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越境ECのGoogle広告、ショッピング広告とPMaxどちらを選ぶべき?
- 2026.09.02
- 海外リスティング広告
EC事業でGoogle広告を運用していると、「Googleショッピング広告とPMax、どちらを使うべきなのか?」という疑問が出てきます。
この問いに「どちらが正解」と一律に答えることはできません。商品の特性、広告予算、コンバージョンデータ、現在の広告パフォーマンス、そして今後どこまで事業を成長させたいのかによって、適したキャンペーンは変わります。
重要なのは、「どちらが優れているか」ではなく、「自社にとってどちらが利益を生みながら成長できるか」という視点です。
Googleショッピング広告とPMaxの違い
まず、大きな違いは広告を届ける範囲です。
Googleショッピング広告
ショッピング広告は、Google検索やショッピングタブなどで、商品画像・商品名・価格などを表示します。すでに商品を探しているユーザーにアプローチできるため、購入意向の高いユーザーを獲得しやすいことが特徴です。また、商品や商品グループごとにキャンペーンを構成し、予算や入札を比較的細かく管理できます。そのため、広告予算を特定の商品やカテゴリーに集中させたい場合に適しています。
PMax
PMaxはショッピング広告だけではありません。Google検索、ショッピング、YouTube、ディスプレイ、Discover、Gmailなど、Googleの複数の広告面を横断してユーザーにアプローチできます。そのため、商品を検索しているユーザーだけでなく、購入を検討しているユーザーや、過去にサイトを訪問したユーザーなど、より広い範囲にリーチできます。
シンプルに考えると、ショッピング広告=購入意向の高いユーザーへの集中 PMax=より広いユーザーへのリーチとスケールという違いがあります。
重要なのは「どちらか」ではなく、利益を維持してスケールできるか
ショッピング広告では、予算を増やすにつれてCPCが上昇するケースがあります。購入意向の高いユーザーには限りがあるため、広告費を増やすほど、これまでと同じ効率で獲得できるクリックが少なくなることがあります。
一方、PMaxでも別の形でスケールの壁に当たることがあります。特定の商品や一部の機会に予算が集中し、さらに予算を増やすと、新しい商品やユーザーへ配信を広げる必要が生じ、結果として効率が低下する場合があります。
そのため、「成果が落ちたから別のキャンペーンに変更する」と考える前に、現在のアカウントを確認することが重要です。
キャンペーンを変更する前に確認したい3つのポイント
- Googleはどこに予算を使っているか?
特にPMaxでは、ショッピング、YouTube、ディスプレイなど、どのチャネルに予算が配分されているかを確認します。PMaxではチャネル別のパフォーマンスを確認できるため、実際にどこへ予算が流れているのかを分析できます。
「PMaxだから何に使われているかわからない」と考えるのではなく、まず実際の配分を見ることが重要です。
- どの商品に予算が集中しているか?
複数の商品を扱っている場合、広告費が一部の商品に偏っていることがあります。その場合、単純にキャンペーン全体の予算を増やすのではなく、「まだ十分に予算が使われていない、成果の良い商品はないか?」を確認します。
必要に応じて、商品カテゴリーや商品単位でキャンペーンを分けることで、別の成長機会を作れる場合があります。ただし、キャンペーン数を増やせば成果が上がるわけではありません。データ量と予算を考慮しながら、必要な部分だけを分けることが重要です。
- 追加予算は本当に追加売上につながっているか?
ROASだけを見るのではなく、「次の1円を広告に投資したとき、どれだけ追加の売上・利益が生まれるのか?」を見ることが重要です。
広告費を増やして売上が増えていても、利益率が大きく低下しているのであれば、それは必ずしも良いスケールとは言えません。
ショッピング広告を選ぶべきケース
次のような場合は、ショッピング広告が適しています。
- 購入意向の高いユーザーに集中したい 商品をすでに検索しているユーザーを中心に獲得したい場合。
- 広告予算をコントロールしたい 特定の商品やカテゴリーに予算を集中させたい場合。
- まだコンバージョンデータが少ない Google広告を始めたばかりで、まず購入データを蓄積したい場合。Google広告のヘルプでは、一般的なスマート自動入札戦略は月間30件以上、目標広告費用対効果(Target ROAS)を使う場合は50件以上のコンバージョンが蓄積された状態での運用が推奨されています。
- 安定した運用を優先したい より限定された広告環境で、予算と商品を管理したい場合にも向いています。
PMaxを選ぶべきケース
一方、PMaxは次のようなケースで検討する価値があります。
- ショッピング広告だけでは成長しにくくなってきた すでに一定のショッピング需要を獲得しており、さらに新しいユーザーへリーチしたい場合。
- より大きな規模を狙いたい Googleの複数の広告面を活用し、ショッピング以外にも獲得機会を広げたい場合。
- コンバージョンデータが十分にある PMaxは自動入札・機械学習を活用するため、一定量の信頼できるデータがあるアカウントほど活用しやすくなります。
