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勝ちクリエイティブの作り方|制作前の分析と配信後の改善ポイント
- 2026.07.31
- 海外リスティング広告
広告クリエイティブを制作する際、競合広告を参考にしながら、なんとなく見栄えのよい素材を作っていないでしょうか。
成果につながるクリエイティブを継続的に生み出すためには、制作前に「誰に、何を、どのように伝えるか」を整理し、配信後は数値をもとに改善を重ねる必要があります。
また、成果のよかった広告をそのまま複製するだけでは、同じ結果を再現できるとは限りません。重要なのは、広告を構成する要素を分解し、どの要素が成果につながったのかを再現可能な勝ちパターンとして蓄積することです。
なお、本記事における「勝ちクリエイティブ」とは、単にCTRが高い広告ではありません。ECであればCPAやROAS、BtoBであれば有効問い合わせ数や商談化率など、案件ごとのKPIに対して継続的に成果を生み出している広告を指します。
本記事では、制作前に行いたい3C分析と、配信後のクリエイティブ改善方法について解説します。
目次
- 勝ちクリエイティブを作るために必要な2つの工程
- 制作前に行う3C分析
- 3C分析から訴求の仮説を作る
- 配信後のクリエイティブ分析
- CTRとCVRから改善方法を判断する
- 勝ちパターンを横展開する
- クリエイティブ以外の要因も確認する
- まとめ
こんな方におすすめ
- 広告クリエイティブを感覚的に制作しており、分析方法を整理したい方
- 競合広告を調査しても、自社の訴求へどう落とし込めばよいか分からない方
- 次に何を改善すべきか判断できない方
勝ちクリエイティブを作るために必要な2つの工程
勝ちクリエイティブを生み出すためには、大きく分けて2つの工程があります。
1つ目は、制作前に自社、競合、顧客を分析し、訴求の仮説を作ることです。
2つ目は、配信後の結果から成果につながった要素と改善すべき要素を整理し、次の制作へ反映することです。
制作前の分析が不十分なままでは、誰に何を伝える広告なのかが曖昧になります。一方、配信後に数値を確認するだけで終わってしまうと、次回に活かせる知見が蓄積されません。
そのため、制作前の仮説設計と、配信後の検証を一つのサイクルとして回すことが重要です。
制作前に行う3C分析
制作前には、以下の3つの視点から情報を整理します。
- Company:自社商品が提供できる価値
- Competitor:競合の訴求と市場内でのポジション
- Customer:顧客像、顧客の悩みと購入・導入を妨げている理由
3C分析の目的は、情報を集めること自体ではありません。
最終的に、誰に、どの価値を、どのような表現で伝えるかを決めることが目的です。
Company|自社商品の訴求材料を整理する
まず、自社の商品やサービスについて、広告で伝えられる情報を洗い出します。
EC商材だけでなく、BtoB商品やサービスでも、次のような項目から整理できます。
|
分析項目 |
確認する内容 |
|
価格・オファー |
価格、割引、セット販売、初回特典、契約条件 |
|
機能・効果 |
解決できる課題、導入・使用による変化 |
|
使用感・使いやすさ |
操作性、着用感、導入負担、メンテナンス性 |
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安心・安全 |
品質管理、保証、返品対応、サポート体制 |
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信頼・実績 |
販売実績、導入事例、受賞歴、レビュー |
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素材・製造方法 |
素材、構造、製造工程、独自技術 |
|
ブランド |
開発背景、専門性、ブランドストーリー |
|
購入・導入条件 |
納期、送料、最低注文数、導入フロー |
この段階では、洗い出した情報をすべて一つの広告に入れる必要はありません。
例えば「高機能」「高品質」といった表現だけでは、競合商品との違いが伝わりにくい場合があります。
なぜその機能を実現できるのか、使用後に何が変わるのか、どのような実績があるのかまで掘り下げることで、具体的な訴求へ変換できます。
BtoB商材の場合は、性能だけでなく、導入工数、既存設備との互換性、コスト削減効果、納期、サポート体制なども重要な判断材料になります。
ただし、自社が強みだと考えていることと、顧客が実際に購入理由として重視するポイントは必ずしも一致しません。Company分析だけで結論を出さず、競合や顧客の情報と照らし合わせることが大切です。
Competitor|競合の表現と市場内のポジションを確認する
