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EC成功の鍵はコンセプト設計にあり!第一想起とKBFで差別化する戦略論 | 【blends CEO 西田圭佑氏】
- 2025.06.05
- ECマーケティング

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EC成功の鍵はコンセプト設計にあり!第一想起とKBFで差別化する戦略論 | 【blends CEO 西田圭佑氏】
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この記事では、blendsの考えるECマーケティングの考え方についてご紹介します。
【blends CEO 西田圭佑氏】
「信頼と仁義」が成長への原動力としている。
既存の発想に捉われず夢を追う人を支援し続け、ECプロフェッショナル達を率いて成果を出す。【世界へボカン株式会社 代表取締役 徳田 祐希】
日本の魅力を世界へ伝えるというミッションの元、
17年にわたり、多国籍メンバーと共に越境EC、海外BtoBマーケティングに取り組む。
越境EC企業の年商を35億→500億、約29倍の成長を導くなど数多くの実績を残す。
Shopifyマーケティングエキスパート。
コンセプト設計のプロ:blends CEO 西田圭佑氏の自己紹介

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世界へボカン株式会社 徳田祐希(以下:徳田)
こんにちは、世界へボカンの徳田です!
本日はblendsの西田さんに、blendsの考えるECマーケティングの考え方についてお話を伺いたいと思います。
よろしくお願いします。まずは、自己紹介をお願いします!
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blends CEO 西田圭佑氏(以下:西田氏)
はじめまして。
株式会社blendsの西田と申します。
blendsの会社概要についてさくっとお話していきます。まずblendsという会社はtoridoriという会社の子会社として、chipperから事業分割して作っているECの支援会社になっています。
まずそもそもお前誰やねんという話だと思うので、西田圭祐 私のご紹介をさせてください。
孫泰蔵さんが立ち上げたベンチャー企業で、新規事業を2回立ち上げというのを新卒からやっています。なので新規事業に強いというのは1つ言えるかなと思っています。
その他リクルートで人材の紹介をしていました。人材に強いというところが次のステップかなと思っています。

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西田氏
次に、ネットショップ支援室で、ECのカートの事業の責任者をやっていました。
EC システムまわりに強いというところがここで身につきました。chipperのCOOとして、ECのマーケティング戦略のBPOを行っています。
なのでECのマーケティングに強いというところで、この4つに強いというところが僕の強みかなと思っています。
ブレンズの事業概要 - 戦略と戦術を融合した“革新的ECマーケティング”の全体像

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西田氏
「ミッション戦略と戦術を融合した、革命的ECマーケティングの提供。ビジョン、人の力に無限の可能性を」というテーマで会社の運営をしています。
このあたりは解説、このあとECのマーケティングの考え方についてお話する中でそういうことだなとわかってもらえると思うので、いったんミッションビジョンはこんな感じだというふうに見ていただければと思っています。

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西田氏
今の時代のEC事業の成長のために必要な、全体最適、スピード、戦略と戦術の融合、これらをワンストップでコンサルティングではなく、BPOを実行代行するプロフェッショナル集団と思ってください。

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西田氏
何をしているかで言うと広告の企画提案、広告代理店がやるという領域とマーケティング戦略の支援、戦略立案をするという会社と、自社ECのEC運用コンサル会社と、モール運用代行会社という、この4つの領域がEC関連とか広告まわりであると思うんですけど。
これらを全部融合してやっていくというのが、blendsでやっていることです。

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西田氏
実際に支援の実績としても、ゼロイチ立ち上げのときでも、こうやって右肩で伸ばしていったり、事業の改善という形でもこんな感じで途中で入った中でも、一気に売上を伸ばしたりとかっていうことをやらせてもらっています。
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徳田
なるほど。
結構この広告企画提案とか自社EC運用とか、モール運用 戦略立案という、各領域だけでも結構専門的なのにblendsさんってなんで全領域をカバーされているんですか?
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西田氏
よくぞ聞いていただきました。
そこって市場的な背景がすごく大きいと思っていて、今これから先ってそこをやっていかないとEC事業者にとってもバリューがない支援会社になるなと思っておりまして。それがなんでかという話をこれからさせてください。
EC市場の背景・現状 - 楽天・Amazon・自社ECの最新動向と課題

