海外マーケティングブログ
越境ECの海外展開事例|日本の野球用品を本場アメリカへ。フィールドフォースが挑む「ジャパニーズクリエーション」
- 2026.08.24
- 海外展開対談
世界へボカンでは、海外へ挑戦する日本企業の経営者・担当者の方に、海外展開の背景や実際の取り組み、そこから得られた気づき、今後の展望を伺う「企業対談シリーズ」をお届けしています。
成功した取り組みだけではなく、実際に海外へ挑戦する中で直面した課題や試行錯誤も含め、現場のリアルな声をご紹介しています。
今回は、株式会社フィールドフォース様のアメリカ市場への挑戦です。
フィールドフォース様は、野球の練習用品やグラブを中心に、商品の企画・開発から販売まで手がける野球用品メーカーです。
「野球に携わるすべての人の力になる」という想いのもと、日本では商品を実際に試せる練習場とショップを併設した「ボールパーク」を運営するなど、野球をする人・支える人に向き合いながら商品やサービスをつくられています。
そんなフィールドフォース様が、初めての越境ECで挑戦したのが野球の本場・アメリカ市場でした。
アメリカ向けブランド「Baseball Samurais」の立ち上げ、日本で培ってきた練習文化をどう伝えるかという試行錯誤、海外向けのサイトや広告、BFCM(ブラックフライデー・サイバーマンデー)などのキャンペーン、そして関税や物流への対応。
実際に海外へ商品を届けたからこそ見えてきたことが、たくさんあります。
今回、フィールドフォース様を訪問し、大貫高志氏と世界へボカン代表・徳田が対談を行いました。
この記事では、対談で語られた言葉をもとに、アメリカ向け越境ECを始めた背景から、実際に進める中で直面した課題や発見、そして今後の展望までご紹介します。
この記事で分かること
フィールドフォース様のアメリカ展開を通じて、初めて越境ECに取り組む企業が、実際に何を考え、どのような壁に向き合っていくのかをご紹介します。
- なぜ本場アメリカへの挑戦を決めたのか
- 海外向けブランド「Baseball Samurais」を立ち上げた背景
- 「アメリカに合わせなければ」という迷いから見つけた、日本の練習文化という強み
- 実際に販売して見えてきたアメリカのお客様の反応
- 関税・物流という越境ECならではの壁と、ロサンゼルスへの物流拠点の移行
- グリーングラブキャンペーンに込められた想い
- オフライン展開や「ジャパニーズクリエーション」など、これからの挑戦
海外展開を検討している企業の方はもちろん、「自社が日本で培ってきた価値を、海外へどう届ければいいのか」を考えている方にも、ぜひ読んでいただきたい内容です。
目次
こんにちは!世界へボカンのかわさきです。
今回の対談で印象的だったのは、成果だけではなく、アメリカへ挑戦する中での迷いや、実際に商品を届けたからこそ分かったことまで、大貫氏が率直にお話しくださったことです。
フィールドフォース様が大切にされているものづくりや、お客様への向き合い方も感じていただける対談になっています。
ぜひ記事とあわせて、動画でもご覧ください。
フィールドフォースとは|「野球に携わるすべての人の力になる」

株式会社フィールドフォースは、2006年創業の野球用品メーカーです。野球の練習用品やグラブを中心に、商品の企画・開発から販売まで手がけています。
最初に、「フィールドフォース」という会社名に込められた想いを伺いました。
徳田
簡単に自己紹介をお願いします。
大貫氏
フィールドフォースという会社は、今から19年前、2006年に私と社長が脱サラして始めた会社です。いわゆる野球の練習用品および野球のグローブ、これを中心に扱っている会社ですね。
会社名はフィールドフォース、ブランド名もフィールドフォース。それと企業理念、これがフィールドフォースです。
フィールドフォースは英語なんですけど、日本語に直しますと「フィールドでプレイするプレイヤーの力になる」ということで、フィールドフォースという名前にしました。
我々が目指しているのは、単なるプレイヤーだけじゃなくて、野球に携わる方々。お父さんであったり、お母さんであったり、教えていただくコーチの方であったり、野球で使う道具を作ってくださる方、販売してくださる方。
こういった野球に携わる人たちの力、フォースになるということを会社の理念として掲げております。
フィールドフォース様は、創業当初はOEM、つまりお客様から注文を受けた商品をつくるところから事業をスタートしました。