競合分析では、商品機能や価格だけでなく、広告上でどのように価値を伝えているかを確認します。
クリエイティブ調査には、以下のようなサービスを活用できます。
- Meta広告ライブラリ
- Google広告の透明性に関するページ
- Foreplayなどのクリエイティブ収集サービス
主に確認したいポイントは次の通りです。
- どの顧客層に向けて発信しているか
- どの悩みやニーズを取り上げているか
- 機能、価格、デザインなど、何を購入理由としているか
- 人物、商品、テキスト、使用シーンのどれを目立たせているか
- 静止画、動画、比較、実演、口コミなど、どの表現を使っているか
- どの広告が長期間配信されているか
競合広告を調べる目的は、デザインやコピーをそのまま真似することではありません。
競合各社が同じ訴求を使用している場合、その訴求に一定の市場需要がある可能性があります。一方で、どの企業も似た内容を伝えているのであれば、自社の独自性を出しにくい領域でもあります。
競合が伝えている価値と、自社だけが伝えられる価値を整理し、市場内でどのポジションを取るかを考えましょう。
Customer|顧客が「買わない理由」を深掘りする
Customer分析では、年齢、性別、職業などのペルソナを設定するだけで終わらせないことが重要です。
特に確認したいのは、次の3点です。
- 現在の生活や、使用している商品・サービスにどのような不満や不便を感じているのか
- ニーズがあるにもかかわらず、なぜ現在は購入・導入していないのか
- 商品がどのような条件を満たせば、購入・導入したいと思うのか
購入を妨げる理由は、価格だけではありません。
- 効果が本当にあるのか分からない
- 競合商品との違いが分からない
- 使用方法や導入方法が難しそう
- 自分にも合うか不安
- 購入後のサポートが心配
- 今すぐ購入する必要性を感じていない
こうした不安や障壁を把握することで、単なる商品紹介ではなく、購入を後押しする訴求を作りやすくなります。
顧客理解には、以下の情報が役立ちます。
- 自社・競合商品のレビュー
- SNS上の投稿
- 問い合わせやカスタマーサポートの記録
- 営業担当者が把握している失注理由
- 購入者・未購入者へのインタビュー
- ECサイトの離脱ページやよくある質問
実際のユーザーインタビューをすぐに実施することが難しい場合は、AIに具体的な顧客像を設定し、仮想インタビューを行う方法もあります。
その際は、単に「この商品のターゲットは何を求めていますか」と質問するのではなく、年齢、職業、生活環境、現在使用している商品、抱えている悩み、購入経験などの条件を具体的に設定します。
さらに、Who・What・When・Where・Why・Howの5W1Hを意識して質問を設計することで、どのような人が、どの場面で、何に不満を感じ、なぜ購入に至っていないのかを深掘りできます。
例えば、購入経験者、未購入者、競合商品利用者など、複数の立場を設定し、「なぜ買わないのか」「何があれば購入したいか」を質問することで、新しい仮説を得られます。
ただし、AIの回答は実際の顧客調査の代わりではありません。あくまで仮説を広げ、その後レビューや広告データ、実際のインタビューで検証するために活用します。
3C分析から訴求の仮説を作る
3C分析を行った後は、情報を次の形に整理します。
誰に対して、どの悩みや障壁を、どの価値によって解決すると伝えるか
例えば、「高機能な商品」とだけ伝えるのではなく、次のように具体化します。
既存商品では十分な効果を感じられなかった人に対し、独自構造によって不満を解決できることを実演動画で伝える
BtoB商材であれば、以下のような仮説が考えられます。
現在の素材では重量と耐久性の両立に課題を感じている設計担当者に対し、新素材による軽量化と耐久性を試験データで伝える
同じ商品でも、伝える相手や解消したい障壁によって、適切なクリエイティブは変わります。
そのため、制作前に訴求仮説を明確にし、配信後に何を検証するのかを決めておくことが重要です。
配信後のクリエイティブ分析
配信後は、色やフォントといった細かなデザインだけを見るのではなく、まずクリエイティブを大きく3つの軸に分けて整理します。
ビジュアルの主役
素材を見たときに、最も視線を集めている要素です。
- 商品
- 人物
- テキスト
- 使用シーン
見せ方
商品価値をどのような形式で伝えているかを整理します。
- 着用・使用イメージ
- 商品詳細
- 比較
- 実験・実演
- 口コミ・レビュー
- 製造工程
- 教育・解説
- 店舗・導入事例
切り口
ユーザーにどのような理由で商品価値を伝えているかを整理します。
- 機能
- デザイン・使用感
- 悩み
- 季節・イベント
- 価格・セール
- ブランド・信頼
- 不安解消
