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マレーシア 越境ECビジネス基本のキ 人口統計からマーケティングまで

近年、急成長中で世界が大注目のマレーシア。日本人が住みたい国ランキングでは10年以上1位を獲得し、続々と日系企業がマレーシア市場に参入しています。

 

マレーシアといえば一般的には

  • 英語はもちろんマルチリンガルがあたりまえ
  • アジア圏では豊かな国で、日本人顔負けの経済感覚
  • 実はイギリス・韓国よりも治安がいい

などが有名ですが、実際にどれほどマレーシアについてご存知でしょうか?今回は、現在マレーシアの首都クアラルンプールに在住の私が、みなさんの常識を覆すマレーシアのリアルをお届けします。マレーシアへ進出検討中の方々必見です!

こんなあなたにオススメ

  • 東南アジア諸国やマレーシアに進出したい
  • 欧米やシンガポールに進出したいが予算が足りない
  • 日本の魅力的な商品を親日国家マレーシアへお届けしたい

 

目次

1.まずはここは押さえよう!マレーシアってどんな国?
2.マレーシアにおけるECサイト「LAZADA」とは
3.イオンの成功から学ぶ日系企業のマレーシア進出戦略
4.マレーシア国民の悩み、問題
5.マレーシア向けWEBマーケティング施策
6.まとめ

 

1.まずはここは押さえよう!マレーシアってどんな国?

a.マレーシア基本情報のおさらい

まず、マレーシアは世界的金融の街として知られるシンガポールと接するマレー半島とボルネオ島の一部から構成されています。首都のクアラルンプールととシンガポールは飛行機で1時間と非常に近いです。マレーシア第二の都市ジョホールバルはシンガポールの対岸に位置します。

基本データ

面積:33万290平方キロメートル(日本の0.9倍)

人口:3162万人(日本の1/4)

首都:クアラルンプール(以下KL)

GDP成長率(2017年):5.9%(日本の3.5倍)

実は最近注目されているアジアの諸外国と比べても、成長率がダントツなんです!

 

b.マレーシアの特徴

 

マレーシアといえば、多民族・多宗教・多言語です。

多民族

マレーシア全体での人口比はマレー系60%、中華系30%、インド系8%ですが、都市によって人口比率は異なります。第一の首都クアラルンプールでは中華系が多く、第二の都市ジョホールバルではマレー系の人口が多いです。

多宗教

国教はイスラム教で、マレー系の多くがイスラム教を信仰しています。他にも、中華系は仏教、インド系はヒンドゥー教を信仰する人が多いです。

多言語

異なる民族が共存するマレーシアでは、共通語が英語です。KLでは英語が話せれば、生活で困ることはありません。国語はマレー語なので、基本的にマレーシア人は英語とマレー語がペラペラです。また、中華系の家庭では中国語、インド系の家庭ではタミル語を話す場合が多く、国民の多くがバイリンガルもしくはトリリンガルです。

気候

マレーシアでは年間を通じて、南国らしい暑さが続きます。どの月もだいたい同じ気温で最高気温は30℃前後、最低温度は22℃前後です。日本人の多くがマレーシアといえば”暑い”というイメージをお持ちかと思いますが、年を通じて気候が安定しているので、季節の変化が激しく、過酷な日本よりもよっぽど快適に過ごすことができます。また、雨季乾季があるのも東南アジア諸国の特徴ですね。エリアによって時期が異なりますが、一般的にKLでは3~4月初旬、10~11月が雨季と言われています。

料理

マレーシア料理といえば、辛くて甘い!民族によって料理は異なりますが、マレーシア料理全体としての私の感想は、辛い、甘い、野菜が少ない、油分が多い、味が濃いことが特徴です。特に飲み物はどれも日本人には信じがたい甘さで、日本では「ポッカレモン」などで有名なPOKKA(日本ブランド)の緑茶さえ砂糖たっぷりで売られています。その結果、肥満で悩む国民が大変多いです。

