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EC担当者は知らないと損!ECサイトの発注スキルの伸ばし方

「EC担当者が知っておきたい ECサイトの発注スキルの伸ばし方」YouTube動画はこちら

この記事を読んで分かること

この記事を読むことで、ECサイトの発注スキルを伸ばす方法がわかります。

世界へボカン株式会社 代表取締役 徳田祐希 略歴

日本の魅力を世界へ伝えるというミッションの元、15年以上にわたり、
多国籍メンバーと共に越境EC、海外BtoBマーケティングに取り組む。
越境EC企業の年商を35億→500億、14.7倍の成長を導くなど数多くの実績を残す。
Shopifyマーケティングエキスパート。

EC担当者が知っておきたい ECサイトの発注スキルの伸ばし方

どうも徳田です。本日も海外WEBマーケティングを学んでいきましょう!
本日はECサイトの発注スキルを伸ばす方法についてお話をしたいと思います。

最近お客様から、以下のようなご相談をいただくことがあります。

「海外向けサイト作ったのになかなか売れません」
「全然引き合いが来ません」「アクセス伸びません」

正直そんな時は「なんでうちに制作を依頼してくれなかったんだ……」と思ってしまうんですけれども。(笑)
また支援事業者さんに対して、「なんでこんなサイトを作っちゃうかな」とガッカリするというか、悲しい気持ちになることも多いです。

お客様としては、自社のなけなしのお金を投資して、しっかり回収するために海外向けサイトを作っているのに、僕らが「これは売れないでしょ」と思ってしまうようなサイトができているケースも少なくありません。

 

支援事業者さんに対して思うことも色々とありますが、今回は「依頼する側・発注する側のスキルを向上することもできるんじゃないか?」という観点で、サイトの発注スキルについてお話できればなと思います。

 

依頼の抽象度が高いと、制作されたサイトも抽象度の高いものになってしまいますし、どんな要件で海外向けサイトを作れば良いのかを発注する方自身が分かっていないと、うまく発注できない傾向があります。

 

そのあたりのヒントもお伝えしますので、越境ECサイトの発注や自社制作に今回の内容を活かしていただけると嬉しいです。

1. 要件定義をする

まず1つ目、要件定義をする。
当たり前のことですが、まずはどんどん要件をブレイクダウンしていくことが重要です。

  1. 目的
  2. 現状
  3. 目標
  4. ターゲット顧客は誰なのか
  5. WEBサイトの役割は何なのか

ということをしっかり定義して、「現状と目標との差をどうやって埋めるのか?」を考えていきます。それがWEBサイトのリニューアルなのか、コンテンツの改善なのか、どうしていくことが最善かを考えてみてください。


WEBサイトをリニューアルすること、越境ECサイトを作ること自体が目的になってしまっている企業も非常に多くみられます。
ただただトップページ、商品一覧、商品詳細ページを含む一般的なECサイトを作っても、売れるものでなければ売れないですし、きちんと説明しなければ売れない訳です。

 

Shopifyで越境ECサイトを作れば売れる訳ではない、戦略的にサイトを構築していく必要があるということを認識していただければと思います。

例えば「海外の売上を伸ばす」という目的があったとします。
現状だと、日本語サイトで約50万円の売上があって、ワールドショッピングビズなどのサービスを利用して、海外からのアクセスも来て売れている。
そこで海外向けの販売を開始し、月100万円の売上を実現したいとしましょう。

 

上記のようなケースで英語サイトを制作を発注された場合、日本語サイトを翻訳して英語ページを作り、そこに対してコンバージョンレートを上げるということと、英語の検索クエリ・検索キーワードも獲得して売上を伸ばしていくという方針になると思います。

 

なので既存サイトがShopifyでなければ、既存のサイトのミラー版という形で英語版ページを作るような提案になったりします。
「既存のリソースも活かしながら、どう投資すれば一番目標を達成できるのか」を考えていいただけると良いと思います。

