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Pinterestマーケティングガイド|集客・売上アップに効く使い方とは?

Pinterestマーケティングガイド|集客・売上アップに効く使い方とは?

執筆者

佐藤 雄真 / Yuma Sato

プロフィール詳細

大学時代にフィリピン留学を経験し、異文化理解とコミュニケーション能力を磨く。卒業後は営業職や飲食業界での勤務を経て、ウェブマーケティングの世界に転身。現在は世界へボカンの広告運用チームに所属し、海外市場を対象としたGoogle、Meta、Pinterestなどの広告運用を担当している。大小さまざまな事業の広告運用を手掛け、事業者の視点に寄り添った戦略的なサポートを提供。異なる業界や市場ニーズに対応し、クライアントの成長を共に実現することに情熱を注いでいる。

Pinterestとは?

ビジネスシーンにおけるPinterestの基本理解

Pinterestとは?
ビジネスシーンにおける基本理解

Pinterestは、画像や動画を通じてアイデアを「検索・保存・行動」につなげるビジュアル検索エンジンです。

一般的なSNSとは異なり、情報発信よりもアイデアの発見と蓄積に重点を置いており、ユーザーは目的を持って検索し、商品やサービスの比較・検討を深めます。

主な利用目的は「インテリア」「ファッション」「レシピ」「旅行」「ライフスタイル」などの情報収集を行い、その後購買フェーズに進みます。
つまりPinterestユーザーは購買行動に近いフェーズにあるのが特徴です。

こうした行動パターンは、商品やサービスの認知を広げていきたいマーケターにとって、非常に魅力的なターゲット層となります。

また、近年は女性ユーザーだけでなく、男性や若年層にも利用が広がっており、多様な業種での活用が可能になっています。

参考:Pinterestユーザーデータ

・Pinterestユーザーの約30%が男性
 → 男性ユーザーは「ガジェット」「DIY」「車」などのカテゴリで利用増加

・Z世代(18〜24歳)の利用者が前年比+30%以上の成長
 → 自己表現やライフスタイル重視のカテゴリが特に人気
 
・Pinterest経由で商品購入経験があるユーザー:約80%(米国)
 → 保存→検討→購入という導線が自然に構築されている

・月間アクティブユーザー:4億6,300万人(2024年Q4時点)
 → グローバルではモバイル経由が中心、日本でもECとの親和性が拡大

参照元:
Pinterest公式:オーディエンスインサイト
Pinterest公式:Z 世代への効果的なアプローチ方法

Pinterestがマーケティングに効果的な理由

Pinterestがマーケティングに効果的な理由
出典:business.pinterest.com

Pinterestがマーケティングにおいて効果的な理由は、大きく3つあります。

1. 検索エンジン型プラットフォームである

まず1つ目は、Pinterestが検索型プラットフォームである点です。
ユーザーは「春コーデ アイデア」「ペット用品 収納」など具体的なキーワードで検索し、興味のある画像(ピン)を発見します。
これは、受け身の情報接触が中心の他SNSとは異なり、ニーズが顕在化しているユーザーにリーチできる大きな強みです。

2. コンテンツの寿命が長く、資産型マーケティングに最適

2つ目は、Pinterestに投稿したピンが長期間にわたって検索結果に表示され続けること。Instagramのように数日で流れてしまう投稿とは違い、Pinterestではコンテンツの寿命が長く、資産型のマーケティングが実現できます。

3. ユーザーの「保存」行動が購買導線につながる

そして3つ目は、ユーザーの「保存」という行動。
お気に入りのピンを保存することで、商品やブランドへの興味を長期的に保持してくれるため、じっくり検討する高単価商材にも適しています。

 

Pinterestビジネスアカウントの活用と設定方法

Pinterestで成果を上げるには、まずビジネスアカウントを作成しましょう。
ビジネスアカウントはアクセス解析・広告配信・リンクの設定など、マーケティングに必要な機能が使えるようになります。