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西田氏
ECの市場背景がすごく大きいと思っていて、これは僕が独自で集計・推計しているんですけども。
楽天、Amazon、Yahoo!ショッピング、自社EC。4つのカテゴリにおいて、2016年から23年で流通額 GMVとショップ数と、ショップ数をGMVで割った1店舗あたりの売上高の平均というのをそれぞれ出しています。
特筆すべきって、楽天の近々の動きで言うと2022年23年ってショップ数が変わっていないですよね。
ただGMVは上がっていますよねということで言うと、楽天の今の戦略としては売れる店舗ショップに注力をしていますよというところが見て取れるかなと思っています。ただ楽天の2024年の発表で言うと、去年より1クォーター 2クォーター両方とも4.8%減少していますよ という発表になっています。
全体の流通総額を増やしに行くという戦略から、ショップ数をしっかり売れるところに絞っていきますよという戦略が見て取れます。Amazonの話で言うと、Amazonはすでに実は楽天よりもGMVも多いし、ショップ数も多いという状況にはなっているんですけど比較的固定費も安いので、個人も出品できるというマーケットにしていって、特に楽天は固定費が上がっていっています。
けれどAmazonは上がっていないという状況を考えていくと、Amazonの戦略はいろんな方に出品してもらって誰でも売れる状況にして、商品を探しやすくすると見て取れます。Yahoo!ショッピングはいったん置いておいて自社ECのところで言うと、特にショップ数ですよね。
55万店舗日本にあったところが、2023年は548万店舗と約10倍になっています。
10倍になっていてGMV、いわゆるその皆さんが自社ECで購入する総額に関しては、10倍になったかってなっていないので、特に競争激化しているというのが自社ECで起きている構造かなと思っています。
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徳田
総流通額はそんなに増えていないのに、ショップ数は10倍になっているということですよね?
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西田氏
そうです。
これが起きると何が起きるかというと、特に広告の単価が上がると、広告の単価ってどういうふうに上がるかというと、基本は入札制。たとえばインフルエンサーマーケティングでも、入札制になっちゃうと思うんですよ。
インフルエンサー目線で言うと、高単価でくれる案件がこんなにいっぱいあるんだったら、こっちの方に寄せていこうというふうになってくるので単価が上がっていくという構造になると。なのでいろんなものが結局入札制になっているので、競争が増えていって、この少ないGMVを奪い合うという構造になっていくとどんどん単価が上がっていくという仕組みになってしまう。
なので単価の低い広告の枠を見つけに行くか、単価が高くても元が取れるように事業を作っていくという、この2つしか勝ち筋がなくなってくる。
どんどん自社ECは苦しくなっていっているというのが正直な現状かなと思っています。
差別化の重要性 - 「幕の内弁当」を避けた商品設計とは

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西田氏
なのでだからこそ、僕が今大事だと思っているのは幕の内弁当にしないことだと思っています。
たとえばこの商品ABと2つの商品があったときに、これをいったんサプリとしましょう。
成分ABC 価格優位性 デザインという、この5つの要素があったときに、AとBの 左と右の商品の面積って左の方が大きいので面積が大きい方が原価が高くなると思ってください。
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西田氏
じゃあどっちが選ばれますか?という話で言うと、左側の商品が選ばれがちだと思うかもしれないんですけども、右側の商品。
そもそも成分Aと価格優位性が、ユーザーの選ぶキーポイントである場合、キーとなる購買要因である場合に関しては、右の商品が選ばれるとなので原価が安くても右の商品が選ばれるというのが、右側の商品が選ばれます。