治安

まだまだ治安の悪いイメージを持たれがちですが、KL中心では滅多に犯罪はありません。私自身、盗難や強盗の被害を受けたことはないです。むしろ、タクシーに携帯を忘れたら家まで届けてくれた程です(笑)

たしかに、治安の良くない地域はありますが、主に移民としてマレーシアに不法に入国した貧困層による犯罪が多くを占めています。常に身の回りの持ち物には注意し、危ない地域には立ち入らないことで安全に暮らすことができます。

ちなみに、こちら世界平和度指数のランキングです。実は、日本人の旅行先として人気のイギリスや韓国よりも治安が良いと評価されています。

*世界平和度指数 : 世界平和度指数は、イギリスのエコノミスト紙が各国や地域がどれくらい平和かを相対的に数値化することを試みたもの。2013年版。

安全?危険?海外旅行に世界治安ランキング

 

c.日本との違い

民族間の違い

マレーシアでは、民族によって身に付ける衣服や食習慣、日ごろ見ているSNSでのインフルエンサーが全く異なります。なので「マレーシア人」でひとくくりにするのではなく、きちんとターゲットの民族を選定し、その人たちに合った効果的なマーケティングを行う必要があります。インフルエンサーや都市による人口比率の違いなど事前のリサーチが必須です。また、マレーシア人の中でもKL中心に住む中華系は裕福と言われています。日本人同様もしくは日本人以上にお金を消費する傾向にあります。確かに自分の周りを振り返ってみても、中華系のお友達はよくごはんをおごってくれたり、タクシー代を払ってくれたりと太っ腹な印象です。

物価

実際にマレーシアの物価は安いですが、よく言われる「マレーシアの物価は日本の1/3」というのは、昔の話です。確かに、タクシー料金(初乗り130円)や住居費(一等地シングルルーム3.5万円)などは格安ですが、国全体の発展と共に物価がどんどん上昇しているのは感じます。

といっても、実際の物価の感覚がつかみにくいと思いますので、ご参考までにビックマック指数を御覧ください。マレーシアでは、モノによって高いものと安いものが混在しています。以下の表から、”全体として”マレーシアは物価が安いと言えます。

世界経済のネタ帳より

マレーシアカレンダー

マレーシアでは3民族それぞれの文化が尊重され、各民族の祝日がマレーシア国民の祝日とされています。お正月セールが年に3回あったり、断食月にはオフィスアワーが短縮されたりと独自の習慣があります。日本人としては、祝日がいっぱいで嬉しい限りです。こういった宗教にちなんだ暦は、マレーシアのマーケットに挑戦していく上で意識していきましょう。

イスラム教

マレーシアではイスラム教が生活に密着しています。食事はもちろん、コスメにもハラル表示(イスラム法で許されたもの)があります。国民の大半がイスラム教徒のため、基本的に豚やアルコールを含むものや連想させるものは好まれません。

SNS

マレーシアでは主にYouTube、Whatsapp、Facebookの3つが一番強いSNSになっています。日本ではLINE, TwitterやInstagramに比べて普及率が低いFacebookですが、マレーシアに限らず東南アジア近隣諸国では利用しない人の方が珍しい程です。また、instagramの利用率は70%、日本国内で例えるとLINEのようなメッセージアプリのWhatsappの利用率が90%を超えています。

訪日.comより

2.マレーシアにおけるECサイト「LAZADA」とは

マレーシアのECサイトはLAZADAが圧倒的な人気を誇ります。月間サイト訪問者は2500万人を超え、東南アジアのAmazonとも呼ばれています。シンガポール・マレーシアを中心に東南アジア6カ国で展開しています。そんなLAZADAの魅力を簡単にご紹介します。

a.圧倒的な取り扱い商品数と破格の値段

LAZADAグループの商品掲載数は約2.6億点もあり、多様な選択肢があります。マレーシアでは街中にショッピングモールがあり、買い物に困ることはありませんが、値段の安さからECショッピングを好みます。大型セールによるマーケティング手法が特徴的です。

