上司に海外展開を提案しても響かない。その原因は「伝え方」にあります。識学メソッドで「承認を引き出す提案術」を学びましょう。
弊社のYouTubeチャンネル:越境EC・海外WEBマーケティングでは今回、株式会社識学 上席コンサルタントの吉原将之さんと対談を行いました。
「海外販路を開拓したいが、上司が理解してくれない」そんな現場のリアルな悩みを、識学のマネジメント理論でどう解決できるのか。今回は、海外展開を進めたい部下が取るべき「正しい提案の仕方」について深掘りしました。
こんな方におすすめ
- 海外展開を上司に提案したいが、なかなか通らない方
- 新規事業や越境ECのスタートアップに携わる若手・中堅ビジネスパーソン
- 組織における提案力やプレゼン力を高めたい管理職・マネージャー
この記事でわかること
- 識学が提唱する「上司に承認される提案」の型
- 数字・期限・撤退ラインで構成された提案書の作り方
- 「思い」ではなく「事実ベース」でのマネジメントの重要性
1. 若手が陥りがちな「上司を説得したい」という誤解
「情熱を伝えれば、きっと理解してくれる」
その考えこそが、提案が通らない最大の原因です。識学では、上司と部下の位置関係を前提に、正しいアプローチをする必要があると説いています。
「頭の堅い上司を「説得してやろう」「自分がわからせてやろう」とか「覆してやろう」というアプローチは
マウントを取っているような感覚ですし、これは位置関係”上司部下の位置関係を崩したところの会話のやり方”なので
おすすめしたくないですね。」
2. 提案内容は『数字と期限』で構成する
「海外に販路を広げたい」という思いだけでは承認は得られません。重要なのは、明確なリスクとリターン、そして撤退基準を提示することです。
提案例としては下記のような構成が有効です。
- 「6か月間でインドネシア市場をテストしたい」
- 「初期投資として1000万円、半年で200万円の売上を目指す」
- 「成果が出なければ撤退する」
こうした事実ベースの提案であれば、上司も「判断可能な材料が揃っている」として承認しやすくなります。
3. マルかバツかを明確にすることで成長が加速する
識学の基本姿勢は「曖昧な三角を排除し、マルかバツで評価する」こと。新規事業や海外販路開拓のような不確実な領域では、特にこの考えが有効で改善のスピードに直結します。
「マルとバツを明確にする。設定するからバツってわかるんですけど、設定もしないでよしやってみようだと三角が多くなるんです。」
4. 提案を受ける上司の視点とは
上司側もまた、「熱意や情熱」ではなく「根拠のある数字」で判断したいと思っています。識学では、部下の提案に対して、否定も肯定もせず、承認できる材料を待つというスタンスを取ることが推奨されています。
だからこそ、部下は「なぜ・どのくらい・いつまでに・どんな成果が見込めるのか」を明確に伝える必要があります。
5. 認識のズレが生む“提案のすれ違い”を防ぐ
部下:「これマルですよね?」/上司:「これはバツだよ」
――このようなすれ違いを防ぐには、評価指標(KPI)を先にすり合わせておくことが必要です。
支援会社やマネージャーが間に入る際は、「これを達成したらマル/未達ならバツ」と事前に共有するだけでも、提案内容の評価はスムーズになります。
6. 次回予告:外国人部下とのマネジメントに識学はどう効くか?
後編では、外国人メンバーのマネジメントに識学メソッドがどう活用できるのかを深掘りしていきます。ぜひ次回もご覧ください。