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売上アップに直結!Pinterest広告の運用ノウハウ

執筆者

佐藤 雄真 / Yuma Sato

プロフィール詳細

大学時代にフィリピン留学を経験し、異文化理解とコミュニケーション能力を磨く。卒業後は営業職や飲食業界での勤務を経て、ウェブマーケティングの世界に転身。現在は世界へボカンの広告運用チームに所属し、海外市場を対象としたGoogle、Meta、Pinterestなどの広告運用を担当している。大小さまざまな事業の広告運用を手掛け、事業者の視点に寄り添った戦略的なサポートを提供。異なる業界や市場ニーズに対応し、クライアントの成長を共に実現することに情熱を注いでいる。

Pinterest広告とは?なぜ今注目されているのか

Pinterest広告は、Pinterest内の検索結果やフィードに表示される画像・動画中心の広告です。
ユーザーに視覚的インスピレーションを与え、保存・クリック・購買へとスムーズに導く設計が特徴です。

他のSNS広告と最も異なるのは、ユーザーの「目的意識」です。
InstagramやFacebookが情報の“受け身”であるのに対し、Pinterestではユーザー自らが「探す」行動をとっています。
つまり、能動的に商品を探している状態で広告が表示されるため、成約率が高まりやすいのです。

またPinterestのユーザー層は、インテリア・レシピ・ファッション・ライフスタイルなどの分野に関心が高く、特にEC商品との親和性が非常に高いのも特徴です。

今後、特に中〜高価格帯の商品を扱うEC事業者や、女性向けライフスタイルブランドにとって、Pinterest広告は欠かせない集客手段になっていくでしょう。

広告フォーマットと配信方法の基本

Pinterest広告には、目的に応じて選べる複数のフォーマットが用意されています。
代表的なものは以下の通りです。

  • スタンダードピン広告:通常のピンに似た見た目で、自然にユーザーのフィードに溶け込む形式。初めての広告運用におすすめ。

  • 動画ピン広告:動きのあるコンテンツで視認性が高く、特にブランド訴求や商品紹介に適しています。

  • カルーセル広告:複数の画像をスライド形式で表示できるため、ストーリー性を持たせた訴求が可能です。

  • ショッピング広告:商品の価格やリンクが表示され、ECとの相性が抜群。Pinterestをそのまま購買導線として活用できます。

配信方法はMeta広告やGoogle広告に近く、「キャンペーン」「広告グループ」「広告(ピン)」という3階層で構成されています。

目的(例:トラフィック、コンバージョン、ブランド認知)を最初に設定し、それに応じた広告グループでターゲットを決定、最後にクリエイティブを登録して配信する流れです。

ターゲティングには「キーワード」「興味関心」「リターゲティング」などが利用可能。

特にPinterestでは検索されやすいキーワードをベースにした広告配信が成果に直結しやすく、SEO的な視点でのキーワード設計が大きな効果を発揮します。

入札戦略の選び方と考え方

Pinterest広告では、成果を最大化するために入札戦略の設計も非常に重要です。
Meta広告やGoogle広告に比べると自動最適化の機能は控えめでしたが、近年のアップデートにより選択肢が増え、成果改善の柔軟性が高まっています。

主な入札タイプ

1.最大クリック数(最大トラフィック)

・設定した予算内でできるだけ多くのクリックを獲得する戦略。
・新商品の露出やサイト流入を狙うフェーズに有効。

2.コンバージョン最適化

・購入や会員登録などのコンバージョンを最大化。
・Pinterestタグでコンバージョンが正確に計測されている場合に最も効果的。

3.カスタム入札

・広告主がクリック単価(CPC)を手動で設定。
・クリック単価の上限を管理しながら、効率よくトラフィックを取りたいときに有効。

運用のポイント

  • 初期は「最大クリック数」や「カスタム入札」でデータを集めつつ、コンバージョンの蓄積ができた段階で「コンバージョン最適化」に移行するのが理想的です。

  • コンバージョン最適化は、ある程度のCVボリューム(目安:過去7日で50CV以上)があるとPinterestのアルゴリズムが効果を発揮しやすくなります。

  • Performance+を活用する場合は、入札も自動最適化されるため、入札額の調整作業を省力化できます。

Pinterestの自動化キャンペーン「Performance+」については下記の記事で詳しく紹介しています。

Pinterestとは?|集客・売上アップに効くPinterestの使い方を成功事例付きで徹底紹介

Pinterest広告では、入札金額よりも「関連性」「ビジュアルの魅力」「エンゲージメント履歴」などのスコアが重要視される傾向があります。
つまり、高額入札よりも“保存される広告”を作るほうが、結果的にコストパフォーマンスが良くなるのです。

成果を出すためのクリエイティブ戦略

Pinterest広告で成果を上げるには、「保存したくなるビジュアル」「行動したくなる導線」が不可欠です。以下のポイントを意識したクリエイティブ制作が、クリック率やCVR(コンバージョン率)を大きく左右します。

1. 高品質で明るい画像が基本

Pinterestはビジュアル検索のSNSです。画像の第一印象でクリックされるかが決まります。背景は明るく、被写体は中心に配置。テキストを入れる場合も、画像を邪魔しないバランスが重要です。