その後、「自分たちのブランドを育てなければいけない」と考えるようになり、FIELD FORCEという自社ブランドを育てていきます。
その中で考えたのが、「実際に商品を使って、納得して買ってもらう」というブランディングでした。

大貫氏
会社をスタートした当時は、どちらかというとOEMといって、お客さんから注文をいただいたものを作る、そういうものから会社をスタートしました。
でも、その仕事をやっているうちに、やはり会社というのは自分のブランド、オリジナルのブランドというのを育て上げないと、行き詰まってしまうなと。
ブランドとしてのフィールドフォースを伸ばしていきたいという思いから、「だったらどうやってブランディングしたら良いのかな」という問題にぶち当たったんですね。
そのときに思ったのは、実際に商品を使って納得して買っていただく。これがスポーツ用品って大事かなと。
お店でも触ってみることはできるんですけど、実際に使えないですよね、商品は。
なので、練習場を併設して、お店も置いて、「うちの商品はすべて使用して購入できますよ」という形のブランディングを始めた。それがスタートですね。
商品をただ並べるのではなく、実際に使ってもらい、その価値を体験してもらう。
この考え方は、後のアメリカ展開にもつながっていきます。
急激な円安、そして「本場へ挑戦したい」初めての越境ECでアメリカへ
日本で野球用品の企画・開発を続けてきたフィールドフォース様が、初めての越境ECで挑戦したのが、本場アメリカ市場でした。
その背景には、経営上の課題と、野球用品を扱う企業としての想いの両方がありました。
徳田
今回、越境ECで本場アメリカに野球の練習器具を売っていくというところで、すごい挑戦だなと思ったんですけど、これはどういった背景があって挑戦しようと思ったんですか?

大貫氏
正直に言ってしまいますと、やはり急激な円安ですね。
我々の会社はどうしても、輸入して販売するというのがメインだったものですから、やっぱり為替の問題というのは非常に大きな課題として出てきました。
それともうひとつは、野球というものをビジネスにして携わっている以上、やはりメジャーリーグ。ここに挑戦しないと、野球をやっている意味がないなというのがあって。
大谷選手をはじめ、いろんな方々がアメリカで活躍している姿を見て、「よし」ということで決意したという過程があります。
急激な円安への対応だけではなく、「野球をやっている以上、本場アメリカに挑戦したい」。
こうして、フィールドフォース様の初めての越境ECが始まりました。
しかし、日本で長年ブランドを育ててきた企業であっても、海外のお客様に同じ名前・同じ伝え方で価値が伝わるとは限りません。
そこで、アメリカ展開に向けて最初に一緒に考えたことのひとつが、海外のお客様から見たときに「何のブランドなのか」が伝わるかということでした。
海外で「何のブランドなのか」を伝える。「Baseball Samurais」誕生
日本では「FIELD FORCE」というブランド名で長年事業を続けてきたフィールドフォース様。
一方、初めてブランドに触れるアメリカのお客様にとっては、「FIELD FORCE」という名前だけで、日本の野球用品を扱うブランドだと理解することは簡単ではありません。
そこで世界へボカンからもブランド名の重要性をお伝えし、フィールドフォース様と一緒にアメリカ向けのブランド名を検討していきました。
徳田
今回携わらせていただいて、まず「やって良かったな」と思うことが、名前もフィールドフォースじゃなくしたということですかね。名前を変えたことはすごい良かったですよね。
大貫氏
そうですね。
これも最初、御社といろいろ「どういう形でアメリカを攻めていこうか」というミーティングをしていく中で、「やはり名前って重要ですよ」ということを言っていただいて。
最初は何百という候補がざーっと出てきて、「うわ、こんなにたくさんあるんだ」みたいな。
それをコツコツとひとつひとつ、自分たちの思いに合わせて名前を決めていこうということで。
意識したのは、やはりアメリカの方々がサイトをパッと見た瞬間、「何なんだ」ということが一目でわかる。野球を売っているのか、日本人の会社かというのを一目でわかるというのが、一番のポイントかなというのがありました。
それでいろいろ検討した結果、「Baseball Samurais」というのに決定しました。
これは今でも、苦労して時間をかけてやって良かったなと。

徳田
何をやっているかって「ベースボール」、侍ジャパンの「侍」というところで、日本の野球の器具を売っているんだなって、パッと見たらわかりますよね。
