ」のではなく「呼ぶ」ための工夫が必要。
6. 越境EC成功のための考え方
・「国内商品の横展開」ではなく、「現地ニーズに合わせた商品開発」が成功の鍵。
・越境ECは最低3年の継続を覚悟し、マーケットインの視点で進めることが大事。
YouTubeで見るマレーシアフェア
マレーシアフェアの様子はYouTubeでご紹介しております。弊社メンバーとカサ川さまでブースに出展した様子が見られるので、出展を検討している方や雰囲気を見てみたい方は是非ご覧ください。
マレーシアとは(人口、言語、経済規模)
マレーシアは多民族国家でマレー系、中華系、インド系の方がいらっしゃいます。人口は3300万人と日本の約4分の1です。
項目 | 内容 |
---|---|
国名 | マレーシア(Malaysia) |
首都 | クアラルンプール(Kuala Lumpur)※ 行政機能はプトラジャヤに集中 |
人口 | 約3,300万人(2024年推定) |
言語 | マレー語(公用語)、英語、中国語(主に福建語)、タミル語など |
宗教 | イスラム教(国教)、仏教、キリスト教、ヒンドゥー教など |
通貨 | リンギット(Ringgit, MYR) |
主な産業 | 製造業(電子部品、パーム油)、観光、天然資源(石油、天然ガス)など |
経済規模 | 名目GDP:約4,300億米ドル(2023年推定) |
民族構成 | マレー系(約69%)、中華系(約23%)、インド系(約7%)、その他 |
気候 | 熱帯雨林気候(高温多湿、年間を通じて雨が多い) |
祝日 | ハリラヤ、独立記念日(8月31日)、中秋節、ディーパバリなど |
政治体制 | 立憲君主制(連邦制)、議会民主主義 |
特長 | 多民族・多文化国家で、英語が広く通じる東南アジアの中堅国 |
マレーシアの方のダイレクトなフィードバックを得られるイベント
マレーシアフェアは毎年開催されるマレーシアを体感できるイベントです。2024年は豊洲で2日間にわたって開催されました。
マレーシア現地の料理が楽しめ、ステージではマレーシアの民族舞踊や豪華アーティストのライブが行われました。日本企業も事前に申請すれば参加することが可能です。
直接フィードバックを得ることで顧客の解像度が上がる
これまでお客さまの顔が見えない状態で商品開発をしていましたが、実際に開発した商品を越境ECで販売するだけでなく、オフラインでお客さまからフィードバックを得ることができました。カサ川さまの繊維技術を活かして、ヒジャブユーザーの悩みごとである蒸れや暑さを解決するアイテムを開発しました。
自分たちの技術や製品を海外のお客さまに届けたいとお考えの方はターゲット顧客のいるフェアに参加してみて、ダイレクトにお客さまからフィードバックを得るのも一つの手段です。
日本人メンバーだけでなく、英語やマレー語のネイティブメンバーと共にイベントに参加したため、日本語が分からない、得意でないユーザー様の声を拾うことができました。御社がこういったフェアに参加する際もネイティブメンバーに参加して頂けると良いでしょう。
海外BtoB取引に繋がることも!
イベントにはエンドユーザーだけでなく、マレーシア関係の企業の方も多く参加されています。越境ECの勝ち方の一つとしてBtoB取引に繋げるというものがありますが、実際にバイヤーに直接商品の特徴や魅力を伝えることができるチャンスでもありますので、BtoB取引ページを越境ECサイト内に設けて置いたり、パンフレットを用意して取引の流れが説明できるようにすると良いでしょう。
海外の展示会に出展するとなると数百万単位で費用が掛かり、現地に足を運ばなければなりませんが、国内のフェアに出展する場合は、そこまで費用は掛かりません。日本国内で開催されているフェアに参加し、現地進出の感触を掴むというのは打ち手としてアリだと思います!
マレーシアフェア参加時の注意点、工夫のポイント
雨天対策をしておく
イベントは2日間にわたって行われましたが、初日はあいにくの雨でした。雨の場合はブースの中に入って頂き、試着やフィードバックを得るようにしたことで来場者の方を密なコミュニケーションを取ることができました。
パンフレットやポスターを事前に準備をしておく
イベントのブースだけでなく、商品の特徴が分かるようなポスターを店頭に置くことで興味を持って来場してくれる方を増やすことが可能です。たくさんのブースがあるため、その中で立ち寄って頂くためには見たときに興味を持ってもらえるようなキャッチコピーやイメージを用意しておくことが肝心です。
事前にSNSで発信をし、告知をする
イベントのフェアの来場者数頼りになってしまうと天気やイベントの集客力に頼ることになってしまいます。そのため、事前にSNSでイベントの告知をし、自社のブースに来てもらうことを目的としたお客さまを一人でも増やす努力をしましょう。弊社で海外展示会の支援をする際は、必ず事前告知をするようにしています。
越境ECサイトをお持ちの場合は、メーリングリストやInstagramを通して告知をするようにしましょう。それでも十分な来場者数が見込めない場合は、フェア名や展示会名で広告を配信し、事前来場者予約を獲得することも有効な施策の一つです。」
越境ECは最低でも3年続ける覚悟が必要!
海外販路開拓はマーケットインが効果的!
今回、マレーシアフェアに出展されたカサ川さまも、商品の企画から開発、越境ECサイトの構築、フェアへの出展と少しずつ歩を進めて海外に販路開拓に挑戦をしています。国内向けに販売しているものが、そのまま海外で販売できれば良いですが、自分たちが売りたいものが海外のお客さまが欲しいものであるケースばかりではありません。
技術力があるメーカー様はターゲットするお客さまのお困りごと、お悩みを解決するアイテムであったり、現地のニーズにマッチした商品の開発からスタートすることで海外販路開拓の成功確率を大きく上げることが可能です。
2023年に福井県のカサ川さまに訪問したときの様子
2023年にカサ川さまのもとに伺った際は工場を見学させてもらい、繊維がどのように作られているかを教えて頂きました。私たちはお客さまのもとへ伺い、商品を体感したり、クライアントの想いを伺うことを大切にしています。
越境EC、海外販路開拓には勝ち方がある
越境EC、海外販路開拓には勝ち方、セオリーがあります。ただただ海外向けにサイトを構築しても海外から引き合いや購買は発生しません。私たちは、【日本の魅力を世界へ届ける】というミッションのもと、日本企業の海外販路開拓を18年以上にわたって支援してきました。
もし、「海外に販路開拓をしたいけど、何からしたら良いか分からない、上手くいっていない」とお悩みの方がいらっしゃいましたら、是非私たちにご相談ください。
共に日本の魅力を世界へ届ける海外Webマーケターも募集しております。
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