アカウント開設後は、以下の3つのポイントを押さえることで、運用の土台が整います。

1. プロフィールの整備

ブランドの世界観や強みが伝わる自己紹介文を記載し、公式サイトへのリンクを設定しましょう。
プロフィール画像もブランドロゴなどで統一感を持たせると効果的です。

2. ボード設計

Pinterestでは、情報を「ボード」という単位で整理します。
これはテーマごとのフォルダのような役割を果たし、ユーザーにとっても探しやすい構造になります。

「カテゴリ別の情報整理」がPinterestの特徴であるため、検索されやすいキーワード(例:「収納アイデア」「夏のコーディネート」など)を使い、目的別にボードを構成しましょう。

3. ピンの作成とSEO対策

ピンには縦長の高品質な画像(1000×1500px推奨)を使い、タイトルと説明文に関連キーワードを自然に含めることで検索性を高めます。
リンク先として商品ページやブログ記事を設定することで、Pinterestからの流入をサイトに誘導できます。

 

Pinterestの効果的な運用戦略とコンテンツの最適化

Pinterestの効果的な運用戦略とコンテンツの最適化
出典:business.pinterest.com

Pinterestマーケティングで成果を上げるためには、戦略的な投稿設計と継続的な運用がカギとなります。

1. 保存・クリックされるピンを作る

縦長で目立つ画像(推奨:1000×1500px)を使う
・目を引くキャッチコピー(例:「5分でできる収納アイデア」)を画像内に記載
・ブランドカラーやフォントを統一し、一目で「あなたのブランド」と分かる世界観をつくる

2. 定期的な投稿とアルゴリズム対策

Pinterestは投稿頻度が高いアカウントを優遇する傾向があります。
週2〜3回程度の更新を目安に、曜日や時間帯も分散させて投稿しましょう。

3. データ分析でPDCAを回す

Pinterestアナリティクスを活用して、「保存数」「クリック数」「表示回数」などを確認し、反応の良いピンやボードを把握します。
データに基づいて改善を続けることで、フォロワーの増加や流入数の最大化につながります。

 

Pinterest広告と他チャネルとの連携

Pinterestは、オーガニック投稿(自然投稿)に加えて他チャネルとの連携や有料広告(Pinterest Ads)の運用も可能です。

ここでは、Pinterest広告の特徴と、他の集客チャネルとの相乗効果を最大化する方法について簡単に解説していきます。

1. Pinterest広告の主な種類と特徴

Pinterest Adsは、目的に応じて以下のフォーマットを選べます。

スタンダードピン広告:1枚の静止画で訴求する基本的な広告。商品の魅力を視覚的に伝えるのに最適。

カルーセル広告:複数の画像をスライド形式で表示。ストーリー性や複数商品の訴求に効果的。

動画広告:視覚的インパクトが強く、ブランド紹介やHow-to系に向いている。

ショッピング広告:商品情報が直接表示され、ユーザーはそのまま購入ページに遷移できる。

これらはすべて、ユーザーの検索キーワード・興味・行動履歴に基づいて表示され、ニーズが顕在化しているユーザーへの高精度なリターゲティングが可能です。

2. チャネル連携で成果を最大化

Pinterestは他の集客施策と連動させることで効果を飛躍的に高めることができます。特に以下のような併用施策が有効です。

 Instagram × Pinterest

・Instagramで「興味喚起 → フォロー・ファン化」
・Pinterestで「情報保存・比較検討 → サイト訪問・購入」
  → 感情に訴えるInstagramと、検索意図に対応するPinterestの補完関係を活かした設計が効果的です。

InstagramとPinterestを連携するとInstagramに投稿をした際に、自動でピンとしてPinterestにも投稿できるようになります。

Google広告 × Pinterest

・Google検索で訪問したユーザーをPinterestピクセルでリターゲティング
・Pinterest経由の流入をGoogle Analyticsで追跡し、コンバージョン計測も可能
 → 異なる検索チャネルを横断的に活用し、顧客の比較・検討プロセスを分析することができます。