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西田氏
なので大事なのが、このキー購買動機のキーバイファクターというふうに、僕は呼んでいるんですけど。
特定の消費者にとってのキーバイファクターはなんなのかということを見極めていくと、特定消費者にとっての第一想起商品を目指すこと。
この2つがすごく今大事になってきています。
あれだけショップ数が増えて商品も増えているので、この2つをしっかり見極めていって、それを第一想起にしてくこと。
この2つが大事になってきます。
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徳田
すごいわかりやすいですね。
さっきの幕の内弁当のところの例で言うと、ジェネラルにパラメーターが全部特化しているやつだと、全部パラメーター3とかだと特性がよくわからなくて売れないと。パラメーター5のところと2のところがあって、エッジが効いている方かつエッジが効いている部分が、お客さんのKBFにマッチしていれば売れるということなんですね。
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西田氏
そうです。
これだけ商品が増えてくると、お客さんもどう選んだら良いかわかんないみたいな形なので、わりと自分に合っている商品というふうにしっかり思わせることが大事ですと。
KBF(キーバイファクター)の解説 - 特化型商品の成功例

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西田氏
キーバイファクターはなんなのかという話で言うと、特定の市場で特定の顧客。
特定の課題に絞ったときに、たとえばクレンジングオイルの話で言うとダブル洗顔がいらない毛穴に効くまつエク対応、ウォータープルーフに対応している。
濡れた手でも使える 価格が安い。
……だいたいこんなところが、クレンジングオイルのキーバイファクターになっていくんですけど顧客と課題によって優先度が変わってくるんですよね。この顧客の課題に応じて、自分の特化している領域。自社の商品が特化している領域をしっかり見極めていって、この課題のお客さんに対しては刺しに行ける商品だよねというふうになったら、競合に対して勝てるよねと。
たとえば毛穴に効くのが特に欲しいお客さんに関しては、課題3の商品。
ここに合っている商品がはまりやすいよねというふうになってくるので、自分の商品がどのお客さんに刺しに行くかというところを大手と戦いに行くんじゃなくて、価格が安い大手と戦いに行くのではなくて価格は重要視しないけども、毛穴に効いてまつエク対応が良くてウォータープルーフに対応しているクレンジングオイルが欲しいと思っているお客さんに刺しに行くことが大事ですと。なのでどの顧客向けにするかによって、キーバイファクターが変わってくるので顧客の解像度を上げていくことがすごく大事です。
第一想起とは?・今のEC事業で重要なこと

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西田氏
この特定消費者の第一想起商品を目指すことという話なんですけど、第一想起って最近よく言われるようになりましたけど、僕が言い始めた4年前ってあんまり第一想起という言葉ってEC業界になかったなというふうに思っています。
トップオブマインド分析のPRの考え方で、助成想起 みんな知っているかどうかと第一想起。
まるまるといえば思い浮かぶ商品かどうかという観点のときに、マイノリティ ニッチ リーダー レガシーというふうに、事業は基本成長していきますと。ただ意外と今のEC事業者さん、なかなかECって夢があるマーケットというふうに思われて、右上のリーダーを一気に狙いに行こうとするんですけどこれは結構苦しい戦いになっちゃうので、必ず1回ニッチを挟むという認識を持った方が良いかなと思っています。
特に今のEC事業、これだけ競争が激化しているのでニッチをまずしっかり取っていって~というところをしていくのが大事なんですけど。たとえばスイーツの商品の企画をやったときにスイーツといえばすごく広いマーケットになってくるので、自分へのご褒美スイーツといえば広くなってきてしまうので、インスタでシェアしたくなるスイーツといえば……というふうに狭くしていってシェアを取りに行った時代があります。
売れているブランドの第一想起ポジションの紹介

