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広告運用者必見|TikTok広告のROIを最大化する実践テクニック

執筆者

佐藤 雄真 / Yuma Sato

プロフィール詳細

大学時代にフィリピン留学を経験し、異文化理解とコミュニケーション能力を磨く。卒業後は営業職や飲食業界での勤務を経て、ウェブマーケティングの世界に転身。現在は世界へボカンの広告運用チームに所属し、海外市場を対象としたGoogle、Meta、Pinterestなどの広告運用を担当している。大小さまざまな事業の広告運用を手掛け、事業者の視点に寄り添った戦略的なサポートを提供。異なる業界や市場ニーズに対応し、クライアントの成長を共に実現することに情熱を注いでいる。

TikTok広告の市場と可能性

TikTok広告は、若年層だけでなく30代以上にも届くようになり、購買行動に直結する媒体へと進化しています。

動画×音声の高い訴求力、長い視聴時間、そして精度の高いレコメンド機能により、TikTok広告は他のSNS広告と異なる強みを持ちます。

特にEC連携が進む中で、TikTokは「認知→興味→購買」を1つのアプリ内で完結できる点が、広告運用者にとって大きなチャンスとなっています。

 

TikTok広告の配信設計で成果が変わる理由

TikTok広告では、配信設計が成果を大きく左右します。
特に初期設計での設定ミスは、AIによる学習精度を下げ、パフォーマンス悪化の原因に。

成果を最大化するために意識すべきポイントは以下の通りです。

  • キャンペーン目的の設定
      コンバージョン重視か、トラフィック獲得か。目的に応じて最適化の方向性が大きく変わります。

  • 配信先(Placement)の選定
      TikTokのみか、Pangle*も含めるかでリーチ層や成果が異なります。

  • 入札戦略と日予算の設計
      加速配信と均等配信の選択、適切な入札額の設定がパフォーマンスの鍵です。

  • 広告フォーマットの選定
      In-Feed Adsは反応率が高く、TopView*は認知向けなど、目的に応じて選びましょう。

*Pangle(パングル)とは、TikTok For Businessが提供するモバイル広告プラットフォームで、TikTok以外のスマートフォンアプリ内に広告を配信できるアドネットワークです。
*TopView(トップビュー)とは、ユーザーがアプリを起動した際に最初に表示される、全画面・音声付きの動画広告です。

TikTokの配信最適化は、初期データの質が極めて重要です。1週目の設計でその後の成果が決まるため、広告運用者は戦略的に設計を行うことが求められます。

 

ROI最大化のためのターゲティング戦略

TikTok広告の特徴のひとつに、アルゴリズム主導のターゲティングがあります。

細かな興味関心を指定するよりも、クリエイティブや配信設計に基づいてAIが自動で「見込みの高いユーザー」へと最適化していく傾向が強いのが特徴です。

そのため、TikTok広告でROIを高めるには、ターゲティングを“広く取り、アルゴリズムに学習させる”アプローチが有効です。

ただし、これは「誰にでも配信していい」という意味ではありません。

以下のポイントを押さえておく必要があります:

  • カスタムオーディエンスの活用:自社の顧客データやLP訪問者などを元に類似オーディエンスを構築。

  • 地域・年齢・性別などの基本設定は絞る:広すぎる設定はAI学習に時間がかかりすぎ、CPAが高騰するリスク。

  • リターゲティングの設計:TikTok内で動画を3秒以上再生したユーザーなどをリマケ設定することで、CVRの高い層へ再アプローチ可能。

TikTok広告では「最初は広く、学習が進んだら徐々に絞っていく」という運用フローが基本です。
初期段階で絞りすぎると、AIが最適化できず、学習コストばかりが膨らんでしまいます。

 

クリエイティブの最適化と成功事例

TikTok広告で最も重要なのは、ユーザーの“スクロールを止める”ことができるクリエイティブ作りです。TikTokでは広告と通常投稿の違いがほとんどないため、広告感の強い動画はスキップされやすくなります。

成果を出すためのポイントは以下の通りです。

  • UGC風のトーンで制作
      ユーザー投稿に見えるような自然な構成・演出で、違和感なくタイムラインに溶け込む。

  • 冒頭3秒での引きつけ
      「あるある」「驚きの展開」「リアルな体験談」などで、視聴維持率をアップ。

  • 字幕・テロップを活用
      無音再生にも対応し、要点が伝わる設計に。

  • 1動画1メッセージの原則
      伝えるべき内容は1つに絞り、記憶に残りやすくする。

実際にあるコスメブランドでは、UGC風の体験談形式を取り入れたことでCPCを30%、CVRを50%改善した事例もあり、クリエイティブ改善の影響は非常に大きいです。

 

運用改善とABテストで差をつける方法

TikTok広告の運用では、初期配信後の“改善フェーズ”が勝負の分かれ目です。Meta広告やGoogle広告と同様、TikTokでも継続的なデータ分析と改善が求められます。

特にTikTokでは、ABテストの精度と頻度が成果を左右します。
以下のようなポイントでテストと改善を行うことで、広告効率を段階的に引き上げることが可能です。

  • クリエイティブのABテスト:サムネイルの違い、導入トーク、構成など小さな差異を検証。

  • CTAの文言・位置のテスト:どの表現が最もクリック率を上げるかを検証。

  • ターゲティングの見直し:性別、年齢、地域別で効果の差があるかをデータから分析。

  • 時間帯別・曜日別の成果検証:配信のタイミングを変えることでCTRやCVRに差が出ることも。

また、TikTokの特性として、クリエイティブ疲弊が早い点も意識すべきです。
定期的に動画のパターンを変えることで、広告効果を維持しやすくなります。

 

まとめ|TikTok広告は戦略的に使えばROIを最大化できる

TikTok広告は、縦型動画・音声付き・アルゴリズム主導という独自の特性を持つため、従来のSNS広告とはまったく異なる運用戦略が求められます。

本記事では、広告運用者が押さえておくべき以下の5つのポイントを紹介しました。

  1. TikTok広告の市場性と今後の可能性

  2. 初期の配信設計が成果を左右する理由

  3. AIを活かすターゲティング戦略でROIを最大化

  4. ユーザーの視線を止めるクリエイティブ設計

  5. ABテストと継続的な改善でパフォーマンス向上

TikTok広告は、適切な戦略をもって取り組めばCVR・CTRともに高いパフォーマンスが期待できる媒体です。
ただ配信するのではなく、「設計・運用・改善」を一貫して行うことで、成果を最大化できます。

広告運用者として、TikTokを“流行りのSNS”ではなく“結果を出せる広告媒体”として扱い、競合に差をつけていきましょう。

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