越境ECでは、サイトの翻訳、決済、物流、広告など「どう売るか」に目が向きがちです。
しかし、その前に「初めてブランドを見る海外のお客様に、自分たちは何者なのかが伝わるか」を考えることも重要です。
そして、フィールドフォース様にはもうひとつ、大きな迷いがありました。
日本で培ってきた野球の練習方法や商品は、本当にアメリカでも通用するのか。
「アメリカに合わせなきゃいけない?」日本の練習文化を届けるという発想へ
本場アメリカへ進出するとなれば、アメリカの野球に商品を合わせた方がいいのではないか。
大貫氏も、当初はそう考えていたといいます。
大貫氏
実は我々、最初はアメリカの野球に合わせなきゃいけないかな、みたいなこともちょっと考えていたんです。
アメリカの野球ってどんなものだろう、どうやって練習するんだろうみたいなね。
そういうことを最初は思い悩んで、どっちかというとちょっと腰が引けちゃっていて、「アメリカに合わせよう」みたいな時期がちょっとあったんです。
フィールドフォース様が自信を持っていた商品のひとつが、トスバッティングの練習器具でした。
ところが、アメリカについて話を聞く中では、「トスバッティングをする人はアメリカにはいない」「スピードのあるマシンから飛んできたボールを打ち返す」といった話も聞いたそうです。
大貫氏
そうか、トスバッティングしないのかと。
ただ我々、自信のある商品というのが、トスバッティングの商品がすごく多いんですね。
日本というのはトスバッティングをすごい重要視しますから、ずっと何度も何度も改良を重ねて、リニューアル、リニューアルして、売れ続けている商品ですので、そのへんには自信がありました。
その中で、大貫氏の耳に残ったのが、アメリカの人たちから聞こえてきた「日本人はどういう練習をしているのか」という声でした。
大貫氏
いろいろなことを聞いたり勉強したりしていくうちに、意外と「日本人ってどういう練習をしているんだ」という声を逆に聞くようになったんですね。
「大谷ってどういう練習をして、あんなにすごくなったんだ」というのが、アメリカ人はみんなすごい興味があるんです。
それが耳に残っていて、日本の練習を逆にアメリカに紹介していくというんですかね。そっちの方が我々には合っているんじゃないかなと。
徳田
ジャパニーズクオリティだったり、ジャパニーズクリエーションということですね。
大貫氏
メイドインジャパンというよりは、日本人の文化であり歴史であり、精神から作り出したもの、練習方法。
そういったものを逆にアメリカに届けてみたいなと。
「日本ではこういうことを考えて、こういう練習をしているんだよ」ということを逆に発信する方が、意外と良いんじゃないかということで。
実際に一番売れたのは、トスバッティングマシン

実際にアメリカで販売を始めると、「アメリカではあまり使われないのでは」と考えていたトスバッティングマシンが売れていきました。
徳田
実際に蓋を開けてみたら、アメリカって広いから、どこでもみんな野球できるじゃんと思いきや、実は治安の問題もあって、室内練習場か、ちゃんとした野球練習場でやらないと、公園で子ども一人で野球をやっているなんてありえないという。
大貫氏
誘拐が非常に深刻な問題なので、河川敷で子どもたちが野球をやっているなんてことは考えられない世界みたいなので。
そのへんでは事情は違うけど、練習環境って日本と似ているんだなというのはあるので、やっぱり室内だとか、あとは自宅とか、そういうところで練習される場合が多いと。
これは新しい発見でしたね。
徳田
御社のトスバッティングマシンを、自宅の庭に置いてやるだったり、室内でやるみたいなところが、実際に販売してみたら実現していったというところで。
大貫氏
一番売れているのがトスバッティングマシンという。
さらにフィールドフォース様が商品開発で大切にしてきたのが、毎日少しずつでも、一人で実践的な練習ができることです。
大貫氏
家の中で畳の上でもなんでも良いので、決められたことを10分でも15分でも良いから毎日繰り返す。これが今の日本の練習のスタイル。
その場合に当然、一人で簡単に実践的な練習ができること。これがポイントになるので、我々はそこに企画開発のポイントといいますか、要点を絞って開発している商品が多いですから、そのへんではたぶんアメリカでも通じるんじゃないかなと。
海外展開では、現地市場や文化、お客様を理解することは欠かせません。
一方で、海外だからといって、自分たちが日本で培ってきたものをすべて現地に合わせる必要があるとは限りません。