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西田氏
実際にそのスイーツがこれですね。
これは6粒の生チョコマカロンで、カカオのクズが入っていてハスクというふうに言うんですけど、このハスクの上に商品を乗っけて写真を撮ると誰でも映える写真が撮れますよという体験を売ったというところが一番大きな要素かなと思っています。実際に売れているブランドは、必ず第一想起を取りに行っているなと思っていて、FUJIMIさんとかもCOHINAさんとかもBALK HOMMEさんとかもVALXさんとかもいわゆる売れていると言われるブランドは、必ず何かしらの第一想起を取りに行っている。
その第一想起は広いものじゃなくて、狭いものを取りに行っているのが最初のフェーズとして必ずある。……というところが共通項としてあるかなと思っています。
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徳田
結構海外のWEBマーケティングにも同じことが言えるなというふうに思っていて、そもそも海外市場と戦ってくためっていきなりリーダーとかレガシーを目指すんじゃなくて、ニッチを目指せというふうにお伝えしていて、あとは顧客の購買決定要因とか顧客像が結構明確でない状態が多いんですよ。
なのでそこをしっかりどういったお客さんがいて、どういった購買決定要因で比較検討したときに自分たちが選ばれるんだっけみたいなところは、きちんと言語化していないと勝てるものも勝てないし、勝てていても再現性が低いよとお伝えしてるんですよね。
ここはすごい似ているなというふうに思いました。
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西田氏
そうですね。
海外とかは特にそうかなと思っていて、国によって全然カルチャーも違いますし、キーバイファクターが変わってくると思うので、国だけじゃなくてその中での消費者の行動だったりとか
セグメントによっても変わってくると思うんですよ。そこを細かくセグメンテーションしていかないと厳しいよねというところですよね。
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徳田
おっしゃる通りです
第一想起のためにはバリュープロポジションを発見する

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西田氏
この第一想起の考え方のときに、必ず持ってほしい概念がバリュープロポジションかなと思っていて。
いろんなマーケターさんが言っているので、特に新しい話じゃないんですけど、競合他社が提供している価値でなくて顧客のニーズと自社が提供できている価値できる価値。
ここと合致しているバリュープロポジション。しっかりここを発見していくことが大事ですと。消費者からしてもそうで、類似商品が提供している価値と商品に求めているもの。
商品の価値のときに、類似商品が提供している価値があるんだったらそっちでも良いよねというふうにならないような。このポジションをしっかり見つけていって、商品を購入する理由はなんだっけということを言語化していくことが大事かなと思っています。

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西田氏
なのでマーケティングのプロセスとして考えてほしいのは、まるまるな人がどういう課題を抱えていて競合がどこも解決してくれないので。
なので自分たちのまるまるという強みを活かして、コンセプト まるまるという価値を提供する機能を持った商品というこの左側の上流工程の部分ですね。と、右側の実際にクリエイティブだったりとか、どういうふうに伝えていくのか、どういうクリエイティブをどういうふうに見せていくのか、どの媒体で広告配信していくのか。
インフルエンサー 誰からどういうふうに伝えてもらうのか、どこで売っていくのかという販売チャネルの観点、楽天 Amazonとか自社ECとか、そこをお客さんが継続的に購入してもらってLTV 黒字化していくかという。
そこの観点があるんですけど。この観点をしっかり全部持って、トータルで一気通貫で考えていくことが大事かなというふうに思っています。
これらをしっかり考えていくと、コンセプトの部分がしっかり固まっている商品になると思うんですけど、このコンセプトって考え方がすごく体型化されていないなと思っていて、僕の方でも体系化にどんどんチャレンジをしていっています。
blendsが考えるマーケティングプロセス:ECコンセプト思考法8パターン

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西田氏
その中でECの中で、ECのコンセプトだったらこれだよねと思っている8パターンを考えています。
一応この8つのパターンがあって、逆張りターゲット型 価値変換型 特定行動喚起型 不満解消型 印象転換型 掛け合わせ型 シーン特化型 ターゲット特化型という、この8つがあるんですけど。これだけだとよくわからないと思うので、具体的な例でお話させてください。
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西田氏
ターゲット転換型は、たとえば下着はこれまで大きく見せたい層がターゲットだったと思うんですけど、小さく見せたい層をターゲットにして逆張りの転換をしていきますよと。
青汁王子がやったみたいな、ダサい青汁を変化させておしゃれに変えていくというような考え方。青汁が良いというのは皆さんわかっているけども、それがおしゃれじゃなくてダサいから使わなかったよねみたいな形。
先ほどのスイーツもそうですけど、SNSでシェアしたくなるスイーツ。
行動喚起型の商品を作っていく。
着心地の悪さのないインナー、不満のない商品 不満解消型ですね。
あとは誰もが好印象を持つようなまるまる高級イタリアのような生パスタというふうにしていったり。あとはワイン×スクール A×Bというふうに、新しく想像していくというパターンですね。
これは小林製薬さんが強いんですけど、背中ニキビケアに強いスプレー。
ニキビケアってクリーム型がすごく多いと思うんですけど、背中に届かないという課題があったので、スプレー型にして背中にシュッというふうにできるのがセナキュア商品だったりします。さっき事例として挙げましたけど、COHINAさんの150センチ以下女性だけのアパレルというふうな形でターゲットを狭くしていくというのもありです。
この8つのいずれかに当てはまるなと思っていて、言い方は変わったりとか、付帯の言葉がついたりすると思うんですけど。
どれかには当てはまるなというふうに思っています。
コンセプトを考え最終的に文章を作成してみる方法