現状日本語サイトに海外からアクセスが来ていて50万円を達成している、その売上を倍にしたいというだけであれば、すでに買っている人たちが買いやすくするという「明確層向けの施策」と、まだ買っていないもののこれから買ってくれる可能性のある「顕在層向けの施策」を考えることで達成できる見込みがあるということですね。

2. 売上を分解して考える

2つ目のポイントは、売上を分解して考えるということです。

 

たとえば自社の現状が以下の通りだったとします。

  • 売上:10万円
  • アクセス数:2000件
  • 成約率:0.5%
  • 客単価:1万円

これをもっと伸ばしたい、売上を100万にしたい場合、どんな絵が描けるでしょうか。

目標売上を達成するには、ひとつのストーリーとして成約率を上げるということとアクセスを伸ばすということの両方が考えられるかなと思います。

 

単純にアクセスを伸ばすのではなく、成約率を改善しなければならない。
アクセスを伸ばすことで、よりニーズが顕在化していない層も取っていかなければならない。
それにはこういうコンテンツが必要だ、と思考していきます。

また成約率の基準値を1%としたときに、現状の成約率が低ければ「なにが足りていないのか」「どんなコンテンツが必要なのか」を考えます。

 

単純に英語サイトを作ったり、既存サイトをリニューアルすれば良い訳ではなく、現状としてどんな課題があって、そこを解決するためにどんな制作・リニューアルを行う必要があるのか?と考えることを忘れないようにしてください。

ターゲット顧客層についても理解しておきましょう。

  • 明確層(自社のことを知っている)
  • 顕在層(自社のことは知らないが購買意欲がある)
  • 準顕在層(まだ悩みや課題が購買意欲になっていない)
  • 潜在層(これからニーズを持つ可能性がある)

このように、ターゲット顧客は4つに分類することができます。

 

先ほどの、すでに日本語サイトで50万円の売上が立っている例でいうと、そのブランドには明確層が50万円分いると言える訳です。よって目標達成のためには、その下の顕在層、準顕在層を獲得してプラス50万円伸ばしていく必要があります。

 

そのためには、これからは自社のことを知らないけれどその商品に対するニーズを持っている人や、その商品が自分の悩みや課題を解決してくれるとまだ気づいていない方向けにアプローチしなければなりません。よって今ある情報だけだと不足している可能性が高い訳ですね。
ターゲットの悩みや願望と自社商材とをつなげるコンテンツや、競合他社と比較したときになぜ自社が良いのかという”選ばれる理由”を明確にしたコンテンツが必要になってきます。

このように、ターゲット層によって伝えるべき情報が変わってきます
上に行けば上に行くほど受注確度が高まるぶん、母数は限られてきますし、下に行けば下に行くほど母数は増えるものの受注確度は下がっていきます。

 

売上目標がかなり高かったり、必要なアクセス数が多かったりすると、どんどんターゲット層を広げていかなければなりません。
ターゲット層を広げていくと、必然的に伝えるべき情報もどんどん増えていきますので、「単純にアクセスを増やせば売上が伸びるわけじゃない」「アクセス数・成約率・客単価をどうやってバランスよく伸ばしていけるか」という視点を忘れないようにしていただければと思います。

どんな目標をどのくらいの期間で達成する必要があるのかについては、マーケティング担当の方とその上長や経営者の方とでしっかりと話し合う必要があります。

 

結構、「1年で売上目標1億円達成してください」のような無理めな目標が上から降りてきという話も聞きますが、アクセス数・成約率・客単価を考えた時に、その目標が現実的にありえるのか?ということを考える必要があります。

特に国内の年商が100億円規模だったりするような企業ですと「1億円くらい簡単に行くでしょ」と思われがちなんですが、新しい市場を開拓する=新しいビジネスを創り出すという視点で考えてみてください。

 

そうなると、1億円作るのって結構難しいことなんですね。
国内だとニーズがマッチしやすかったり、認知が十分に取れている状態を作れていても、海外に対して新しくビジネスを始める場合はニーズの調査からしないといけないですし、海外顧客に響く訴求方法も把握しなければなりません。

 