現地のお客様を知ることと、自社が培ってきた強みを改めて知ること。その両方から、海外だからこそ評価される価値が見えてくることもあります。
想定以上の反響と、関税・物流という越境ECの壁
アメリカ向け越境ECの立ち上げ後、世界へボカンではサイト改善やコンテンツ制作と並行しながら、広告による集客にも取り組みました。
実際に広告を開始すると、想定以上の反響があり、当初1年で目指していた売上目標を早い段階で達成しました。
徳田
広告を最初スタートしたじゃないですか。どうなんだろう、難しいかなと思いきや、意外と結構どんどん売れていって。
1年目にこれぐらい売上が行ったら良いねというのが、3か月ぐらいで達成されたというところで。
大貫氏
正直、我々もちょっとびっくりしたところですけど。
何事もこういったことは、ポジティブに取り組んでいかないと結果がなかなか出ないなというのは、自分たちの持論としてもあるので。
スピード感を持ってポジティブにというのは常に意識して、今回やらさせていただきました。
さらに、アメリカの大きな商戦期であるBFCM(ブラックフライデー・サイバーマンデー)にも取り組み、対談では当初の目標の6倍を達成したことも振り返っています。
一方で、順調に見えたアメリカ展開の中で、大きな壁となったのが関税と物流でした。
「誰に聞いてもわからない」関税への対応
徳田
当初の目標を達成して、ブラックフライデーとかサイバーマンデーでいうと当初の目標の6倍達成というところで、すごい順調かと思いきや、アメリカの関税やデミニミス免税撤廃もあって、結構大変だったんですか?
大貫氏
大変でしたね。
これが一番大きな問題で、誰に聞いてもわからないんですよね。
「関税っていくらなの?」って。正確な答えを返してくれる人がいないので、自分たちでいくらなのかというのを体験しないといけないというのがあるので。
まず日本から発送し、その後ロサンゼルスに倉庫を
越境ECを始めた当初は、日本からアメリカのお客様へ直接商品を発送していました。
大貫氏
我々、最初は日本から商品を送っていました。
国際物流会社を通して日本から商品を送っていたんですけど、これはまず最初に始めるには良い方法だなと思います。
最初からコンテナをアメリカまで持って行って、向こうで倉庫を借りて配送するというのよりも、最初は日本から直接お客さんに届けるということで、良い方法だと思いますし。
ただ時間がやっぱり1週間から10日ぐらいかかってしまうというのがひとつのネックではあるんですけど、意外とアメリカのお客さん、待ってくれるなというのが正直な感想です。
徳田
本当に欲しいものであれば、時間もコストもかけて。
大貫氏
そうですよね。そういうのも発見ではありました。意外と待ってくれるなと。
ところが、クリスマスシーズンに関税制度の変化などが重なり、アメリカの税関が混雑。配送に2週間、3週間とかかるケースも出てきました。
大貫氏
1週間、10日ならまだお客さん待ってくれますけど、これが2週間、3週間とかかかってしまったというのが、お客さんにご迷惑をかけるということになってしまったので。
1年経ったこともあって、カリフォルニアのロサンゼルスに倉庫を借りて、アメリカから出荷するという体制に変えています。
最初から大きな物流体制を構築するのではなく、まず日本から発送して市場の反応を見る。そして、販売状況やお客様への影響を踏まえて、現地倉庫へ切り替える。
フィールドフォース様は、実際に販売する中で得た情報をもとに、次の体制へと進んでいきました。
越境ECでは、調査や戦略、サイト、広告だけではなく、物流、関税、決済、カスタマーサポートなど、さまざまな領域への対応が必要になります。
すべてを自社だけで進める方法もあれば、自社だからこそできることと、外部の知見を活用する部分を整理して進める方法もあります。
世界へボカンでは、海外市場の調査・戦略立案を起点に、企業様が持つ商品やお客様への知見と、私たちが持つ海外マーケティングの知見を掛け合わせながら、「誰に、どのような価値を、どう届けるのか」を一緒に考えています。
フィールドフォース様とも、ブランド名の検討からサイト・広告、海外の商戦期に合わせたキャンペーンなど、それぞれの得意領域を活かしながら取り組みを進めてきました。
「ボールを取れないって、おもしろくない」グリーングラブをアメリカへ
フィールドフォース様の「野球に携わる人たちの力になる」という想いがよく表れている取り組みのひとつが、グリーングラブキャンペーンです。

引用:[vol.32] 野球を始めたい子どもたちに届け!グリーングラブ!