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西田氏
このコンセプトができるとこの文章ができあがるはずです。
この商品はまるまるイシューという課題を持つターゲットが、どういうシーン どういう状況のときに使う何々です。すでに人気の競合商品まるまると違って、買う理由となる差別化ポイント。
ただの差別化じゃなくてお客さんが買う理由となる差別化ポイントがあるという点が特徴ですと。

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西田氏
これは結構難しいと思うんですけど、どこから考えていくの?という話がありますが、大事だと思うのがイシューとターゲットのマッチ度かなと思っています。
ここのマッチ度が高くないと、どういうことが起きるかという事例の話なんですけど……

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西田氏
実際に先ほど事例として挙げたFUJIMIさん。
20代から30代女性向けのパーソナルサプリという形でローンチされていましたけども、同時期にパーソナルサプリブランドって他にも実は立ち上がったんですよ。競合として。これは僕 同時に立ち上がって、どっちがうまくいくんだろうって観測していたのでよく見ていたんですけど。
かたやビジネスリーダー向けというふうにやっていて、FUJIMIさんは日本代表のサプリブランドになりましたよと。ブランドH あえて名前は伏せていますけど、こちらについては開始1年でサービス終了してピボットしていますと。
なんでなのかみたいなことを当然FUJIMIさんのプロモーションが良かったみたいな話はあるんですけど……

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西田氏
大きなところはこのさっきの文章に当てはめていくと、自分に合うサプリを選べないという課題を持つビジネスリーダー層が時間がないときにサプリを選んでほしいときに使うパーソナルサプリメントです。
……というふうな文章になるんですけど、自分に合うサプリを選べないという課題を持つビジネスリーダー層という。
ここのターゲットとイシューとターゲットのマッチがしていなかったという話かなと思っていて。
これってビジネスリーダー層って調べるリテラシーを持っている層ですし、人脈があるから詳しい人に聞ける層でもあるし、診断する時間すらもったいないと感じる層がビジネスリーダー層だったという話です。このターゲットに対してのイシューはこれだよねというやつを自分たちの思い込みで決めるのは良くなくて、そこのシーンとかそのイシューが本当に存在するかどうかということを、ターゲットに対して定性調査、インタビューをしていって深めていくということが大事かなと思っています。
プロダクト成功事例 - イシューマッチした事例

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西田氏
かたやFUJIMIさんについては自分に合うサプリを選べないというこのイシューに対して、これがなんなのかということをしっかり突き詰めたのが、うまかったなと思っています。
なんでなのかというところで言うと、これまでのサプリメントの背景で言うと、記事LPを使って効果効能訴求というところを中心として、なんとなく怪しいというインサイトが市場の中に、特に20代から30代の女性の中に存在していたので、そこへのカウンターとしての価値転換をしたというところがうまいかなと思っていて。
診断型のサプリメントというソリューションではなくて、おしゃれな怪しくない自分に合わすサプリメントというソリューションを提供したことがうまいポイントかなと思っています。
第一想起市場からの成長の仕方

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西田氏
第一想起の話で言うと検討者数が多くて競合も多いという、ここを結構皆さん狙いがちなんですけど、ここから攻めて成功したブランドを僕はほとんど見たことがなくて。
必ずここの左下ですね。
検討者数は少ないけど第一想起競合も少ないという。
このポジションをしっかり攻めにいって、まるまるのときのまるまるといえばまるまるという。このポジションを取ったあとに、このまるまるのときのを取っ払って、まるまるといえばまるまるというふうに市場を拡張したという会社 ブランドがやっぱり成功しているイメージを持っています。
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徳田
まずはランチェスター理論じゃないですけど、特定の分野で第一想起を取って、そこから広げていくという感じなんですね。
チャネル別コンセプトの重要度 - 自社ECではコンセプトは重要