メルマガ・LINEなどのCRM連携

・ユーザーが保存したピン内容を分析し、傾向に応じてメールやLINEで関連情報をリマインド送信
 → 顧客ごとの関心テーマに沿ったパーソナライズ施策との相性も抜群です。

3. 分析と改善で広告効果を最大化

Pinterest Ads Managerでは、以下のような指標を使って広告効果を細かく分析できます。

・表示回数・クリック数・保存数
・ウェブサイトの流入数・購入数(Pinterestタグで計測可能)
・デモグラフィック(性別・年代・エリア)やデバイス別データ

これらを活用して、A/Bテスト・ターゲティングの最適化・ピンデザインの改善を繰り返すことで、広告投資のパフォーマンスを着実に向上させることができます。

 

Pinterest活用事例|マーケターが参考にしたい成功パターン3選

事例①:IKEA(家具・インテリア業界)

Pinterest活用事例|マーケターが参考にしたい成功パターン3選 事例①:IKEA(家具・インテリア業界)

目的:ブランド認知向上・カタログ的役割
IKEAはPinterest上に商品カテゴリ別のボードを作成し、「収納アイデア」「小さな部屋のレイアウト」「DIYテクニック」など、暮らしのインスピレーションを与える形でピンを構成しています。
単なる商品紹介ではなく、ユーザーの生活シーンを想像させるビジュアル設計が保存数の増加につながっています。
また、ピン経由で公式ECサイトへの流入を促し、カタログ的な役割も果たしています。

Pinterestアカウント:IKEA

 

事例②:HIS Japan(旅行業界)

Pinterest活用事例|マーケターが参考にしたい成功パターン3選 事例②:HIS Japan(旅行業界)

目的:トレンド提案
旅行会社であるHISの公式アカウントです。オウンドメディアのコンテンツから、旅先の風景やイベントの様子、いろいろな国の料理などの画像をピンとして掲載しています。
画像のURLをクリックすると、その画像が入った記事に遷移することができます。

この景色を見たい、この料理を食べたいという視覚情報からも興味を持つことが多い旅行は、画像からインスピレーションを得るPinterestとの親和性が高いと言えます。

Pinterestアカウント:HIS Japan

 

事例③:山崎実業株式会社(インテリア・雑貨業界)

Pinterest活用事例|マーケターが参考にしたい成功パターン3選 事例③:山崎実業株式会社(インテリア・雑貨業界)

目的:商品拡散
インテリア・雑貨・キッチン用品などの商品を販売する山崎実業。
主に動画を使い、商品やその使い方を簡単に紹介しています。便利でありながら、生活の中に自然に溶け込むようなおしゃれ雑貨を探している人の目に留まりそうなピンです。

Pinterestアカウント:山崎実業株式会社

 

Pinterest活用事例から学べるポイント

  • 「商品」ではなく「アイデア・活用シーン」を訴求する

  • Pinterestの検索性を活かしたキーワード設計

  • ビジュアルとテキストの両面から価値を伝える

Pinterestは商品を「売り込む」場所ではなく、ユーザーに発見してもらい、保存され、行動を起こさせる場です。これらの成功事例から、自社にも応用可能なヒントが見つかるはずです。

 

まとめ:Pinterestは“検索×ビジュアル”の新たな集客チャネル

まとめ:Pinterestは“検索×ビジュアル”の新たな集客チャネル

Pinterestは、SNSと検索エンジンの強みを併せ持つ次世代型のマーケティングツールです。ユーザーの多くは「何かを探している」段階にあるため、ピンを通じてブランドや商品の世界観を視覚的に伝えることで、購買行動へと自然に誘導することができます。

本記事で紹介したように、
・ビジネスアカウントの活用
・検索に強いピン設計
・定期運用と分析の実践
・Pinterest広告の活用
・他チャネルとの連携戦略

といったポイントを押さえることで、Pinterestは単なる画像投稿ツールではなく、中長期的な集客・売上アップにつながる資産型メディアとして活用できます。

今後のデジタル戦略において、「検索で選ばれるブランド」を目指すなら、Pinterestの導入・最適化は有効な一手となるでしょう。

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