大貫氏
お母さん方が買い与える場合が多いんですね。お母さん方は野球に詳しくない方も結構いて。
最初だから続くかどうかわからないし、そんなに高級じゃないもので、ビニール製、合成皮革でできたグローブがあるんですけど、そのへんを買われる方が結構いて。
特に冬場は合成皮革だからガチガチになっちゃう。
ボールを取れないって、おもしろくないじゃないですか。
野球の醍醐味って、スパーンという、キャッチするときの快感ですから。これが味わえないと楽しくない。
そこで、柔らかく軽い豚革を使い、小さな子どもでもボールを取りやすいグラブを試行錯誤しながら開発。それが「グリーングラブ」につながりました。
そして、この取り組みをアメリカでも実施します。
徳田
そのグローブを実際に、米国のどういう方たちを対象にプレゼントされたんですか?
大貫氏
「これから野球を始める人、手を挙げて」って。応募して、抽選になってしまいましたけども、ちょうどクリスマスシーズンのプレゼントということでやらさせていただいた。
日本では毎年1,000個を用意している一方、アメリカでは初めての取り組みだったため、まず100個からスタートしました。
大貫氏
アメリカは初めてじゃないですか。
それでちょっと弱気で、数も少なく最初はやったんですけど、意外と御社の出していただいた広告も良かったみたいで。
100個用意したんですけど、日本は1000個毎年やっているんですけど、アメリカはとりあえずスタートということで100個用意したら、400人以上の方から応募がありまして。
さらに、グラブを受け取った方から届いた声も、大貫氏にとってうれしい出来事だったといいます。
大貫氏
うれしいのは、当選された方にお送りして、そしたら来るんですね、メールが。「ありがとう」というのが来て。
「これは近所の子にあげたんだけど、もっと欲しいという子たちがいるので、いくらで売ってくれますか?」みたいな。
そういうのが結構来たので、これはうれしいなと思って。
商品を売るだけではなく、子どもたちが野球を楽しむきっかけをつくる。
対談の冒頭で語られた「野球に携わる人たちの力になる」という理念が、アメリカでも少しずつ形になっています。
大貫氏
2026年は100個と言わずに、もっともっと数も増やしたいと思いますし、やっていきたいですね。
いろんな企画をやりたいですよね。アメリカに対しても、こちらからいろいろ問いかけていくような企画。これはどんどん進めていきたいなと思っています。
オンラインからオフラインへ。次のアメリカ展開
越境ECを通じてオンラインでアメリカのお客様との接点をつくり、物流もロサンゼルスの倉庫から発送する体制へ。
次に大貫氏が見据えているのが、アメリカでのオフライン展開です。
大貫氏
今年の課題は、ある程度オンラインではそれなりの成果が出てきたので、オフラインでどうやってアメリカで販売していくか。
せっかく向こうに倉庫も構えたことですから、オフラインの方を充実させていきたいなというのがあります。
アメリカのマーケティングをこれからどうやっていくかというのが、ひとつの課題になってくるかなと思っています。
徳田
現地のボールパークで使っていただくのもそうですし、実際に使っていただいているお子さんたちの様子を、レビューもらうだったりとかもしながら、連携していければなと思っています。
ここで改めてつながるのが、フィールドフォース様が日本でボールパークをつくった原点です。
実際に商品を使って、納得して購入してもらう。
日本で大切にしてきた考え方を、今度はアメリカでどう実現していくのか。
フィールドフォース様の海外展開は、オンラインで販売するだけではなく、現地で商品を知り、使い、その価値を体験してもらうための接点づくりへと広がっています。
全社員が企画開発部員。「ジャパニーズクリエーション」を世界へ
海外展開を進める一方で、フィールドフォース様が大切にしているのが、商品そのものを生み出す「ものづくり」です。
フィールドフォース様では、一部の商品開発担当者だけではなく、全社員が商品の企画を提案できる仕組みを取り入れています。
徳田
新しい製品もどんどん開発されて、入社して半年とかの子たちが企画したものも商品化されたりとかするんですよね。
大貫氏
そうですね。うちの場合は全社員が企画開発部員となっているので、誰でも提案できますし。
昔と違って、商品化するのも非常に簡単になっているので、小ロットで小さい数で商品化できるという方法も、ノウハウを我々学びましたので、なるべく商品化はしていきたいなと。