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西田氏
そうです、おっしゃる通りです。
まさしくランチェスター理論です!コンセプトに関しては大事ではあるんですけど、自社ECに関しては特にコンセプトが大事です。
展開するチャネルによってコンセプトの重要度とそれ以外の戦術の重度が変わってくるなと思っていて。
コンセプトは共通的に大事ではあるんですけど、Amazonで言うとそれよりも、キーワード流入 SEO。ここをハックしに行くことが大事ですよねという話です。Amazonは検索流入経由のお客さんが購入が、だいたい7割から8割というふうに言われているので、そのお客さんをいかに取りに行くかということが大事ですというときに、コンセプトは大事なんですけど。
コンセプトでお客さんが買うんじゃなくて、キーワードで出てきた商品の中で良さそうな商品を買うなので、キーワードが出てこないことにはコンセプトが良くてもお話にならないんですよね。楽天とかは結構満遍なく大事だったりするので、インフルエンサーだったりとか楽天ルーム、楽天スーパーアフィリエイトだったりの流入も大事ですし、楽天スーパーセールに参加しているかどうか。これも大事ですし、満遍なく大事なのですごく攻略としては難しいんですけど。
Qoo10とかもメガ割り経由での購入ですね。
メガ割経由の購入。インフルエンサーマーケティング経由で購入。ここがすごく大きな要素になってくるので、当然コンセプトが良くないと買われないという話はあるんですけど。
この流入経路をどう作りに行くかという戦術面もすごく大事だったりします。
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西田氏
コンセプトだけをありきと思っているわけじゃなくて、どのチャネルでやるかということを含めて考えていって、その全体を支援していくということが僕たちがやっていることです。
あんまりこれってやっている会社はすごく少ないなと思っていて、戦略部分のご支援、コンセプトやポジショニングのご支援をしている会社はあると思うんですけど。
下の部分のご支援をしている会社もあると思うんですけど、両方をやっている会社ってすごく少ないと思っていて。
なのでそこをEC業界の中でしっかり当たり前にしてきたいという思いのもとでやらせてもらっています。
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徳田
だからコンセプトが戦略面と戦術面をブレンズしているんですね。
なるほど。
確かに戦略のところだけやっていると机上の空論で、本当にそうなのかなと思ってるし、戦術だと戦略が間違っているとどうにもひっくり返らないよねというところって結構あったりするじゃないですか。ここを一気通貫でやらなきゃいけないなと思って、僕らも越境ECをやっているんですけど、国内でもそういったサービス提供をしているところは少ないですよね。
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西田氏
そうですね。
僕結構、「競合はどこですか?」と言われるんですけど、あんまりないなと思っていて。
そこを僕らが第一想起を取っていきたいという思いでやっています!
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徳田
そのコンセプトも、顧客のニーズとコンセプトがマッチしている課題、イシューと顧客がマッチしているというところを見極めるのがすごい難しいなと思いました。
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西田氏
そうですね。
そこについては社内では型はいくつかあるんですけど、データという部分と顧客に対して聞きに行くという。
この2つかなと思っています。実際にこれをちゃんとやっていって成功した事例もあるので、お話できればと思っているんですけど……
事例紹介 - blendsで戦術も重要視されたコンセプト設計

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西田氏
さっきのやつを図解化すると、コンセプト設計 戦略フェーズと、どう消費者に届けるかという戦術フェーズの話があって。クリエイティブのPDCAやモールの中でのキーワード露出。
インフルエンサーの投稿内容をどういうふうにディレクションしていくのか。
モールの中でのイベントセール、顧客のリピーター施策。……どういうふうにしてくのか、これらを全体最適で代行していきますということで、成長うる事業を作れましたというところが事例として3つお話できればと思っていて。