b.多様な決済方法

以下のように様々な支払い方法に対応しています。また、7日以内であれば返金・返品可能です。

c.安心のトラッキングシステム

まだマレーシアでは日本の郵便局のように信頼のできる運送システムが整備おらず、配送に時間を要しますが、LAZADAではアプリやメールからいつでも輸送状況を確認できます。最近では、地域によって即日配送システムも導入されつつあり、これからに期待が寄せられます。ただ、時々商品が届かなかったり、出店者側の都合で商品がキャンセルになる場合があります。私も勝手にキャンセルされた経験はありますが、支払ったお金はLAZADAのオンラインバンクに振り込まれていました。

d.地域間の所得の違い

マレーシアでは地域によって民族の人口比率や所得、GDP成長率など大きく異なります。マレー人向けにECサイトを運営する場合には地域や民族の特性に合わせた、マーケティング戦略が必要です。

 

3.イオンの成功から学ぶ日系企業のマレーシア進出戦略

イオンは84年に進出し、マレーシアでの売上高が2018年通期決算1,188億円、前年比5.6%増と着実に業績を伸ばしています。現地で見た私が思うイオンの経営戦略のポイントは以下の3点です。

a.イスラム教への対応

マレーシアの国教であるイスラム教の信者は、”ハラル”というイスラム戒律によって認められた酒や豚などを含まず、戒律に基づいて作られた食品しか基本的に食べません。そこで、イオンでは”ハラル”を明確にしたデリカコーナーを拡大しています。また、女性の社会進出が進んでいることで、食材ではなく、すぐに食べられるお惣菜の需要も高まっています。

b.ブランドによる差別化

イオンのオリジナルブランドを充実させることで、競合の激しいクアラルンプールでの差別化を図っています。イオンの提供するお手頃価格と日本の高いクオリティには定評があるようです。

c.新しい中間層へのアプローチ

飽和感のあるクアラルンプールの中国系狙いではなく、新たな中間層をターゲットに出店立地を広げています。また、中間層の拡大に伴い高まるアンチエイジングや美白など健康と美容に対するニーズの取り込みを狙った新たなドラックストアの出店を急いでいます。

おまけ:100円ショップのダイソー・マレーシア

徹底的なローカライズを行って成功したイオンの対比として面白いのが、ダイソーです。

通常、日系の企業はローカライズしてから商品として販売するところ、ダイソーは日本と同じ商品をアレンジも翻訳もなしに日本語のまま販売しているのです。それが、マレーシア人にとっては物珍しくウケたようで、2019年現在、マレーシア国内に62店舗を展開しています。

また、意外な人気商品のひとつでマレーシア人が絶対使わなさそうな使い捨てカイロがあります。暑さの厳しいマレーシアでは屋内の冷房が大変強く、寒さに困るというニーズがあるからです。こういった日本人の常識では見つけにくい意外な需要が発見できる事もあります。

 

4.マレーシア国民の悩み、問題

マレーシアの一般の人が多く抱えているなやみとは何でしょうか?クアラルンプール在住の私の周りの声を参考に、社会的に問題になっている2点についてご紹介します。

乾燥肌やニキビ

マレーシアでは屋外では紫外線が強く、屋内では冷房が強いため肌へのダメージが多く乾燥肌に悩む国民が多いです。一方で、油分の多い食事によりニキビに悩む若者もいます。なので、自分の肌にあった製品で、品質が高くかつ安価な美容製品を探し求めています。また、白い肌が美しいとされるイメージがあるので、多くの若い女性が美白に強い憧れをもっています。

肥満

国家の発展とともに肥満問題が顕在化しています。特に甘い食べ物や飲み物を好む食生活により、糖尿病の全人口に対する割合の世界平均が8.5%であるのに対して、マレーシアはその2倍の16%と非常に高いです。

この対策として、2019年4月より砂糖の入った飲料に課税する「ソーダ税」が導入されています。国を挙げて健康増進に取り組み始めているため、今後健康や肥満問題に関する商品への需要はさらに高まるでしょう。

 