2. 動画で目を引く+訴求力を高める

動画ピンは静止画よりも最大30%高いエンゲージメント率を持つと言われています。
短尺(6〜15秒)で、冒頭にブランド名や商品特徴を入れた構成が効果的です。

3. 明確なCTA(行動喚起)

「今すぐチェック」「人気商品を見る」「購入はこちら」など、行動を誘導するコピーを画像内またはテキスト欄に配置しましょう。
Pinterest広告では他の媒体同様、CTAをしっかり入れることで、CTR(クリック率)が格段にアップします。

4. 季節やトレンドを反映

Pinterestユーザーは「季節の準備」や「イベントのアイデア」を探していることが多いため、春・夏・秋・冬やバレンタイン・母の日といった季節テーマを取り入れた訴求が有効です。

Pinterestはクリエイティブが命。GoogleやMetaよりも“保存される価値”のある画像や動画が、長期的に拡散・リピートされるため、ここへの投資が最もリターンを生みます。

パフォーマンス改善のための運用ポイント

Pinterest広告を成果につなげるためには、「配信したら終わり」ではなく、継続的な改善がカギとなります。
以下のような指標の分析と改善施策が、効果的な運用につながります。

1. 押さえるべき主要指標

  • CTR(クリック率):広告の魅力やターゲティングの精度を測る指標。1.5%以上が目安。

  • 保存率:Pinterest特有のエンゲージメント指標。保存されることで、オーガニック拡散にもつながります。

  • CVR(コンバージョン率):広告クリック後、購入や登録に至った割合。LPや商品ページの最適化も含めて確認。

2. A/Bテストの活用

同じキャンペーン内で、異なる画像やテキストのクリエイティブを用意し、どちらがより成果を上げるかを検証します。
Pinterestでは、画像の構図や文字入れの有無で大きく反応が変わるため、継続的なテストが重要です。

3. フリークエンシー(表示回数)の管理

同じユーザーに何度も同じ広告を表示してしまうと、広告疲れを引き起こし、効果が低下します。
定期的なクリエイティブ更新や、除外設定でフリークエンシーをコントロールしましょう。

4. タグ設置とイベント設定で正確な計測を

Pinterestタグを正しく設置し、「Add to Cart」「Checkout」などのイベントを計測することで、広告効果の可視化と最適化が可能になります。

広告は出稿後こそが本番です。データを見ながら改善を重ねることで、Pinterest広告は長期的に大きな成果をもたらします。

成功事例とPinterest広告の今後の展望

成功事例①:ECアパレルブランド

アメリカのアパレルブランド「Everlane」は、Pinterest広告を活用して新作アイテムの認知を拡大。
シーズンごとのルックブック風クリエイティブで保存率を高め、ショッピング広告を通じて売上を1.3倍に伸ばしました。
特にPinterest内での検索キーワード(例:「summer capsule wardrobe」)を元にしたキーワードターゲティングが高い効果を示しています。

参照元:Panoramata – Everlaneのマーケティング戦略

成功事例②:DIY・ハンドメイド系ショップ

日本のハンドメイド資材EC「minne」では、Pinterest上で「ハンドメイドアイデア」や「ギフト包装」などの保存数が高いコンテンツを元に広告を展開。ユーザーが「保存 → 購入」まで自然に進む導線が評価され、CPA(顧客獲得単価)がMeta広告より30%低下しました。

他にも様々な成功事例があるので、興味のある方は下記の公式情報を参考にしてみてください。

参照元:Pinterest for Business – 成功事例

新機能「Performance+」にも注目

Pinterestは2024年から「Performance+」という自動最適化型の広告配信機能を本格展開。キャンペーン作成後、PinterestのAIが最適なクリエイティブやオーディエンスを自動で調整することで、初心者でも運用負荷を減らしつつ高い成果を上げられる設計です。

Pinterestの自動化キャンペーン「Performance+」については下記の記事で詳しく紹介しています。

Pinterestとは?|集客・売上アップに効くPinterestの使い方を成功事例付きで徹底紹介

今後の展望:Pinterestは“購買SNS”へ進化中

Pinterestは単なるアイデア探しの場から「発見から購入まで完結できるSNS」へと進化しています。
これにより、今後ますますEC連携・売上直結型の広告としての注目度が高まることが予想されます。

Pinterest広告は「中長期で資産になる広告」。
保存され続けるビジュアルコンテンツを育てることで、今後の集客チャネルとして強力な武器となるでしょう。

【まとめ】Pinterest広告は“資産型広告”としての可能性が広がっている

Pinterest広告は、他のSNSとは異なる“検索型プラットフォーム”である点が最大の特徴です。
ユーザーが目的を持って検索・保存・購買へ進むため、広告が自然に成果につながりやすい構造を持っています。

この記事では、広告フォーマットや配信の基本、成果を上げるクリエイティブ制作、運用で見るべき指標、そして実際の成功事例や今後の機能拡張までを総合的に解説しました。

とくに今後は、Pinterestが「見つける → 保存する → 買う」が完結する“購買SNS”として進化していく中で、EC事業者やブランドオーナーにとっての重要性はより高まるでしょう。Google広告やMeta広告に次ぐ「第3の運用型広告」として、今こそ活用を本格的に検討するタイミングです。

Pinterest広告は、ただの短期施策ではなく、保存され続けるビジュアル資産を育てるマーケティング手法
長く売れ続ける仕組みを作りたいマーケターにとって、強力な選択肢となるはずです。

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