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西田氏
企業規模 ジャンルで言うと、菓子販売 年商1億円規模のお客さんがオフラインじゃなくてオンラインで売れる商品を作りたいというご依頼があり、ご契約をして、市場リサーチをしたうえでインサイトを発見していって、売れるコンセプトを作りました。
年商プラス1億円のEC事業を作りました。
クライアントの投資額は約1000万という感じです。
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徳田
すごい!
10倍売上が立ったということですね 投資額の。
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西田氏
そうですね。
これが年単位なので、やっていけばいくほど積み上がっていくという感じです。

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西田氏
食品販売 年商10億円規模ぐらいという感じで、オンライン販売全体の売上を上げたいというふわっとしたご依頼だったときで言うと、契約をして市場リサーチをしていて。
このお客さんは結構運営年数が長かったので、休眠顧客の掘り起こしのための再コンセプト設計をしました。
休眠顧客が戻ってくる理由みたいなところをコンセプトとして作りに行って、メールやDMでそちらにアプローチをしに行ったと。
新規でアプローチをしに行くよりも、1回買った人がなんで離れたかというところに目を向けに行って。16万件も顧客がいたので、そこに対してアプローチをしに行くというアクションをしに行きましたと。
掘り起こしの施策、原価に対して、ROAS1100%で売上はプラス5000万作りましたみたいな事例です。
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徳田
打ち手の優先順位みたいな言葉は、結構うちでも重要かなと思っていて。
今どういった経営資源を持っているかというところを冷静に見て、支援会社がやりたいことじゃなくて、クライアント側のアセットに応じて何を優先的にやるべきかというのをしっかり提案できるのは良いなと思いました。
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西田氏
とてもそうだと思います。
優先順位のところがを作るのが僕たちの仕事かなというふうに思っていて、結局自分たちでは近視眼的になってしまうので、どうしても全体俯瞰した優先順位設計ができなくなっちゃうことが多いなと思うんですよ。そこを見極めに行くというのはおっしゃる通りかなというふうに思っています。
とは言っても、コンセプトだけにとらわれているわけじゃなくて。

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西田氏
年商100億円規模の健康食品の話で言うと、営業利益が赤字になっていると100億なのに赤字になっているみたいな話があったので、そこを会社すべてのPLを整理していって改善箇所の優先順位をつけていって代理対応しました。
コンセプト設計をこのお客さんはしなかったです。する前にやることがあったので、出血の食い止めをしました。
Amazonのキーワードを見に行ったときにビッグキーワードを中心に取りに行っていたので、ACOS いわゆる売上のうちの広告費の割合が非常に悪かったですと。
43%だったので、ミドルキーワードを中心に入札戦略の変更をしに行って、売上に関しては維持したままACOS 広告費の割合を改善しに行きました。売上はプラス実際10%上がっていて、年間の営業利益が上がったという事例ですね。
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徳田
すごい!
2億円利益が残って、赤字から2億円はめちゃめちゃ西田さんさまさまじゃないですか!
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西田氏
これだけ売上の規模感があると、ちょっといじくるだけで結構利益の部分が改善されるということはあるなというふうに思ってます。
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徳田
なるほど。
コンセプト設計から戦術の実行というところの立ち上げのフェーズから、実際に既存のECの改善とか利益創出みたいなところもできるというところなんですね。
まとめ - コンセプト設計の見直しによる顧客の解像度や打ち手の優先順位づけ

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徳田
これYouTubeで出しても良いのかなぐらいなレベルの内容だったなと思っていて、特にこのECで悩んでいる人こそコンセプト設計から見直した方が良いなというのは感じていて。
顧客の解像度とか打ち手の優先順位とか、そのへんって甘く見ちゃダメだなというふうには思っていて。
それがあっての戦術の実装なのかなというふうに思っているので、ECで運用しているものの伸び悩んでいる企業さんは、ぜひblendsさんにお問い合せいただけたらなと思います。後半だとblendsの人材育成みたいな話をちょっとしていけたらなと思いますので、また後編も見ていただけたらなと思います。
貴重なお話いただきありがとうございました!
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西田氏
ありがとうございました!
後半もよろしくお願いします。

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