対談
Interview
この記事では、SNSマーケティングの7つの鉄則についてご紹介します。
【GiftX,inc 代表取締役 いいたかゆうた氏】
「ひとの温かみを宿した進化を。」をテーマに、2023年にGiftXを共同創業し、新しい価値を提供。
選び直せるソーシャルギフトGIFTFULを運営。
【世界へボカン株式会社 代表取締役 徳田 祐希】
日本の魅力を世界へ伝えるというミッションの元、13年以上にわたり、多国籍メンバーと共に越境EC、海外BtoBマーケティングに取り組む。
越境EC企業の年商を35億→500億、14.7倍の成長を導くなど数多くの実績を残す。
Shopifyマーケティングエキスパート。
世界へボカン株式会社 徳田祐希(以下:徳田)
こんにちは、世界へボカンの徳田です!
本日はGiftXの代表取締役である飯高さんに、SNSマーケティングの7つの鉄則についてお話を伺いたいと思います。よろしくお願いします!
まずは簡単に自己紹介をお願いします。
GiftX,inc 代表取締役 いいたかゆうた氏(以下:いいたか氏)
GiftX,inc 代表取締役のいいたかゆうたです。
いろいろと会社を転々としていますので割愛しますが、ずっとマーケやデジタルの業界に従事しております。今回の「SNSマーケティング7つの鉄則」の内容にも関連しているのですが、前職は株式会社ホットリンクというSNSの支援事業をやっている会社に2019年からジョインし、CMOという立場でやらさせていただいていました。
そういった中で、私の処女作である「僕らはSNSでものを買う」という書籍し、UGCの重要性やSNSにおける購買モデル・ULSSASについてお伝えしてきており、そのタイミングで今回の書籍の話をいただきました。
私個人としては、昨年の6月にGiftXという会社を創業しまして、今までやってきたこととは一切関係のないギフトという領域で、受け取り手が選び直せるソーシャルギフトサービスのGIFTFULを今年の4月にリリースしました。
そちらの事業とは別に、今まで培ってきたマーケティングやデジタル、セールスといった領域について多くの方にお伝えするために、いくつかの会社さんの支援をしております。
いいたか氏
ホットリンクにいるとき、ULSSASの本の他にもInstagramやバズの起点についての本を出したりと、いろんな書物やメディアで多くのことを語ってきたのですが、UGCの重要性についてはまだ一部の方々にしか知られていないのが現状でして……
いいたか氏
もっと企業の担当者の方に「"中の人"の世界だけでは通用しないよ」ということをご理解いただくためには、書籍を通じて伝えることが大事だよね、といった話を、ホットリンク在籍中の2021年頃からしていました。
そんな中、日経BPさんが興味を持ってくださいました。今まで言語化はしていたものの伝えきれていなかったり、エビデンスの量が足りなかったりした部分もありましたが、書籍にするとなると全部に対してエビデンスが必要ですし、すべてをちゃんと線でつなげなくてはいけません。それをやることによって一気に理解が深まるというわけではないのですが、TwitterがXに関わってアルゴリズムが変化したりと様々な問題がある中でも、本質は変わらないということを改めてちゃんと伝えたいという思いがありました。今回の書籍を書いた背景としては、その点が一番大きいです。
徳田
インハウスの方や支援会社の方、両方にそういった部分をお伝えしていきたい、という感じでしょうか?
いいたか氏
そうですね。
インハウスで悩んでいる方もそうですし、支援している中でも、やはりフォロワー数やエンゲージといったわかりやすいところに走ってしまう部分があると思います。しかし、やはりマーケティングというのは結局は自分たちの売上やお客様の売上を伸ばすことでして……
いいたか氏
そこから目を離してはいけないとなると、もっと手前の数字ではないところ、本質を見ることが重要であるということを再度認識していただき、それが明日への行動となってくれると非常にうれしく思います。
徳田
今回、鉄則が7つ紹介されていて、なんでもかんでもSNSで問題解決するわけではないということを強く感じました。それぞれ解説をお願いできればと思います。
徳田
鉄則2「言及在庫メソッド」がUGCを爆増させるでは、UGCが発生しやすいジャンルとそうではないジャンルがあるという話がありましたが、このあたりを解説いただいてもよろしいですか?