支援事業者を選ぶ際も、現実的な目標設定を勧めてくれる事業者さん、どうやったら目的・目を達成できるのか一緒に考えてくれる事業者さんを選んでいただけると良いと思います。
単純に「Shopifyでとりあえずサイト作りましょう」「助成金を使えば、100万円でサイト作れますよ!」と言ってくる事業者さんには注意が必要です。

3. 情報収集をする

3つ目のポイントは、情報収集をすることです。

今回のお話をするにあたり、かばんのエースの北山様という方から色々と情報をいただいたのですが、Google検索で見つけた支援事業者を当たっていくだけではなく、普段からTwitterやnoteなどをチェックして、支援事業者はもちろん事業会社同士で「こういうことやりたいんだけど、どこの支援事業者さんが良いかな」と相談できるようなコネクションを持つことが重要だと仰っていました。

事業者側の方がよく仰ることとして、「自分が社内では一番詳しいので、なかなか壁打ちができない」ということがあります。そのような場合は他の事業者さんのインハウス担当同士で壁打ちをしたり、僕らのような越境EC・WEBマーケティングに長けた会社と壁打ちをしていただくと良いと思います。
壁打ちを通して、自分たちが実現したいことが本当に現実的なのか?実際それを達成するためにはどんな要件が必要なのか?を考えていけると、うまくいくんじゃないかなと思います。

あとはセミナーに参加するなどして、自分自身のWEBマーケティングに関する知識やノウハウを高めていくことも、発注スキルを上げるためにはとても重要です。


例えば越境ECサイトを作る際も、Shopifyでサイトを作れば売れるという訳ではありません。Shopifyは越境ECを始めるうえで一番適したカートではありますが、当然戦略が必要ですし、売れる仕組みづくり・買いたい気持ちづくりのための一つ一つの仕組みが必要です。

 

100万円投資したら1億円になって返ってくるような、打ち出の小槌のようなことはなく、売れる商品があって売れるサイトがあって、売れるようなしっかりとした集客ができて初めて売れるようになります

 

売上を上げるためには、「海外で全く新しい事業を作る」という気持ちで、しっかりと調査を行った上で進めていくことをお勧めします。

あとは、「有名企業=目的を達成できる企業とは限らない」ということもお伝えしておきたいと思います。

 

「この会社に依頼すれば間違いない」と思って依頼される方も多いと思いますが、それと同等もしくはそれ以上に、”誰が担当するか”ということもとても重要です。

有名企業の中でも色んなレベル感があって、すごく優秀な人やそうでもない人もいる訳です。自分自身が依頼する担当者さんがどんな経歴でどんな実績のある方なのかをしっかり把握するようにしましょう。

 

すごい会社に依頼したけど、実際に担当についたのは新卒の方で、全然うまくいかなかったというご相談もよくいただきます。
特に自社が発注する際のコストですね。どうしても費用があまり出せない場合は、支援事業者側でもエース級の人材はアサインできないことがあります。

 

どの企業に依頼するかよりも、誰が担当するのかということを重視して支援事業者さんを選ぶことをお勧めします。

企業にも得意分野があり、デザインに強い事業者さんもあればや開発、マーケティング、EC運用など企業ごとに強みが変わってきます。

 

僕らは海外WEBマーケティングに長けている会社なので、調査戦略立案や海外向けサイトの構築、そのプロモーションまでワンストップで対応できるということがということが強みだと言えます。

そんな風に、自社の強みが明確になっている企業に依頼することをお勧めします。

 

依頼しようとしている支援事業者さんが、本当に自社の目標を実現できる会社かどうか見るためには、実現したいことに近い事例を持っているかを確認すると良いと思います。
またその事例について、実際にどれだけの売上があがったのか、どんな課題に対してどんな施策を行ったのか、という質問実際に作ってからどれだけ売上が上がったのかを質問していただけると、その事業者さんの手腕や強みが見えてくる可能性が高いです。