マレーシア向けWEBマーケティング施策

マレーシアでマーケティングをする際は、
1.PR/インフルエンサーマーケティング
2.運用型広告(Google広告、Facebook広告)は欠かせません。

1.PR/インフルエンサーマーケティング

PR/インフルエンサーマーケティング施策は商品の認知度によって打ち手が変わってきます。

まだマレーシアで知られていない商品のPR

ただマレーシア向け越境ECサイトを構築して運用型広告を配信してもすぐには購買にはつながりません。自国のユーザーが使っている様子を発信していく必要があります。

まだマレーシアで知られていない商品のPRの場合、商品の使用動画やブログ記事をインフルエンサーに依頼する事で商品の認知度が徐々に上がり、指名検索(商品名で検索するユーザー)数を増やす事が可能です。この指名検索数の増加が海外で売上を安定的に伸ばして行くのに不可欠です。

新規ユーザーにリーチする施策としてYoutube動画を依頼するだけでなく、自社の越境ECサイトにその動画を掲載する事で訪れたユーザーの理解が深まるだけでなく、安心感を与える事が可能です。

既にマレーシアで知られている商品のPR

既に自社が取り扱う商品の認知があり、検索ニーズがあるのであれば他社もその商品を取り扱っている可能性が高いです。

その為、商品自体のPRではなく、自社サイトで購入する理由を印象付けるPR施策を実施しましょう。

マレーシア向け運用型広告(Google、Facebook広告)

マレーシア人はFacebookに滞在している時間が日本人よりも長いです。その為、Facebook広告でリーチできる時間が日本人よりも長くなります。

マレーシアでのインターネット使用時間

日本人のインターネット使用時間

マレーシアの人々は、1日のうち8時間半インターネットを利用しています。24時間のうち睡眠を7時間、起きている時間を17時間とすると、起きている時間の半分をインターネットに費やしていることになります。またそのうちの約3割の3時間をSNSが占めており、テレビを観ている時間を超えています。ストリーミング型の音楽配信サービスの利用も多いことが分かります。

【2018年版】マレーシアのインターネット利用状況より 引用

6.まとめ

現在急成長を遂げるマレーシアいかがでしたか。イスラム教が生活に根付く多民族国家でありながら、アジア進出の足がかりとして、まずはASEAN諸国との繋がりが深いマレーシアでぜひ越境ECにトライしてみませんか? 

民族や宗教など色々な特徴があるため複雑に思われがちですが、その分マレーシアで成功したその先のアジア圏でのビジネスを予想しやすいとも考えられます。色々な文化が混ざったマレーシア進出で学んだノウハウは後に、シンガポールやその他ASEAN諸国、イスラム系の国などへの進出の際に活かしやすいと思います。また、昔ほどではありませんが、物価も安い国なので比較的少ない投資で、実践的に越境ECをテストしていく場としても最適です。

最後に、マレーシアに進出したい方はぜひ以下のポイントを意識してみましょう!

・各民族の特徴を捉えた効果的なマーケティング戦略を持ちましょう

(中華系は裕福な人が多い、マレー系は単価は低いが拡散力が強い…etc)

・英語対応は必須。単価が高めの商材の場合、中国語対応もできるとベター。

マレーシアに関してその他ご質問等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。マレーシア現地より最新情報をお答えさせていただきます。

投稿者: Ami Kikuchi - 菊池あみ
1999年生まれ、山梨県出身。自分の人生を考える上で国内大学の進学に対する目的を失い路頭に迷う。高校卒業後、マレーシアの多文化多国籍の環境に魅力を感じ、マレーシアのHELP大学への進学を決意。専攻はCommunication in PR。

マレーシアでは日本人・現地ローカルに向けた交流イベントやキャリアイベントを開催。一人でも多くの方々に日本・マレーシアの素晴らしさをお伝えするために活動中。

また、進路における選択肢の一つとして高校生に向けた留学相談・サポートも。世界中どこでも働ける人間になるべく、挑戦の日々です。

世界へボカン株式会社 インターン生。

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