対談
Interview
この記事では、メールマガジンの秘訣についてご紹介します。
【Dotdigital Japan カントリーマネージャー 上崎理会子氏】
Shopifyが日本進出した際の立ち上げメンバーを経て、MAツールDotdigitalのカントリーマネージャーに就任。
【世界へボカン株式会社 代表取締役 徳田 祐希】
日本の魅力を世界へ伝えるというミッションの元、13年以上にわたり、多国籍メンバーと共に越境EC、海外BtoBマーケティングに取り組む。
越境EC企業の年商を35億→500億、14.7倍の成長を導くなど数多くの実績を残す。
Shopifyマーケティングエキスパート。
世界へボカン株式会社 徳田祐希(以下:徳田)
こんにちは、世界へボカンの徳田です!
本日もdotdigitalの上崎さんに、知っているようで知らないメールマガジンの秘訣についてお話を伺いたいと思います。よろしくお願いいたします!
Dotdigital Japan カントリーマネージャー 上崎理会子氏(以下:上崎氏)
よろしくお願いいたします!
徳田
前回のお話の中で少し触れていただいた、一斉配信の危険性について伺います。これはやっていらっしゃる方が結構多いのではないでしょうか。
上崎氏
ありがとうございます!
そうなんです、わりと皆さん一斉配信をやっていらっしゃるところが多いんです。具体的なリスクや、メールがどのような道のりをたどってメールのインボックスに届いているかをご説明いたします。
上崎氏
まず、メールを一斉配信した場合のリスクについてです。全顧客に対して同じ内容を一斉に、例えば9時に配信しますと、まず、開封率が下がってしまう可能性がございます。
前回お話させていただいたように、お客様が受け取りたいコンテンツを受け取りたい時間にちゃんとお届けすることによってコンバージョンが上がり、ロイヤルカスタマーが増えます。しかし一斉配信の場合、事業者様サイドが伝えたい情報が強く出る傾向がございます。例えば「キャンペーンをやるので絶対見てくださいね」「この商品絶対買ってみてくださいね」といった内容を送り続けてしまうと開封率がグッと下がります。
上崎氏
お客様にメールを送っても開封やクリックなどのエンゲージメントがなければ、MAツールはそれをソフトバウンスとみなします。さらに、ソフトバウンスを何回か繰り返すとハードバウンスの抑制されたリストに入ってしまうんです。
抑制されたリストに入ってしまうと、そもそもメールが送られなくなるケースがほとんどです。もし今お使いのMAツールで、抑制されたハードバウンスしているリストにもメールが配信されている場合、それもまたリスクになります。
ハードバウンスしている方は、メールが開封されないという過去のデータがあるか、メールアドレスが有効ではなくなった場合がほとんどです。メール送信時にレピュテーションという数値があり、それが高いとちゃんとメールが届き、低いとメールが届かなくなってしまうのですが、ハードバウンスの方に送り続けているとレピュテーションがどんどん下がっていくんです。そうなると、ちゃんとメールを開封してくれる方にもメールが届かなくなるリスクが発生します。
徳田
なるほど。だからリストを分けたり、ユーザーの好みに合わせてメールを配信しなければならないんですね。
上崎氏
おっしゃる通りです。
そこでセグメントを切ることがとても重要な意味を持ってきます。コンバージョンを上げるためであることはもちろん、実は裏側でレピュテーションにも大きく影響してきます。お客様に合った内容を合った時間に配信することによって、開封率・コンバージョンが取れると同時に、レピュテーションがどんどん上がっていくんです。
上崎氏
まとめますと、一斉配信をするリスクというのは、
・開封率やコンバージョンが下がる
・メルマガ配信をブロックされる
・レピュテーションが下がってしまい届くはずのメールが届かなくなってしまうかもしれない
という3つが挙げられます。
上崎氏
上記のマップは、メールがどういう道のりをたどってメールボックスに届いているのかという認証プロセスになっております。
メール配信時、ほとんどのMAツールは配信のパーセントを共有してくれるのですが、だいたい98~99%になるかと思います。ただ一番大事になってくるのは、MBP(メールボックスプロバイダー)にどれくらいのメールが届いているのかという数字です。
例えばGmailに対してメルマガ配信すると、まずGmailにそのメールが届き、GmailのMBPがGmailのアドレスにメールを届けてくれ、そのメールを私共が毎日見ているわけです。
一斉配信をずっと行ってレピュテーションが下がってしまうと、MBPに届かなくなるリスクが非常に高くなってまいります。
徳田
なるほど。各MBPに対してのレピュテーションが下がってしまうということでしょうか。
上崎氏
おっしゃる通りです。
全体的なレピュテーションというのがございまして、特に日本のキャリアはとても厳しいです。他の条件も関わってきますが、初めてMAツールを使ってメルマガ配信をするときに何万件も一斉にGmailに対して送ってしまうと、最悪の場合ブラックリストに載ることがあります。ブラックリストに載ってしまうとGmailの方にメールが届かなくなってしまうので、致命的な状況になってしまいます。
徳田
僕らはオムニセンドやクラビオなどをよく使うのですが、レピュテーションスコアを知ることができるのでしょうか?