よく僕らがお話させていただいている「価値のマトリクス」というフレームワークがありますが、「売れるものを売る」ビジネスと「売りたいものを売る」ビジネスとでは、マーケティングの難易度が大きく異なります
すでに世の中に認知されているものを売ることが得意な事業者さんと、まだ認知されていないものに対してしっかりと売れる仕組みづくり・欲しい気持ちづくりを行って“売れるようにする”ことを得意とする事業者さんがいます。

 

自社の商材がどちらに分類されるのかにもよって、相性の良い支援事業者さんも変わってきます。
またブログやYouTubeなど、支援事業者さんが発信している情報をチェックすると、「ここの会社はこういうことが得意なんだな」ということが見えてくると思います。

4. 話しやすい担当者を選ぶ

4つ目については、もはや気持ち的な問題ではあるんですけど、話がしやすい担当者さんを選ぶことも重要なポイントです。

 

結構、上から目線の担当者さんや、言われたことをそのままやるだけの担当者さんがいらっしゃったりしますが、本来事業会社と支援事業者との関係は対等であるはずです。

自社が実現したいことに対して、「それならこういう風にやった方が良いですよ」と意見してくれたりとか、時には「そのやり方だとうまくいかないと思います」と真摯なアドバイスをしてくれるような担当者さんを選びましょう。
レスポンスが早い。質問に対して誠実かつ的確に回答してくれる。
コミュニケーションの取りやすさも発注のしやすさや成果物のクオリティに大きく作用します。

 

また注意点していただきたいのが、「自分たちが支援事業者を選定しているように、支援事業者側も支援する企業を選定している」ということです。

 

横柄な態度をとっていたり、ヒアリングシートをきちんと書かなかったり、予算があまりにも少なかったりすると、支援事業者側から断られてしまうことも少なくありません。
またイケてる会社であればあるほど、問い合わせも沢山来ている訳なので、当然、他案件よりも条件や担当者の対応が悪い場合は断られてしまいます。

5. 価格だけを購買決定要因にしない

最後のポイントは、価格だけを購買決定要因にしないということです。

 

予算が限られている中、どうしても金額が安い企業に依頼したくなるケースは多いと思いますが、支援事業者の実績、体制、専門性、レスポンスの速さ、担当者との相性、要件定義のクオリティなどを総合的に見て判断するようにしましょう。

 

例えば越境ECサイトで成功するためには、調査戦略立案、越境ECサイトの制作、海外WEBプロモーションをワンストップでやる必要があります。
そこを包括的に支援してくれる支援事業者さんを選んでいただきたいですし、もちろん当社はそのような差サービスを提供していますので、海外向けサイトを構築する際にはお声がけいただければと思います。

支援事業社さんを選ぶということは結構大変ですが、選んで発注してからがスタートです。
実際にサイトを制作したりプロモーション施策を打ったりと、中長期的なお付き合いをすることになる相手なので、一定の時間をかけて慎重に選ぶ必要があります。

 

もちろん、僕らのような支援会社側としては、短期間で決めていただけた方が嬉しいですが……(笑)
それでもやっぱり、色んな会社にご相談いただいて、その中で最終的に「ここだ!」と思う会社を選んでいただきたいですね。

そうして選んだ会社と一緒にやっていき、御社の越境ビジネスを成功へ導いていただけたらと思います。

 

ここまでお読みいただき、ありがとうございました!

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投稿者: 徳田 祐希 / Tokuda Yuki
世界へボカン株式会社 代表取締役
イギリス留学を経て、海外WEBマーケティングを行う企業に入社。
外国人マーケターと共に海外WEBマーケティングチームを牽引する。
特に英語サイトのSEOに精通し、東京だけでなく、新潟、京都、大阪、名古屋、福岡等、日本全国を飛び回り、クライアントと膝を突き合わせ、WEBコンサルティングを行うスタイルを得意とする。
海外WEBコンサルティングで、アフリカ向け中古車輸出企業の売上を30億円から500億円に導く等、中古車輸出、製造業、不動産関連のプロジェクトで数多くの実績を残す。
2014年8月に世界へボカン株式会社を設立。
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