- リマーケティングも含めて運用したい PMaxはGoogleの複数の広告面を活用できるため、サイト訪問者などへのリマーケティングを含めた運用にも適しています。
「ショッピング+PMax」という選択肢もある
実際には、どちらか一方だけを選ぶ必要はありません。
例えば、ショッピング広告で購入意向の高いユーザーを獲得しながら、PMaxで新しいユーザーや追加の需要を取りに行くという組み合わせも可能です。
また、すでにPMaxが良い成果を出しているのであれば、無理にショッピング広告へ移行する必要はありません。逆に、ショッピング広告のほうが安定して利益を生み出しているのであれば、PMaxへ変更する必要もありません。
大切なのは、キャンペーンの種類ではなく、それぞれがどのような役割を果たし、追加予算に対してどれだけ利益を生み出しているかです。
実際の事例:北米向けEC事業者のケース
弊社がサポートしているクライアントの一社に、アメリカ・カナダ市場に向けて専門性の高い工具関連商品を販売するEC事業者があります。取り扱う商品群には、単品カテゴリーに加えて、複数アイテムをまとめた比較的単価の高いセット商品も含まれています。
このアカウントでは、まずショッピング広告のみでGoogle広告の運用をスタートしました。どのカテゴリー・キーワードで反応が良いかを見極めながらコンバージョンデータをある程度蓄積し、そのうえでPMaxを追加するという流れをとっています。記事の中で触れた「ショッピング広告でデータを貯めてからPMaxをテストする」という考え方を、実際の運用の中で実践したケースです。
ショッピング広告だけで運用していた時期に見えてきた壁
運用初期、ショッピング広告のROASは5倍台〜6倍台と非常に良好なスタートでした。ところが、商品構成や予算配分を大きく変えていないにもかかわらず、運用を続けるうちにインプレッション数が徐々に減少し、最終的には初期の半分以下の水準まで縮小しました。これに伴って獲得件数も同じペースで減少し、CPA(獲得単価)は2倍台後半から3倍台後半(同じ桁のまま約1.3倍)へと上昇、CVRも4%台から3%台へと緩やかに低下しています。
この傾向は、記事内で触れた「購入意向の高いユーザーの母数には限りがある」という状態に近づいているサインでした。
PMaxを追加した後の変化
そこでこのアカウントでは、商品ラインナップのうち比較的検索されやすい単品カテゴリーを中心にPMaxを追加しました。一方で、単価の高いセット商品については当面ショッピング広告のみでの運用を継続し、あえてPMaxの対象からは外しています。まずは効果を検証しやすい範囲に絞ってテストするという判断です。
PMax開始直後は、学習期特有の傾向がはっきりと表れました。CVRは1%未満、CPAはショッピング広告の2倍以上、ROASも1倍台〜2倍程度にとどまり、単体の効率だけを見ればショッピング広告に軍配が上がる状態です。
ただし重要なのは、この単体の効率だけで良し悪しを判断しないことです。PMax開始後、ショッピング広告とPMaxを合わせたインプレッション数は、ショッピング広告単体でのピーク時と比べて1倍台〜1.2倍程度まで回復・拡大しました。ショッピング広告だけでは頭打ちになっていたリーチが、PMaxの追加によって再び広がり始めたということです。
このケースからわかること
このケースが示しているのは、「PMaxのROASが低いから失敗」でも「ショッピング広告のROASが高いから正解」でもないということです。ショッピング広告が購入意向の高いユーザーへの集中とデータ蓄積の役割を担い、PMaxがその先のリーチ拡大とスケールの役割を担うという、記事内で紹介した役割分担が、実際のアカウントの中でもそのまま当てはまっていました。
まとめ
Googleショッピング広告は購入意向の高いユーザーへの集中とコントロール、PMaxはより広いリーチとスケールに強みがあります。
どちらを選ぶかは、キャンペーンの種類ではなく、どこに予算が使われ、どの商品・チャネルが利益を生み、追加予算でさらに成長できるかで判断することが重要です。
「ショッピングかPMaxか」ではなく、「次の広告費をどこに投資すれば、より利益を伸ばせるか」。
この視点でキャンペーンを評価し、必要に応じて運用方法を見直していくことが、持続的な成長につながります。
出典と注意点
※1 Google広告ヘルプ「スマート自動入札について」 https://support.google.com/google-ads/answer/7065882 一般的なスマート自動入札戦略は月間30件以上、目標広告費用対効果(Target ROAS)は50件以上のコンバージョンでの運用が推奨されている旨の記載に基づく。
※2 Google広告ヘルプ「Performance Max キャンペーンについて」https://support.google.com/google-ads/answer/10724817 PMaxがGoogle検索・ディスプレイ・YouTube・Discover・Gmail・マップを含むGoogle広告インベントリ全体に配信される点の一次情報。
本記事中の「実際によくあるパターン」は、特定のクライアントの実績データではなく、複数アカウントに共通して見られる一般的な傾向をもとにした説明です。上記の仕様・推奨値は変更される可能性があるため、実際の運用判断の際は最新のGoogle公式ヘルプもあわせてご確認ください。
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