上崎氏
レピュテーションスコアに関しては、ほとんどのMAツールで共有できかねるデータとなっていると思います。
弊社の強みのひとつに、MBPに届くまでの透明性というものがあります。どこでどういう問題が起こっているのかをある程度把握できるようになっているんですね。レピュテーションが下がってしまった、もしくはメールが届かなくなったときに、なぜ届かなくなってしまったのか、すぐに原因究明をすることができます。
上崎氏
さらに、配信チームにて「こういうことが起こっているかもしれない」という仮説を立てさせていただき、それが起こらないように配信方法の提案や「セグメントを切って送っていきましょう」といったコンサルティングをさせていただきます。
他社のIPを借りて配信している場合、このあたりの透明性が見えなくなっているんですね。レピュテーションの値は、MBPにメールが届いている確率に直結してまいりますので、そこを把握できなくなってしまいます。
徳田
通常は、配信数と開封率という結果がわかっていても、プロセスがどうなってるかがわからないんですね。
上崎氏
おっしゃる通りです。
例えば1000人にメールを送り、99%メールが配信できたとしても、99%のうちどれくらいのメールがMBPに届いているのかは不明です。実はMBPに10%しか届いていなかったとしたら、開封率が20%あったとしても、実際のコンバージョンはかなり低くなります。
上崎氏
メールが99%配信され、99%のうち100%がMBPに届き、20%の開封率であった場合と比べると、ROIが全然違ってきますよね。
メールが届いているかどうかという数字に直接関わってくることですので、弊社ではMBPにどれくらいメールが届いたのかという数字を管理画面の中で開示しております。安心材料にしていただきたいのはもちろん、やはりどれくらいのROIが取れているかというのはどれくらいのメールが到達したかというところと直結してきますので、このような形になってます。
徳田
MBPに届くか届かないかは、自分たちが配信しているメールスタンドのレピュテーションスコアに左右されるんですね。多くのMAツールでは、そこのデータが見えず、配信数と開封率しか見えないため、どこに改善の余地があるかがわかりませんし、もしレピュテーションスコアが損なわれていたとしてもわからないですよね
これは、MBPごとに見ることができるのでしょうか?
上崎氏
わかります。
徳田
すごいですね!
例えば、Gmailで今ブラックリスト化している可能性があるから、Gmailにコンタクトをとってホワイトリストに戻してもらうというアクションが取れるということですね。
徳田
大量のリストがあり担当者の負担が大きいために一斉配信をしている場合、ドコモやソフトバンク、auといったキャリアに大量に配信していると、先ほどお話いただいたようなリスクがあります。メールがMBPに届いているかどうか等を確認して改善やコンサルティングをすることで、レピュテーションスコアを復活させて配信し、費用対効果を戻すことができるかもしれない、ということでしょうか。
上崎氏
おっしゃる通りです!
徳田
ではリストを大量に持っていて一斉送信してしまっているところは、一度Dotdigitalさんにチェックしていただくといいかもしれませんね。
上崎氏
事業者様からのお問い合わせで、「サポートにメールが届いてないというクレームが来ています」というご相談が増えてきているように思います。中を見てみると、一斉配信をされていらっしゃったり、お客様に合ったコンテンツを合った時間に配信されていないケースというのが多くあります。そこを改善していくために、前回お話させていただいた、実店舗の顧客体験をMAに落とし込んだ設定をしていただくと、レピュテーションが自然に上がっていきます。
改善の余地はたくさんあるのではないでしょうか。
徳田
なるほど。今のスタンドだとメールが届いているかどうかがわからず、クレームの原因となっていたりレピュテーションスコアが悪かったりするときは、dotdigitalさんへのリプレイスも検討した方が良いかもしれませんね。
上崎氏
現状、そういった理由で検討されている方が非常に多いですね。
徳田
メールマーケティングは「リストを溜めて送るだけ」と思われがちですが、前回、CRMの各プロセスに関するお話でもあったように「知っているようで知らない」ことが多く、改善できる部分がたくさんありますね。顧客とのタッチポイントですので、最適化し費用対効果を上げることに時間をかける価値があると思いました。
上崎氏
まさにおっしゃっていただいた通り、時間をかけることが実はとても大切です。レピュレーションも1日や2日で上がるものではなく、じっくり上げていくところです。
MAは即費用対効果が見えるかと言うとそうではなく、じわじわ伸びていくものでして、それも実店舗とよく似ているのではないかと思うんですよね。初めてのお店でたくさん購入してくださる方はレアケースで、実店舗のスタッフの方とお客様との関係性を深めていく中で信頼を勝ち取り、購入につながっていきます。MAもまったく同じです。人間の心理の働き方は実店舗もMAも同じですので、じっくりと関係性を温めていただいてコンバージョンにつなげていただくというのが本当は正しいやり方です。
徳田
メールマーケティングをやりたい・もっと売上を伸ばしていきたいものの、どこから手をつけて良いかわからない方や、CRMのツールを使いこなせていない方はぜひ一度上崎さんに相談いただければと思いました。
本日は貴重なお話をありがとうございました!
上崎氏
ありがとうございました!
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