いいたか氏
言及在庫メソッドは、今回初めて公に出しました。今までも、ULSSASというモデルがある中でどういった企業がSNSと相性が良いのかというのは、前提としてお伝えはしていました。それをさらにブレイクダウンしたものを、言及在庫メソッドと言っています。
まず、どういう企業が口コミが出やすいのか・出づらいのか、整理する必要があると思っていました。今回の配信を視聴されている方はECに従事している方も多いと思いますので、ECについてお話しすると……まず、単品通販系のメーカーECですね。
いいたか氏
昨今、いろんなD2Cがあると思いますが、単品の場合、商品がひとつですから、それが話題になる文脈というのは少ないんですね。そのため、コンテンツとして飽きが出てきてしまうので、SNS単体というよりは、もっとコンテンツマーケティングと絡み合わせて、コンテンツ自体がディストリビューションされるとか、あとはコミュニケーションとしてどう設計するかが重要になってきます。
いいたか氏
一方、ユニクロや#FR2など、多くの商品を持っているメーカーのECであれば、例えば冬に「ユニクロでヒートテックを買った」など、話題になる文脈が非常に多いため、SNSとの相性が良いです。
また、単品のリテールECでもアフィリエイトなどがありますが、そもそも商品自体の口コミがすごく売上に直結しにくいんですよね。
いいたか氏
この場合は買い物に関するクチコミ創出がとても有益になるのですが、メーカーで商品が多いところと比べると難しいかもしれません。
AmazonやZOZOのようなブリッジ系のサイトについても、もちろん買い物に関するクチコミ創出が有効です。ZOZOさんのすごいところは、ユーザーが「ZOZOで買った」と言ってくれるんですよね。
いいたか氏
しかし、ブリッジ系のサイトの中でも、引っ越しや転職に関するサービスは、基本的にSNSと相性が非常に悪いでんす。引っ越しをしても、どこの不動産屋を使って引っ越したのかといった話はしませんよね。
いいたか氏
そんな中で、UGCの戦略や施策実行については、言及在庫メソッドから紐解けると我々は思っています。
仮に、自分が担当する商品のトピックの量と質について、何がハードルになっているのかを考えます。コンプレックス系ですとここが出づらいですし、そもそも大前提として「良いもの」であることが必要ですからそこも考えなくてはなりません。また、フィジカル面やメンタル面のハードルもあります。
自社製品のハードルについて、どのように考えるかというと、まず、トピックの総量が決まっています。それを言及在庫という場所に入庫する、と考えるんです。入庫したものが回っていって、このハードルを飛び越えれば、結果、UGCが出ますよね。今回の書籍も、SNS黒本というハッシュタグを動かしているのですが……
いいたか氏
この本を読んだことで何を学んだのかを伝えたくなるかもしれませんし、読んだ人が何を学んだのかを知ったり、勧められたことで買ったりと、フィジカル面でもメンタル面でもハードルが低くなります。それがUGCの発生につながります。また、僕がそういった発信を見つけたら、すぐにリツイートするのですが、そうすると拡散ネットワーク上にどんどん入っていくんですよね。
ひとつのツイートが他の場所に入っていって、InstagramやTik Tokで紹介されるなどレコメンデーションのネットワークにも入っていくと、次にそれを見た人がまた自分も買ったとか欲しいという発信をしてくれます。そこでまたUGCが生まれ、在庫に入庫される、という考え方なんです。
徳田
確かに。
僕、飯高さんのFacebookをきっかけにYouTubeを撮っていますね。
いいたか氏
そうですよね、今回のこの件もまさにそうですね。
今までの本では相性についてのみ伝えていましたが、これをもっとブレイクダウンして考えたときにどんなハードルがあるのかをまとめる必要性があると考えて、今回、このあたりについて書いていきました。
書籍の中では、実際にどういったクラスターでコミュニティが出てるのかを考えるときにはソーシャルリスニングの分析を入れた方が良い、といった話も書いています。また、商品変動型か商品不変型かという観点で、商品文脈でいろいろあるものは出やすい、という考えですね。
例えばカップヌードルなんかで1プロダクトだとすごく口コミが出づらくなっていますし、コモディティ化されている商材、つまり、常にコンビニやドラッグストアで陳列されていて価格帯の競争がかなり激化されているような場合、わざわざ「〇〇ナウ」と言わないので口コミが出づらいです。
いいたか氏
その場合、商品不変型のときには、書籍で伝えているものですと、漫画の例やインフルエンサーの使い方なんかを挙げているのですが、なかなか単品としては出づらいです。
これはコンテンツマーケティングになってくるのですが、ここで違う形のコンテンツを作ることによって、どうディストリビューションするか、つまり、これをまた入庫させるという意味合いになるのですが、口コミが出づらい商品であってもコミュニケーション文脈で口コミを作るという考え方というのが重要になるかと思います。
徳田
自分たちの商品に関して、UGCがなかなか生まれないことにお悩みの方は、この本と照らし合わせて、どこに分類されるのか、どういった文脈でシェアされるような形が作れるのか、というのを考えるヒントになりそうですね。
いいたか氏
そうですね。自分がユーザーとなって見てみると、とてもわかりやすいと思います。
口コミでも、まずは商品やサービスの文脈のUGCが一番良いですよね。もう買った人か買おうと思ってる人の口コミを読んで「このSNS本、めちゃくちゃ良いじゃん」となるような。
でもそれはやはり在庫が限られているんですよね。マーケットが一気に広がるわけではなく、たとえばECなんかでも、一定のお客さんはいるもののなかなか増えないものです。
ここの在庫を増やすことはできませんから、そういった場合のコミュニケーションの文脈というのは、もっと大きい派生のところですね。
いいたか氏
例えば耳猫のCMってかわいいよねといった言及がされていると、どん兵衛だな、と商品が想起されているというのは、コミュニケーション文脈によるUGCの出し方の一例です。
本当は製品サービスの魅力を一番取りたいものの、それを伸ばすためにコミュニケーションを膨らませて考えるとなると、支援している企業さんもSNSをやってる企業さんも、フォロー・RTキャンペーンをやりたがってしまうんですよね。わかりやすいので。でも、本当はそれに対してライブ配信をしたりして、それをトリガーとして商品の申し込みができるようにしなくてはなりませんし、UGCがティザーと本番でれぐらい出るのか、というところだったり、サステインに入ってからどうやって口コミを伸ばすか、というところも考えるなど、コミュニケーション文脈については実はいろいろとキーになるところがあるのではないかと考えています。
徳田
なるほど!
コミュニケーション文脈でどうUGCを増やすかというのを考えるのもなかなか難しいですよね。本の中にも、商品サービス文脈とコミュニケーション文脈についての図がありますが、このような文脈でUGCを広げることができるんだというヒントになって良かったと思いました。
前編では、この本を書いた背景や第2章について解説していただので、後編では第5章と第7章も含めて解説していただければと思います。
本日は貴重なお話いただきありがとうございました!
いいたか氏
ありがとうございました!
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