- おすすめ
- 新商品・限定
例えば、同じ「人物を主役にした着用動画」でも、スタイルを見せる広告と、機能を説明する広告では、ユーザーに伝えている価値が異なります。
3つの軸に分けることで、「この動画がよかった」で終わらず、次の制作でも残すべき要素を判断しやすくなります。
CTRとCVRから改善方法を判断する
配信後の結果は、CTRとCVRを組み合わせて見ることで、改善方向を整理しやすくなります。
|
結果 |
考えられる状態 |
改善の方向性 |
|
CTR・CVRともに高い |
表現と訴求が機能している |
勝ちパターンとして横展開する |
|
CTRが高くCVRが低い |
興味は引けているが購入につながらない |
広告と遷移先、価格、導線を確認する |
|
CTRが低くCVRが高い |
訴求は有効だが表現が弱い |
訴求を残してビジュアルやコピーを変更する |
|
CTR・CVRともに低い |
訴求と表現が合っていない可能性 |
仮説を見直す、または配信を停止する |
CTRが高く、CVRが低い場合
広告には興味を持たれているものの、クリック後に離脱している状態です。
広告で伝えている内容と商品ページの内容が一致しているか、価格、送料、購入導線などに問題がないかを確認します。
また、広告表現が過度に期待を高め、購入意欲の低いクリックを集めていないかも確認が必要です。
CTRが低く、CVRが高い場合
広告をクリックしたユーザーは購入しているため、訴求内容やターゲットとの相性は悪くないと考えられます。
この場合は、機能や悩みなどの訴求軸を残しつつ、冒頭のビジュアル、キャッチコピー、動画構成などを変更し、クリックされやすい表現を検証します。
CTR・CVRともに低い場合
表現と訴求の両方が、ターゲットに合っていない可能性があります。
同じクリエイティブを細かく修正し続けるよりも、3C分析で設定したターゲットや顧客課題から見直した方がよいケースもあります。
ただし、配信量が少ない場合は判断を急がず、十分なデータが集まっているかを確認しましょう。
勝ちパターンを横展開する
成果のよいクリエイティブが見つかった場合は、広告全体をそのまま複製するのではなく、どの要素が成果につながったのかを分解します。
例えば、「人物」「着用イメージ」「機能訴求」の組み合わせが好調だった場合、次のように一部だけを変更します。
- 人物と着用イメージを残し、切り口を悩み訴求に変える
- 機能訴求を残し、静止画から実演動画に変える
- 構成を残し、モデルや使用シーンを変える
- 同じ訴求で、キャッチコピーだけを変更する
一度にすべての要素を変更すると、何が結果に影響したのか分からなくなります。
成果のよい要素を残しながら、一つずつ新しい要素を試すことで、再現性のある勝ちパターンを蓄積しやすくなります。
また、勝ちパターンは永続的に成果が続くとは限りません。配信期間が長くなり、同じユーザーへの表示回数が増えると、広告疲労によってCTRやCVRが低下することがあります。
訴求軸は残しながら、モデル、構成、冒頭の見せ方などを定期的に更新することも必要です。
クリエイティブ以外の要因も確認する
CTRやCVRが悪い場合でも、原因がクリエイティブだけにあるとは限りません。
- ターゲティング
- 配信面
- CPM
- 商品価格
- セールの有無
- 在庫状況
- Webサイトの使いやすさ
- 計測環境
こうした条件によっても成果は変化します。
例えばCTRが前月より低下していても、競争激化によって配信されるユーザー層が変わっている可能性があります。CVRが低下している場合も、送料の変更や在庫切れ、サイト表示速度などが影響しているかもしれません。
また、配信金額やクリック数が少ない段階では、一件のCVによって結果が大きく変わります。クリエイティブを比較する際は、一定の配信量があり、できるだけ同じ条件で比較できているかを確認しましょう。
まとめ
勝ちクリエイティブは、制作担当者の感覚だけで生まれるものではありません。
制作前には3C分析を行い、以下を整理します。
- 自社が提供できる価値
- 競合が市場で伝えている価値
- 顧客が抱える悩みと購入しない理由
そのうえで、「誰に、どの価値を、どのような表現で伝えるか」という仮説を作ります。
配信後は、クリエイティブを以下の3つの軸に分けて分析します。
- ビジュアルの主役
- 見せ方
- 切り口
CTRやCVRから改善方向を判断し、成果のよい要素を残しながら、一部ずつ新しい表現を検証していきます。
重要なのは、成果のよい広告をそのまま増やすことではありません。
成果につながった理由を分解し、再現可能な勝ちパターンとして蓄積することが、継続的なクリエイティブ改善につながります。
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