去年1年間で108アイテム、新商品を出しました。
売れるもの、売れないものがありますけどね。
意外と全員一致で「これが売れる」と思ったものはダメなんです。意外と「なんだ?」というようなやつが売れちゃうとかね。
そして現在、フィールドフォース様が取り組んでいるもうひとつのテーマが、「ものづくり大国日本復活計画」です。
大貫氏
もうひとつ、うちが今期非常に取り組んでいる課題があって、「ものづくり大国日本復活計画」というのがあるんです。
やっぱりどんどん海外に生産拠点が移ってしまったじゃないですか、30年間。
だから、ものづくりの大国であった日本が、だんだん廃れてきてしまっているというのがあって、ここでなんとか復活させなきゃダメじゃないかという、我々の危機感みたいな。
我々も東京で野球グローブを作っていますし、とにかく今それをアメリカに向けて、メイドインジャパンの野球グローブということで出させていただいています。
この取り組みをSNSで発信すると、同じような想いを持つ企業から「一緒にできませんか?」という声が届いたそうです。
大貫氏
そのへんをSNSで謳ったんですね。
そしたら賛同してくれる会社さんが多くて、びっくりするぐらいいろんなところから、「自分もこういうことを考えているんだけど、うちの会社ではこういう材料でこういうのを作っている。一緒にできませんか?」というような。
すでに、子どもたちがバントするときに手を守る「バントガード」や、ボールを集める大型の器具、特殊な素材を使ったグローブなど、複数の商品が販売・開発へと進んでいます。
そして大貫氏が、その先に掲げているのが「ジャパニーズクリエーションを世界へ届けること」です。
大貫氏
我々はジャパニーズクリエーションというんですか。
日本人が作った、日本人が考えて、日本人が企画開発したもの。
これを世界に広げていきたいなというのが、今のひとつの大きな目標というか。
そういう感じで企画開発もどんどん形を変えながら、いろんな企画開発の方法を探っているというところでありますね。

ここで語られている「ジャパニーズクリエーション」は、単に日本で製造された商品という意味だけではありません。
日本で培われてきた文化や考え方、練習方法、そして日本の企業が持つ技術やアイデア。
それらを掛け合わせ、新しい価値として世界へ届けていくことです。
まとめ|自分たちが培ってきた価値を、世界へ
対談の最後、徳田から今回のお話を通じて感じたことをお伝えしました。
徳田
大谷選手が「憧れるのをやめましょう」とおっしゃっていたのが、すごい心に残っているんですけど。
アメリカだからというふうに憧れるんじゃなくて、自分たちのジャパニーズクリエーションのスピリットをアメリカに届けるというところが、すごい大事なんだなというのを感じました。
大貫氏
間違いないですね。
これからの日本が生き延びる道はそこしかないです。
徳田
自分たちの仕事に誇りを持って、海外に挑戦していけたらなと思いました。
ぜひこれからも海外への挑戦、伴走させてください。
大貫氏
そうですね。これからも頑張らさせていただきますので、ご協力よろしくお願いいたします。
初めての越境ECとして、本場アメリカへの挑戦を始めたフィールドフォース様。
今回の対談を通じて印象的だったのは、最初からすべての答えがあったわけではなく、実際に海外へ商品を届け、お客様の反応を受け取りながら、一つずつ次の答えを見つけていることでした。
「アメリカに合わせなければ」と考えていたところから、日本で培ってきた練習文化そのものに価値を見いだす。
まず日本から商品を発送し、実際の販売を通じて物流の課題が見えてきたからこそ、ロサンゼルスに物流拠点を構える。
オンラインで成果が見え始めた今、次はオフラインで商品を体験してもらう接点をつくろうとしている。
そしてその先には、日本で生まれたものづくりやアイデアを「ジャパニーズクリエーション」として世界へ届けていくという目標があります。
フィールドフォース様のアメリカへの挑戦は、まだ続いています。
世界へボカンも、それぞれの強みを活かしながら、これからの海外展開をご一緒していきます。
フィールドフォース様との取り組みを詳しく見る
今回の対談でお話しいただいたアメリカ向け越境ECについて、世界へボカンとどのように取り組みを進めてきたのか、具体的な支援内容や成果を事例記事でご紹介しています。
他の企業対談・海外展開事例も公開しています
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